「オートボイル式ラーメン」って何? 東京・八王子の老舗ラーメン店を食べ歩いてきた


2021.03.17

食楽web

食楽web ある日の昼下がり、友人から何かのついでにもらったカップラーメン「みんみんラーメン」を、これ美味しいなぁ、と思いつつすすっていた時に、「東京・八王子ラーメン」と書いてあるのに気づきました。 筆者はこれまで“八王子ラーメン”という名前を耳にしたことはありましたが、ご当地で食べた経験はゼロ。つまり、八王子ラーメンが何たるかについて、ほとんど知りませんでした。八王子ラーメンは八王子のソウルフード そのカップ麺には、“八王子ラーメン”の特徴が書いてありました。いわく、【1】澄んだ醤油スープ、【2】スープ表面に浮いた油、【3】きざみ玉ねぎ、この3点こそが八王子ラーメンを八王子ラーメンたらしめている要素とのこと。 試しにネットで検索すると、八王子には無数のラーメン店が綺羅星の如く存在することが判明。そこである日、そのカップ麺をくれた友人を誘って、八王子に行ってみることにしました。そう、八王子ラーメンを実地体験することにしたわけです。カップ麺の側面に、八王子ラーメンの特徴が明記されていた とはいえ、八王子でラーメンを出しているお店は、『みんみん』以外にも数え切れないほどあり、その中の1店を選ぶのは至難のワザ。いつもならスマホで検索し、写真や口コミなどを参考にして決めるところですが、わざわざ都心から遠出するのに、そういうのは予定調和的で面白くありません。 ということで今回は、あえて街を歩きながら「思わず入りたくなった店に入る」という、行き当たりばったり方式を採用することにしました。八王子で最古のラーメン店『竹の家』へ「オートボイル式」とは何か。気になります 八王子駅北口を降りて商店街を歩いていると、早速、気になる店を見つけました。それが、この『ラーメン専門店 竹の家』です。店の佇まいからして老舗感があり、暖簾が巨大で堂々としています。しかもお客さんがくぐる部分だけカットしている心遣い。オーラにあふれています。 一番気になったのは、看板に「オートボイル式」と書かれていたことです。何か気になる言葉です。とんでもない新発明なのでしょうか。入店してみると、そのオートボイル式が何か、すぐに判明しました。入り口すぐにあるオートボイルの機械。ハイテクのようでローテク感たっぷり。見ているだけで楽しい そう、写真の通り、麺茹でを機械で行っているのです。ご主人が生麺をザルに入れると、巨大な釜の湯に麺が自動的に浸かっていき、ゆっくり回転。徐々に上昇して茹で上がってくるのです。面白い! こんなマシンを見るのは初めてです。 さっそくラーメン(580円)を注文すると、赤くて小さなプラスチックの札を渡されました。昭和感がひしひしと伝わってきて、なかなか面白いお店です。ご主人が一人でラーメンを作っています スマホで調べてみると、『竹の家』は昭和29年創業。つまり今年で67年目で、なんと八王子市で最も古いラーメン専門店なんだそう。何も知らないのに、すごい老舗に入ったようだ、と感激します。『竹の家』の「ラーメン」580円 さて、登場したラーメンは、ご覧のように濃い醤油色。表面はラードが浮いており、ネギ、チャーシュー、メンマ、海苔がのっていて、昔ながらの醤油ラーメンといったビジュアル。 煮干しの香りが漂い、スープをすすると、出汁の旨みがしっかり感じられます。そして麺は、中太の縮れ麺。もっちりしていていい塩梅。オートボイルの凄さを噛みしめます。つるんとした食感の中太麺 スルスルと食べられて、後味もあっさり。おやつのように食べられるラーメンです。店を出て「さすが八王子ラーメンの老舗の味」と感動していたら、同行していた友人が「美味しかったけど、きざみ玉ネギがなかったねえ」とぽつり。 うっかりしていました。確かに冒頭で書いた八王子ラーメンの特徴の一つ「きざみ玉ねぎ」が見当たりませんでした。というわけで、もう1軒、カップラーメンにもなっていた『みんみんラーメン』に行こうと思ったのですが、運悪くその日は定休日。そこで、また引き続き探すことに。カレーも美味しいラーメン店『でんでん』を発見八王子駅南口から徒歩10分の場所に発見した『でんでん』 続いて気になったお店は『でんでん』です。このお店に入りたくなった理由は、ガラス戸に「ラーメン&カレーセット」(900円)という文字を見つけたからです。 特にカレーが食べたかったわけではありませんが、「カレーを出す町中華屋は総じて美味しい」という、昔どこかでインプットされた記憶が蘇り、これは美味しいに違いない、と何の根拠もなく確信したわけです。『でんでん』のメニュー ただ、今回、カレーは売り切れということだったので、「八王子ラーメン」(並・550円)だけを注文しました。『でんでん』の「八王子ラーメン」(並)550円。きざみ玉ねぎのほか、針生姜も入っています 登場したのは、濃い醤油色で澄んだスープに、キラキラとラードが浮かんでいます。きざみ玉ねぎもしっかりのっていて、これぞ王道の八王子ラーメンといった趣です。 しかも、こちらのラーメンは20種類以上の天然食材の旨味が最大の特徴なんだそうです。確かに、非常に奥深い味わいで、玉ねぎの粒を追いかけながら、思わずスープを飲み干しそうになるほど滋味深い味わいでした。チャーシューは、ボイルしたものを一晩寝かせているそう。最後にバーナーで炙っているので香ばしい! ちなみに、チャーシューも絶品でした。柔らかいうえに香ばしく、噛むたびに旨みが増幅していくよう。ストレートの中細麺とスープの絡みもよく、まるで飲むようにして完食。 ラーメンを食べた後に残りがちなしょっぱさや脂感なども感じることなく、後味もスッキリ。大満足の一杯でした。スープと相性抜群の麺もツルツルで美味 さて、帰りに、駅のそばの商店街で行列ができていた『つるや製菓』へ寄りました。八王子名物・都まんじゅうが有名な老舗です。こちらのまんじゅうも、オートボイルならぬ“オートメーカー”で回転しており、まんじゅうが作られていくのを店の外から眺めることができます。次々と焼き上がる都まんじゅう ちなみに都まんじゅうとは、薄皮に白餡が入っている一口サイズのおまんじゅうで、1個なんと35円! あっさりしていて甘さも程よく、一気に5~6個くらい食べられそうです。「都まんじゅう」15個525円 というわけで、「都まんじゅう」をお土産に購入して、中央線で都心に戻ることに。 振り返ってみれば、『竹の家』も『でんでん』も、ラーメンが1杯500円台。そして、この都まんじゅうも15個で500円台。八王子はとにかく安くて旨くて楽しい町で、グルメ散歩を十分満喫できました。他にも美味しいラーメン屋さんがたくさんありそうなので、また近々、行ってみたいと思います。(撮影・文◎土原亜子)●SHOP INFO店名:竹の家住:東京都八王子市中町4-2TEL:042-642-5450営:10:00~19:30休:水・第3木店名:でんでん住:東京都八王子市子安町1-37-6TEL:042-645-9268営:11:30~15:00、19:00~21:30休:火・祝店名:つるや製菓住:東京都八王子市旭町7-8TEL:042-626-0223営:9:00~18:00休:水 

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竹の家
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4.0

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東京都八王子市中町4-2
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0426425450
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月・火・木-日 ランチ・ディナ…
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でんでん
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東京都八王子市子安町1-37-6
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0426459268
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つるや製菓
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東京都八王子市旭町7-8
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0426260223
opening-hour
9:00-18:00
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