旨い店はタクシー運転手に訊け! ミシュラン4年連続掲載の行列店『中華そば しながわ』(池袋)の「煮干しそば」が絶品


2020.04.22

食楽web

食楽web「旅先で旨いものが食べたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこでB級グルメに精通する現役運転手・荒川治さんにイチオシのお店へ案内してもらいます。 今や東京には「煮干し」を売りにするラーメン店が星の数ほどありますが、私が最初に「煮干しそば」を食べたのは、池袋にある超名店『中華そば しながわ』さんです。6年前のことでしょうか。 ご存知の方も多いと思いますが、こちらのご主人・品川龍一郎さんは、『中華そばゼットン』や『BASSOドリルマン』といった大行列を作る超人気ラーメン店を創業した方。さらにこの『しながわ』はオープンした翌年に「ミシュランガイド東京2015」のビブグルマンに選出されて以来、2018年までなんと4年連続掲載された実力店なのです。池袋から立教通りを進み、山手通りに当たる少し前にあります さて、当時は今ほど煮干しを前面に打ち出す店は少なく、『中華そば しながわ』さんも看板メニューはもちろん「中華そば」。でも友人から「中華そばだけじゃなくて煮干しそばもめちゃくちゃ旨いから食べてみて」と薦められて、オープンしたばかりの『しながわ』さんに行ってみたわけです。 しかし、当時の私は、煮干しそばの魅力に目覚めていなかったもので、訪れてはみたものの、つい怯んで、「中華そば」を注文。鳥肌が立つほど旨い絶品煮干しそば「特製中華そば」1100円 しかし、これがスゴかった! スープは、醤油と鶏ガラベースの非常に上品な味。ひと口目から感激しました。ツルンとなめらかな自家製ストレートの細麺をすすると、醤油の香味が溢れます。豚バラと肩ロースのチャーシューの食感、味わいの違いも最高。煮卵の味の染み具合も中のとろみ具合も、メンマの味付けの油の量も絶妙。スープを最後の一滴まで残さず飲み干し、それでも後味がさっぱり。食べ始めから食べ終わりまで、完璧としか言いようがない。 よし、次回は絶対、「煮干しそば」にしようと決めて、その日は店を後にしたのです。しかし人間とは愚かなもので、一度知ってしまった完璧な味を忘れられるはずもなく、以来、2回、3回、4回としつこいくらい「中華そば」をリピート。何度食べても旨い。いやどんどん旨さの真髄が伝わってくる深い中華そばなのです。そして、ようやく何回目かで思い切って「煮干しそば」を注文しました。「特製煮干しそば」1100円 これがまた衝撃的でしたね。鳥肌が立つくらい旨いんです。「中華そば」とはまったく印象が違います。着丼した瞬間から煮干しの香りが立ち込め、スープを飲めば、その煮干しによる旨味がたっぷり。背脂が入っているのですが、その甘みが非常に上品に感じられます。 麺は自家製の太麺で、ぷるんと縮れていてコシがある。麺自体に小麦の味わいがしっかりとあって、スープをまとった麺を噛みしめるのがたまらなく楽しいのです。「煮干しそば」ってこんなに旨いんだと、またまたリピートを重ねていきました。小麦の風味がしっかり残る自家製太麺 ところで、『中華そば しながわ』の店主・品川龍一郎さんのことを追記しておくと、若くして様々な名店で修業を重ね、2007年に自らの店『中華そばゼットン』をオープン。その中華そば、つけそばは、口コミで話題となり、あっという間に大行列店に。 そして、2008年11月に店名を『BASSOドリルマン』に変え、2014年に2号店として『中華そば しながわ』をオープンしたのです。ちなみに『BASSOドリルマン』は2018年に店を閉じ、現在、店主の品川さんは秋田県羽後町『BASSOどりるまん商店』とこの『中華そば しながわ』を行き来しているのだそうです。 ともあれ、私は、ここの「煮干しそば」を食べて以来、様々な店の煮干しそばを食べ歩くようになりました。いわば、私の煮干しそばの原点の味といっても過言ではありません。今でも時折、『しながわ』さんに戻って至高の「中華そば」と「煮干しそば」を食べたくなります。そして食べるたびに、また美味しくなったかもと、感激するのです。今ならファミマで「ABRASSO」が買えます ちなみに、友人の情報によると、油そばの「ABRASSO」(880円)も美味しいとのことなので、近いうち食べてみようと思っています。ちなみに今、ファミリーマートでその「ABRASSO」がカップラーメンになって販売されているそうです。見かけたらぜひ試してみてください。(撮影・文◎土原亜子)●SHOP INFO店名:中華そば しながわ住:03-5926-6178TEL:東京都豊島区西池袋4-19-14営:11:00~15:00、 18:00~22:00休:無https://twitter.com/shinachuu●プロフィール荒川治東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。 

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