呑兵衛の聖地・赤羽の名店『まるます家』の名物「ジャン酎」の魅力とは?


2019.10.29

食楽web

食楽web 漫画やドラマをきっかけに、朝から飲み歩きを楽しむ人が多く訪れる東京・北区赤羽。中でも、赤羽の飲み歩きで外すことができない店の一つといえば『鯉とうなぎのまるます家 総本店』です。 創業は1950(昭和25)年、元々は「自転車預かり」の店でしたが、朝から飲める店を始めたところ、ちゃんとした焼酎が飲める店と評判になり、夜勤明けの工場で働く人や警察・消防などの公務員、バス・タクシーなどの運転業の人たちで賑わうようになっていったとのこと。戦後に真っ当な焼酎が飲める店、というのは貴重だったんですね。 そして、愛知県のうなぎの養殖場に縁があった初代の伝手で、夏はうなぎ、冬は鯉を出すようになったことから、うなぎと鯉が店の看板メニューに。もちろん今でも、うなぎと鯉は人気料理です。1階はカウンター、2階は座敷席。女性スタッフがキビキビと働く姿が印象的 平日は開店前からお客さんが並んで入る姿が。「土日祝日は特に多いですね。昭和の香りが漂う商店街にあるので、ノスタルジーを求めてやってくる若者も結構多いんですよ」と3代目の松島さん。 1階は、隣席との距離が近いので、みんなで食事を囲むような不思議な感覚に浸れるとのこと。ひとりで飲んでもワイワイガヤガヤ、世代を超えて一緒にお酒やつまみを楽しむ感覚に。「黙って飲んで、他の人たちがどんな会話をしているのか聞くのも楽しいし、隣の人と会話を楽しむのもいい。楽しい時間を過ごせますよ」と三代目。確かに、たまたま隣り合った人とお酒を飲みつつの会話は楽しそうです。看板の「鯉の刺身」と人気の「牛すじ煮込み」は必食!「鯉生刺」600円。ほんのりピンク色の透き通った身。生姜やニンニクをちょっと載せて 長い間、お店で愛され続けているメニューを聞くと、「やはり鯉ですね。群馬の赤城山のふもとにある養殖場の鯉で、鯉の生臭いイメージは全くありません。だから刺身で食べて欲しいですね」とのこと。煮込み料理の「鯉こく」などを出すお店はあっても、鯉の刺身を出す店は都内でも少ないかも。それだけ鮮度に自信がある、ということですね。 実際食べてみると、確かに川魚にありがちな臭みなどは全く感じない。むしろ透き通った美味しさ。ほどよくしまった身に、醤油、そしてちょっと生姜やニンニクをつけて味わうと、お酒が進む美味しさです。「牛すじ煮込み」450円。牛すじ、豆腐、大根や人参、ネギなど さらに「煮込みも人気ですよ~」とのことで、煮込みも追加で注文。味噌ベースの「牛すじの煮込み」で、実は小技でローリエなどのハーブや香辛料を効かせているとのこと。 ほんのり洋風な香りが漂う煮込みです。味噌ベースだけれど濃厚さではなく、旨みで味噌を感じる程度。一般的な煮込みのイメージよりもスッキリした、牛すじの旨さを感じる味わいです。『まるます家』オリジナルの一杯「ジャン酎モヒート」「ジャン酎」1リットル1100円。「モヒート(生ライム&ミント)」100円 そして、「うちに来たらこれを飲まないと」というのが「ジャン酎」。ハイリキの市販では売っていないガラスボトルで出てきます。「30年ぐらいずっと人気のお酒ですね。元々はメーカーにおいてくれって言われて置いたら人気が出てね」。 そして、『まるます家』のルールが。ジャン酎は1人1本、3杯まで。「ジャン酎」でマイペースに楽しむのが鉄則。さらに、デロンデロンに酔っ払ってから店に来るのは禁止! です。 今回は追加でミントとライムを入れた「ジャン酎モヒート」に。爽やか「ジャン酎」は、鯉の刺身とも煮込みとも相性抜群! スッキリ味わえる。そして心地良さも。スイスイ飲めちゃうのが逆に危険な気がします。女将さんの石渡宏子さん「50年以上ここで立って商売していますよ」 ちなみに、2階は3名以上の利用で、2階限定で宴会メニューも。これからの季節は「すっぽん鍋」などがオススメとのこと。1階はフラッと1人で飲んで楽しむ、2階は座敷席でゆったり楽しむ。という感じでしょうか。 元々は夜勤明けの働く皆さんの憩いの場、今では赤羽飲み歩きで外せない人気の店となった『まるます家』。さすが70年近く続く、魅力と笑顔に溢れたお店です。次回はあったかい鍋とジャン酎で決まり!(撮影◎小嶋裕 取材・文◎石澤理香子)●SHOP INFO店名:鯉とうなぎのまるます家 総本店住:東京都北区赤羽1-17-7TEL:03-3902-5614営:10:00~21:30、土曜9:00~21:30、日曜、祝日9:00~21:00(L.O.各60分前)休:月曜(祝の場合翌日、月一で月火連休あり) 

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鯉とうなぎのまるます家 総本店
place
東京都北区赤羽1-17-7
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