プロのシェフが通う“リアル深夜食堂”! 渋谷『オステリア ヴィネリア ラ・コッポラ』のパスタの魅力とは?


2019.10.11

食楽web

食楽web 忙しく仕事をして、終わって時計を見たらもう23時すぎ。お腹も減っているけど、今からじゃもうチェーンのレストランしかやってないかな…なんてこと、ありせんか? でもせっかく食事を楽しむなら、しみじみ美味しい店に行きたい…。 そうだ、食事のことなら料理人に聞いてみよう! ということで、今回はジビエ料理で定評ある東京・表参道のフランス料理店『ラチュレ』のオーナーシェフ・室田拓人さんが通う“REAL深夜食堂”を教えてもらいました。シンプルながら力強い。円熟が故の技を楽しみたい大好物の「カラスミの冷製フェデリーニ」を笑顔で味わう室田拓人シェフ。「素材を生かしたこの店の料理は、遅い時間でもすんなりお腹に入りますね」 深夜の名店が、思いのほか不毛な渋谷界隈。「特に渋二と呼ばれているこの界隈は少ないんですよ」との声の主は、室田拓人さん。青学西門通りに面して佇む、ジビエ料理で定評あるフランス料理店『ラチュレ』のオーナーシェフです。 お客が引けた後、後片付けをすませたら、店を出るのは早くても24時。その時間でも、満足のいく料理を食べさせてくれる数少ない一軒が、同じビルの二階にある『オステリア ヴィネリア ラ・コッポラ』だそうです。どちらも開店した時期がちょうど同じ頃だそうで、 オープン当初から気になって、時おり訪れているとか。「何といっても、店からゼロ分ですから(笑)」(室田さん) ともすれば、複雑な構成になりがちなフランス料理に対して、素直に美味しい料理が多いところも気に入っているそうで「シンプルなお皿って、実はとても難しいと思うんです。この店の筒井力丸シェフは大ベテラン。学ぶことは多いですね」。いつもはスタッフと一緒だという室田シェフ。メニューは、前菜の盛り合わせなど、筒井シェフにおまかせしているそうですが、 絶対に外せない一品、それが「サルディーニャ産カラスミの冷製フェデリーニ」です。「サルディーニャ産カラスミの冷製フェデリーニ」1600円。駿河湾直送の新鮮な生しらすをトッピング。筒井シェフのスペシャリテ 室田シェフによれば、「いつ食べても、変わらずに美味しい。もう、毎日でも食べたいぐらい好きですね。トッピングの生しらすとカラスミとの組み合わせも絶妙なんです」と大絶賛。 あまりに好きすぎて、自分の店でも、千切りにしたアオリイカをパスタに見立ててカラスミと和え、コースのアミューズとして出したこともあったそう。まるでマヨネーズで和えているかのようにクリーミーなパスタの口当たりが旨さの秘訣ですが、それも、カラスミとオリーブオイル、そして少々の茹で汁をしっかりと混ぜ合わせ、乳化させていればこそ。シェフの技が光る逸品です。 また、ここで食べる「和牛肩三角の稲わら蒸し焼き」も室田さんの好物の1つ。「和牛肩三角の稲わら蒸し焼き」2000円/100g。サシが入りつつも肉に締まりのある肩三角は、焼きの技術がモノを言う部位。ココットに入れて蒸し焼きにすることで、程よい歯ごたえに仕上がる 一度フライパンで軽く焼き目をつけた後、藁で包んでココットに入れ、蒸し焼きにした和牛肉は、肉汁のジューシーさに加え、藁独特の薫香が食欲を刺激します。「自分の店では、鹿とか熊とか猪とか。いつもジビエでしょう。牛肉は、ほとんど口にしないので、こういうところで食べる牛肉って、とても新鮮なんです。一般の方が、ジビエを食べる時みたいな感覚とでも言えばいいのかな」。そう言いつつ、顔をほころばせて牛肉を頬張る室田シェフ。ボトルは3600円~ ワインはグラス一杯くらいを嗜む程度だそうですが、ここはヴィネリア。イタリアワインは、リスト以外に全州を揃えているなど品揃えはさすがのひと言です。(文◎森脇慶子 撮影◎鈴木拓也)●SHOP INFO店名:オステリア ヴィネリア ラ・コッポラ住:東京都渋谷区渋谷2-2-2 青山ルカビル 2FTEL:03-6805-1551営:18:00~翌2:00(L.O.翌1:00)休:日曜 ※月曜が祝日の場合休み●プロフィール紹介人/室田拓人調理師学校を卒業後、『タテル・ヨシノ』等で修業。渋谷『deco』の料理長を経て2006年『ラチュレ』をオープン。2009年に狩猟免許を獲得。自ら獲ったジビエを店で提供。※当記事は『食楽』2019年秋号の記事を再構成したものです 

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