苔のじゅうたんを裸足で歩く!新緑の京都で苔トリップ


2019.06.15

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◆苔のじゅうたんを裸足で歩く!新緑の京都で苔トリップ
日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は、編集Oが新緑の京都へ出かけて、この時期美しくなる苔の名所をめぐってきました。
京都の初夏に、青もみじとともに楽しみたい、奥が深い“苔”の世界を堪能する旅
今回の京都で体験した、青もみじの下に広がる、青々とした“苔”を主役に、わくわくする青もみじと苔のコラボする新緑の旅をご案内します。京都の古刹には、苔が美しい寺社がたくさんあり、なかでもおすすめの圓光寺、祇王寺、常寂光寺の3カ所を巡って、萌葱色、鶯色、苔色…濃淡さまざまな緑色、形まで、実に多彩で奥深い苔の世界を味わってきました。目線を上げれば、青もみじとのコラボレーション、足もとをみれば、苔の世界が広がる、心のデトックスができる“苔トリップ”をぜひ体験してみて。
圓光寺の本堂から眺める十牛之庭はまるで一服の絵のよう。あまりの美しさに時間を忘れて眺めてしまう
早起きをした朝、坐禅と裸足で苔庭作務を初体験
今回、朝いちばんに訪れたのは、京都市左京区一乗寺にある圓光寺(えんこうじ)。こちらは徳川家康が開いた学問所にはじまるという古刹です。秋の紅葉の美しさで有名な庭園、十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)は、足もとに広がる苔も見事。一歩足を踏み入れると、しっとりとした静謐な空気が漂い、背筋がしゃんと伸びるような清々しさを感じられます。
坐禅を行う坐禅堂。尼僧の修行ではひとりあたり1畳を与えられて、ここで坐禅をし、ここで夜は眠ったそう
苔庭鑑賞のあとは坐禅体験。明治以降から近年まで尼僧の修行に使われていた坐禅堂で行うとあって緊張が高まります。大坪慶寛住職より禅宗や座り方や呼吸法など坐禅のいろはをお聴きしてから、ふかふかの座布団の上に座り、坐禅を開始。なにも考えない、無心になることがこんなに難しいなんて! 数を1、2と数えながら呼吸を合わせて頭を空っぽにするとコツをお伺いして実践。「最初は10数えるのも難しいですよ」と住職が話されましたが、いつまでたっても1、2、1、2が精いっぱい。いかに日常的に雑念にまみれているかがよくわかります。
ほかに、木の棒で背中をたたかれる警作(けいさく)や、坐禅の合間に体をほぐしたり血行を促進したりするために行われる、坐禅堂のまわりを早足で周る経行(きんひん)など、本格坐禅を体験して終了!
一面の苔が美しい十牛之庭で作務に取りくむ。茂った青もみじの下はひんやりしっとりした空気感
次はお目当ての苔庭作務。通常は草履をはいて行われますが、今回は特別に裸足で挑戦。苔掃除用の小さな竹ほうき、ちりとりを持ち、裸足で苔の上へ。ひんやり、ふわふわで気持ちがいい。裸足で土の上を歩いたときのようなナチュラルな感覚が呼び覚まされます。
苔庭作務は、ひとことでいうなら庭掃除ですが、さとりのきっかけを求める、れっきとした修行のひとつ。苔の上の落ち葉や雑草などを丁寧に無心になって取り除いていきます。実際に試してみると、裸足で行うことで自然とつながる感じ、落ち葉や枯れ枝などをもくもくと拾ってなにも考えないことで、頭と心がクリアになる感覚に! デトックスや断食などと通じるような、まさに頭と心のデトックスといえそう。お試ししたい方は、2019年6月30日(日)限定で、この早朝の苔庭作務と坐禅体験が開催が予定されているので要チェックです。
上/この日にいただいたのは鉄鉢料理「ゆり」4320円。デザートの自家製わらび餅はぷるぷる食感が格別 左下/食後はひとつにまとめて 右下/奥嵯峨野にたたずむお店 ※その時季の食材の仕入れによりメニュー内容は変更となります
湯葉やごま豆腐に感動する、初めての鉄鉢精進料理
修行体験にて頭と体を使っておなかもすいてきた昼どき。奥嵯峨へ移動し「泉仙」嵯峨野店を訪れ、こちらも初体験の托鉢で使う入れ子の器を模した大小7つの器に盛られた精進料理をいただきました。肉や魚介を使わないため、主役は豆と野菜のお料理。とりわけ、毎日手作りされる汲み上げ湯葉、ごま豆腐が格別。調味料控えめ、食材の味を生かした精進料理をベースにしているだけあって、大豆の香りやまろやかな甘みが存分に感じられます。ほかの器にはナス、ハスイモ、ミョウガなどふんだんに野菜が色とりどりに盛られて、舌だけでなく目も楽しめます。食後は器を大きいものから順番に重ねてひとつにまとめて、ごちそうさま!
上/祇王寺の苔庭の奥には草庵が 左下/草庵の仏間に安置された本尊大日如来、清盛公、祇王らの木像。祇王の像は鎌倉末期の作で水晶の眼が印象的 右下/祇王が描かれた良縁結びの絵馬。このほかに縁ほどきの絵馬も
祇王寺で、緑あざやかな苔をじっくり観察
「小倉山のふもとにある祇王寺(ぎおうじ)の苔は、その緑のあざやかさが特徴です」と、伊勢俊雄住職。草庵の下に広がる庭園では、青もみじの下にはヒノキゴケをはじめとする約30種類の苔が見られます。境内の一角には小さな鉢に入った苔の展示もあり、それを参考に苔観察もじっくり。一つひとつ観察すると、形もそれぞれで個性的で、まさに自然のアート。写真を撮りだしたらあっという間に時間がたってしまいます。
住職から、祇王寺の歴史の説明も。平家物語の悲恋に由来し、かつて平清盛の寵愛を受けた祇王(姉)と祇女(妹)、刀自(母)が、そして祇王の悲恋の原因となる仏御前が後を追って出家したことから、縁切り、縁結びの寺としても有名だそう。縁切りというと、ちょっとドキドキ。でも人の縁だけでなく、この世のあらゆる縁という意味も含まれ、最近あまりいいことがない、なにかを変えたいというときにもよさそうです。悪い因縁をほどき、よい縁を結びたいときにもぜひ訪れて。
上/常寂光寺の仁王門を抜けたあたりは、道の脇の苔がひときわ鮮やか 左下/受付の黒猫は訪れる人をみな笑顔に 右下/緑の中に立つ多宝塔
まるで苔アートの美術館のようなお寺をのんびり散策
祇王寺から10分ほど歩いた常寂光寺(じょうじゃっこうじ)では、山門脇の受付で、看板猫がお出迎え。小倉山のなだらかな山の地形を生かして配されたお寺全体が苔アートの美術館のようなこちらでは、苔の種類も多く、30種以上が見られます。山門、仁王門、本堂、多宝塔などを、苔むす小道を抜けて巡ります。なかでも珍しいのは竹と苔のコラボ。竹林の中までも苔むしているのでぜひ見ておきたい。いちばん上の多宝塔まで登ると、京都の街を一望できる絶景が待っているので、途中であきらめずに!
2019年6月22日(土)には、苔アーティスト今田裕さんによる「苔テラリウム」のワークショップを開催。透明のガラス容器の中に、苔むす常寂光寺を表現したテラリウムは持ち帰り可能。自宅で京都旅の思い出とともに苔ライフを始めてみるのも楽しそう。
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泉仙 嵯峨野店
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テーブル席も和風な雰囲気 抹茶と和菓子でまったりと

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更新日:2024/04/25

常寂光寺
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京都府京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
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[開門]9:00-16:30(受付終了)
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祇王寺
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圓光寺
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