秋になると美しさを増す、苔むす庭園と秋の特別公開寺院をめぐる京都の旅


2018.11.01

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◆秋になると美しさを増す、苔むす庭園と秋の特別公開寺院をめぐる京都の旅
三千院にある苔に覆われた庭園
日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は、編集Oが、苔の美しい寺院と特別公開が間もなく始まる寺院を巡る、日帰り京都ツアーへ出かけてきました
圓光寺の十牛之庭のウマスギゴケの中に佇むお地蔵さん
秋の京都はゆったり巡ろう
今回の京都はふらりと日帰り。都内を朝8時に新幹線に乗れば10時にはもう京都! 新幹線で本日のプランを見直したり、下調べをしているとあっという間です。そして、紅葉シーズンが始まる前の京都は、少し落ち着いた雰囲気で、なんとなく気持ちもゆったり。さらに暑すぎず、寒すぎず…気候もよくて、この時期はのんびりと観光スポットを巡るには最適と言えそうです。
さて、京都の日帰り旅、紅葉が始まる前のこの時期ということで、お目当ては苔庭が美しい寺院。暑い夏を越して涼しくなった初秋になると「苔」が美しさを取り戻すそう。そんな苔が美しい庭園のある寺院と、まもなく始まる「秋の特別公開」が楽しみな寺院を訪ねてきました。
中央に法然上人の御影が祀られる御影堂
浄土宗の大本山、金戒光明寺は見所がいっぱい
最初に訪れたのは、今から840年余前に法然上人の草庵から始まった浄土宗の大本山、金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)へ。歴史と由緒のあるこのお寺は、高台に位置することから見晴らしがよくてとても気持ちいい! 深呼吸をして襟を正し、御影堂(みえいどう)から見学します。御影堂には、法然上人75歳の御影(座像)がまつられており、荘厳のひとこと。また、お堂には、運慶作と伝えられている文殊菩薩と脇侍の尊像や千二百余年前、遣唐使吉備真備が中国から持ち帰った貴重な木を刻んだ吉備観音などの仏教美術品が見られて、まるで美術館のようです。
さらに、秋の特別公開で見られる山門の楼上も一足早く見学。江戸時代に建立されたという歴史ある建物で、階段を上がって楼上へ行くと京都市内を一望する、眺めの良さに感動。晴れた日には、大阪のアベノハルカスまで見られるほど。さらに楼上の内部に入ると、意外に広々。そして、天井に描かれた龍の絵、釈迦三尊像と十六羅漢像など、ここも見所がたくさんありました。
(左上)会津藩主、松平容保と後の新選組となる芹沢鴨、近藤勇が対面したとされる大方丈にある部屋(右上)大方丈にある、日本画家久保田金僊作の「虎の襖絵」は、仕掛けが施されているので実際に見て仕掛けを見つけて(右下)江戸時代末期に建立された金戒光明寺の山門。11/9?12/2には楼上が見られる「秋の特別公開」を開催(左下)天井に龍の絵が描かれた山門楼上の内部
幕末の京都の治安維持のため、新設された京都守護職に、会津藩主松平容保(かたもり)が命じられた際、この寺にその本陣が置かれたそう。その後、混沌とした歴史の中、新選組の元となる浪士組を結成されたのがここであるそう。
境内には、1605年、豊臣秀頼により再建された阿弥陀堂、江戸時代末期、1860年に建立された山門などの素晴らしい建造物のほか、大方丈の一室に施された仕掛けのある虎の襖絵、伊藤若冲の『群鶏図押絵貼屏風』(期間限定公開)、そして回遊式庭園まであって、見所が本当にたくさん。歴史、建築、アートなど、感性を刺激されるひとときになりました。
ランチの湯豆腐コースは5000円で、ごはんは厳選された米を土鍋で炊いたものを提供。ほかにミシュラン三ツ星料亭「柏屋」監修のミニ会席なども
約400坪の由緒ある庭園を眺めながら湯豆腐のコースを
そろそろ昼食の時間となり、料亭旅館の「南禅寺山道 菊水」でお食事。かつては呉服商の別荘があり、明治の名庭師「七代目小川治兵衛」の手による池泉回遊式庭園を眺めながら、和モダンのダイニングでいただくのは、南禅寺名物の湯豆腐が入った和食コース。その土地で昔から親しまれてきた味覚を味わうのも旅の醍醐味! 先付け、前菜なども創意が光るものばかりで美味ですが、中でも湯豆腐は絶品です。素材を生かした優しい上品な豆腐に、厚削りの鰹節をだし醤油でいただくスタイルで、鰹節の香り高さ、旨味が豆腐の味を引き立ててしみじみおいしい。
徳川家康によって学校として建立されたのが始まりという圓光寺の枯山水「奔龍庭」
美しきふたつの庭が存在感を放つ圓光寺
続いて訪れたのは、京都市左京区一乗寺にある圓光寺。坂を上る道すがら、宮本武蔵と吉岡一門の決闘の場として有名な一乗寺下り松を見ながら、住宅街をのんびり歩くと圓光寺が見えてきます。正門をくぐり階段を上がっていくと、目の前に奔龍庭(ほんりゅうてい)が。白砂を雲海に見立て、石組で天を走る龍をあらわした枯山水は、美しいだけでなく、静寂とともに心に訴えかけてくるものがあります。
本堂から見た十牛之庭は、ウスマギゴケが多く茂り緑が濃く清々しい。本堂の入口には、美しい音色を奏でる水琴窟も
この先には、牛を追う牧童の様子が描かれた『十牛図』を題材にして近世初期に造られた池泉回遊式庭園の十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)があります。こちらは枯山水とまったく違った趣で、緑が深い印象。足元に広がる豊かな苔、洛北最古の泉水といわれる栖龍池(せいりゅうち)、頭上には間もなく赤く色づく紅葉がみられます。こちらは、庭の散策もできますが、本堂に座って、窓を額縁のようにして観賞するのがおすすめ。
大原の三千院の参道入口。この先に茶店や土産物店が賑やかに並んでいます
大原の広大な地にひっそり佇む三千院
京都駅から車で約1時間、町中から大原へ近づくにつれて車窓から見える風景がだんだんとのどかな趣に。大原についてからは呂川の清流沿いの道を登って、三千院参道へ。途中、茶店や土産店が軒を連ね、シソの産地ならではの名物シバ漬けを横目に、汗ばみながら、高台にある三千院に到着!
こちらは、1200年もの歴史を持つ、最澄から始まる寺院で、その後、平安後期以降、皇子皇族が住職として居住する寺院である宮門跡に。そのため、建物も特徴的。玄関口となる御殿門は、高い石垣に囲まれ城門のような造り。また勅使玄関などが設けられていたり、畳の縁の模様に大小があり、畳に上がれる位分けをしているなど、他の寺院ではなかなか見られない見所がたくさんあって、大変興味深く見学してきました。
国宝の阿弥陀三尊像(あみださんぞんぞう)を祀る、往生極楽院の手前に広がる庭園、有清園。ヒノキゴケと、もふもふしたシラガゴケの幻想的な苔の絨毯が美しい
建物から緑が濃い庭園、有清園に出ると一瞬にして静寂に包まれます。庭園の中央には、もとを辿ると平安時代に建立されたという往生極楽院がひっそりと立ち、弁天池、そして厚く広大な苔地が広がります。思わず声を失う、美しい緑と侘び寂びを感じさせる世界観はまさに非日常で、感動的。静寂と自然と、心が癒されるここは時間をとって、ゆっくり過ごしてほしい。女性のひとり旅もしっとりと楽しめそう。
この後、京都駅から新幹線で東京へ。今回は日帰りでしたが、それを感じさせないほど、京都ならではの歴史ある寺院、仏教美術と、知的好奇心が刺激され、苔が美しい庭園で癒される…心が満たされる旅になりました。そして奥の深い京都は、いつ訪れても、何度訪れても楽しいことを再認識。この秋は、2度目、3度目の京都旅に、苔や秋の特別公開をお目当に出かけて見ませんか?
※2018年9月30日現在の内容です。記事公開後、変更になることがありますので、施設のHPなどで事前にご確認ください。
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圓光寺
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4.5

185件の口コミ
place
京都府京都市左京区一乗寺小谷町13
phone
0757818025
opening-hour
9:00-17:00
くろ谷 金戒光明寺
rating

4.0

2件の口コミ
place
京都府京都市左京区黒谷町121
phone
0757712204
opening-hour
9:00-16:00
三千院
rating

4.5

809件の口コミ
place
京都府京都市左京区大原来迎院町540
phone
0757442531
opening-hour
[3-10月]9:00-17:00[11月]8:30…

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