小さいころ手にしたクレパスを芸術家が使うと!?知られざる名作アートが新宿に集まる「巨匠たちのクレパス画展」


2018.06.06

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◆小さいころ手にしたクレパスを芸術家が使うと!?知られざる名作アートが新宿に集まる「巨匠たちのクレパス画展」
子どもの頃、誰もが手にしたことのあるクレパスは、実は大正時代に日本で生まれたって知っていた? 岡本太郎や熊谷守一など近代日本画壇の巨匠たちが、クレパスを使って描いた知られざる名作を一堂に紹介する「巨匠たちのクレパス画展」が新宿で開催される。さまざまな技法で個性豊かに表現されるクレパス画の世界を、子どもの頃の記憶とともに楽しんで。
岡本太郎《虫》制作年不明 38.9×55.4cm サクラアートミュージアム蔵
近代画壇の巨匠から現代作家まで100人以上の作品を展示
2018年7月14日(土)から9月9日(日)まで、新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では「巨匠たちのクレパス画展」を開催する。大正から昭和にかけて活躍した巨匠たちを中心に、現代の作家を含め100人以上のアーティストの作品約150点を展示。会場では、クレパス誕生のエピソードなどをパネルで紹介するほか、懐かしい商品のパッケージや最多色700色のクレパスなども見られるというから、クレパスの世界の奥深さも体感できそう。
昭和を代表する洋画家・彫刻家の岡本太郎は、《鳥と太陽》(トップ画像・左)や《虫》など、原色と独特の作風が特徴。《鳥と太陽》の中に描かれた顔は、1970年大阪万博会場に建設された「太陽の塔」でもおなじみのモチーフなので、知っている人もいるのでは?
山本鼎《江の浦風景》1934年 50.0×60.1cm サクラアートミュージアム蔵
クレパスの開発と普及に関わった洋画家・山本鼎の作品も
クレパス誕生の背景にあったのは、図画教育に力を注いだ洋画家・山本鼎(かなえ)の存在。大正時代、山本は子どもたちのために安価で鮮やかな発色の画材ができないかと、現在のサクラクレパス社に開発を持ちかけたという。当時クレヨンの製造・販売を手がけていたサクラクレパス社は、クレヨンとパステルのそれぞれの強みをいかしたクレパスを1925年(大正14年)に発明する。
クレヨンの使いやすさとパステルの美しい発色を併せ持ったクレパスは、画面によく定着し、色を混ぜたり重ねたり、厚く塗って盛り上げたりけずったり、幅広い表現ができるのも特長のひとつ。山本自身も、クレパスを使って伸びやかな線や発色の美しさをいかした作品を制作している。
左/三岸節子《花1》1940年頃 37.5×27.8cm サクラアートミュージアム蔵(C)MIGISHI 右/猪熊弦一郎《顔》1950年 39.3×27.8cm サクラアートミュージアム蔵(C)The MIMOCA Foundation
戦後に独立した画材として画家たちの注目を集めたクレパス
開発された後は学校教材として普及したためにクレパスは子供向けだと思われがちだけど、油絵の具を手に入れるのが難しかった第二次世界大戦直後には多くの画家たちに注目され、やがて独自の画材として多くの作品を生み出すことになる。
戦後にニューヨークを拠点として制作を続けた洋画家・猪熊弦一郎は、クレパス画を「油彩でも水彩でもない、一つのオリジナリティを持った方法から生まれてきたものといえよう」と述べている。
また、フランスに移住していた洋画家・三岸節子は、油絵制作が不便なパリのホテルで、手軽に描けるクレパスを使って多くの花の絵や風景画を描いたそう。扱いやすさという点でも、クレパスは画家の制作活動に貢献していたみたい。
左/小磯良平《婦人像》1951年 40.0×31.4cm サクラアートミュージアム蔵 右/福井江太郎《寧》2014年 53.0×33.3cm サクラアートミュージアム蔵
現代作家の新技法も登場。鑑賞後は描いてみたくなるかも
洋画家の小磯良平はクレパスを、子供にも使いやすい材料でこれだけ油絵の具に似た鮮明度を持つ材料は他にはない、ということで、もっと専門家が美術製作に用いていいはずだと記している。
明快な輪郭線と平塗りの色で「モリカズ様式」を確立した洋画家・熊谷守一や、「裸の大将」としてドラマでも有名になった放浪の画家・山下清なども、クレパス画の作品を残した。現代では、彫刻家・船越桂や日本画家・福井江太郎などもクレパス画によって新しい表現を試みている。
展示室の外には、画用紙にクレパスで自由に絵が描けるコーナーも設置。今回は8月12日(日)にクレパス画の基本技法が学べるクレパス画教室も開催される。10時30分からは子供対象の教室(参加料金3000円、太巻50色クレパス代含む)で、14時からは大人のための教室(参加料金6000円、クレパス スペシャリスト50色セット代含む)。気になる人はホームページから申し込みを。
巨匠たちが描いた魅力あふれるクレパス画の数々を鑑賞したら、自分でも思い出して描いてみたくなるかも。
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SOMPO(ソンポ)美術館
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東京都新宿区西新宿1-26-1
phone
0357778600
opening-hour
10:00-18:00(最終入館17:30)
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