
海に囲まれた美しい淡路島、その中心部に位置するのが洲本市。江戸時代から城下町として栄えてきたこの地に、昔の面影を残す小さな通りがあります。その名も「洲本レトロこみち」。懐かしさ漂うこの通りが、近年密かに注目されているのをご存知でしょうか?古き街並みに生まれ行く「食」と「アート」。今、洲本に新たな息吹がふきこまれる!
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01
洲本レトロこみち誕生
2012年、 町の元気を取り戻す為「城下町洲本レトロなまち歩き」が開催スタート。このイベント中、築100年以上の町屋をリノベーションし数件のお店がオープン。のちに「洲本レトロこみち」と呼ばれるように。
雑貨屋、カフェ、テイクアウトスイーツのお店など・・・。古くからの既存6店も含め、2017年現在では全部で約30店舗までに成長。地元民、移住者、ボランティアなど、淡路を愛する多くの人々によって、益々活気溢れる場所へと再生を続けています。洲本レトロこみち
そんなレトロ小路を今回案内して下さるのが野口さん。「城下町洲本再生委員会」の会長さんです。気さくで面倒見の良い野口さんは、まさに洲本の母!
とっても優しい野口さん。この町で知らない人はいない程の有名人♪
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02
あったかいお袋の味!「こちみ食堂」
まず最初に訪れたのは、地元婦人会の方々が切り盛りされいる「こみち食堂」。昭和を思い出させるこの懐かしさ!レトロこみちを象徴するお店です。淡路島の食材を使ったリーズナブルな定食がおすすめ!
こちみ食堂 外観
こちみ食堂 内観
ランチはココで決まり!
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03
いつまでも心に残る灯りを 「そらのあかり カラコルム」
続いて訪れたのは、淡路島で唯一の和紙を使ったオリジナル照明と和紙の専門店。
「明かりは暗闇を灯すものだからこそ、灯した時にその明るさが孤独をかんじさせるものであってはならない。その明るさは、人の心に常にやさしく寄り添うものでありたい」そんな想いを込めて作られる照明は全て手作り。そらのあかり カラコルム 外観
オーナーの山口さんは、大震災のボランティアで淡路島にやってきました。その慰霊祭でともされた灯りが、心に大きく響いたのだと言います。それがきっかけで、「灯りを使ったアートで何かできたら・・・」そんな想いが強くなったそう。その後結婚を機に淡路島へ移住、2013年にお店をオープンさせました。以来、淡路島で多くの人々の心を灯し続けています。
そらのあかり カラコルム 内観
和紙を使った小物が素敵
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04
洲本に新風を巻き起こす!「たねさん 釜焼きチャーシューと中国茶」
大きな釜で焼き上げた絶品チャーシューと、台湾まで買い付けに行くという極上の中国茶が頂ける「たねさん」。元々淡路島でシェフをされていたというオーナーの種市さん。この地で自分に何ができるだろうと考えていたところ、洲本には中国料理屋がない事に気が付いたそう。2015年4月のOPEN以来、地元の人もこぞって通う人気店としてこの町を支えます。
お店のイメージカラーは赤。レトロこみちを活気ある場所にしたいという想いが込められているんだとか。奥の細道は、「たねさん」に通ず!
淡路島で余った耐火煉瓦を使用し、時間をかけ焼き上げたチャーシュー。遠方からわざわざ食べに来られるお客様もいる程。
ジューシー&とろ~りとろけるチャーシュー料理
本格中華料理にも、淡路島産たまねぎ!
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”ほっと”する第二の我が家 「ぎゃらりー&かふぇ ほっと」
オーナーの若山隆子さん(写真右)は神戸市在住。
趣きのある建物は、元々若山さんのおじい様が所有する借家だったそう。仕事の合間を縫って神戸から通い、なんと10年かけてご主人と二人でリフォーム。2015年から土日のみショップを開かれています。
まるで田舎のおじいちゃんおばあちゃん家に来たような、ほっとする空間が広がります。将来は淡路島に移住したいのだと語る若山さん
ギャラリーカフェなのでアートはもちろんのこと、音楽家達が不定期でライブを行うなど芸術家達の憩いの場でもあります。
裏庭では、地元ミュージシャンらがセッション中。
店頭に飾られている素敵な絵は、淡路島の漁師であり音楽家、そして画家でもあるなんとも多才な方の作品。「ほっと」の裏庭が描かれています。
あったか島アート
毎月第二日曜は「月一カレーの日」。
淡路島に惚れこみ移住したシェフのマリーさんが、淡路の新鮮なお野菜を使って腕をふるいます。アーユルヴェーダをやられているマリーさんの作るカレーは、体を浄化して心身ともに美しくなれると大好評。美味しい島料理に島アート。音楽に誘われるよう自然と人が引き寄せられる「ギャラリー&カフェ ほっと」。これからも、多くの人の第二の我が家となる事でしょう。
来ればあなたも”ほっとファミリー”の仲間入り。
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06
淡路の”美味い”をガブッと一口!「第八戒丸」
カラフルなのれんが目を引く「第八戒丸」。島魚と島野菜を自家製バンズではさんだバーガーは、ガブリとかぶりつこう!淡路グルメを一口で堪能できる贅沢な一品。ご主人が漁師さんということで、魚の新鮮さはお墨付き♪
第八戒丸 外観
頂いたのは、本日のお魚「さわら」を使ったバーガー。ぷらすポテトとサラダのセット。ボリューム満点と伺ってましたが、そのサイズは予想以上!さて、食べきれるのか・・・若干不安がよぎります。
ーさぁお待ちかね、そのお味は・・・?
「濃いっ!白身魚ってこんなにも味濃かったでしたっけ!?」
と、最初に驚きが。調味料の味付けでなく、魚そのものが濃いんです!!
不安に反して、完食です。毎朝焼いているというバンズも軽ふわっ♡
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07
アートと食で蘇る町。しかし、真の魅力は人の温かさにあり!
海と大地の恵みに囲まれた淡路島、洲本。その町の新たなシンボル「洲本レトロこみち」。
自給率120%を誇る絶品島グルメに、人が人を呼び生み出される素晴らしい島アート・・・。まるで止まっていたイニシエの時間が再び動きだすような、躍動感を感じます。
今回レトロ小路を歩いて一番感じたのは、島の人同士のあったかい絆。
「あのお店のあれが凄いから見てみて!」「あそこの〇〇本当美味しいから食べてって」と、どこに行ってもご自身のお店以上にご近所をおすすめされたことが印象的でした。みんなで洲本を盛り上げて行こう!という気持ちが痛いほど伝わってきます。
人情味溢れる洲本レトロこみち、ぜひ歩いてみてはいかがでしょう。城下町洲本レトロなまち歩き