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染物体験&レトロな工房見学で和の世界に触れる 「東京染ものがたり博物館」

微細な幾何学模様で染められた「小紋柄」。着物や和小物でおなじみのこの柄を、染め続けている工房が神田川のほとりにあります。 昔ながらのレトロな工房で、ひとつひとつ手作業で染められている「東京染小紋」は、まさに“日本ならではの職人技”です。そんな和の手仕事を体験&見学できる「東京染ものがたり博物館(富田染工芸)」を紹介します。

  • 昔ながらのレトロな工房「東京染ものがたり博物館(富田染工芸)」

    「東京染ものがたり博物館(富田染工芸)」があるのは、都電荒川線「面影橋駅」から徒歩約3分。神田川沿いに現れる昔ながらの日本家屋で、明治の初めからモダンな着物を作り続けています。

    桜の木に囲まれた工房。時折猫が通りかかるのどかな場所です

    桜の木に囲まれた工房。時折猫が通りかかるのどかな場所です

    木の引き戸を開けてお邪魔すると、そこはいきなり作業場! 7メートルほどもある板がずらりと並び、職人さんの様々な道具が所狭しと並んでいます。

    板の上には作業中と思しき型紙も

    板の上には作業中と思しき型紙も

    工房で体験できるのは「染め付け体験」。実際に職人さんが使用している道具を使い染付けをし、仕上がった作品は小裂(こぎれ)か袱紗(ふくさ)に仕上げてもらい、郵送していただけます。

    この細かい“小紋柄”を布に染付ける体験です。

    この細かい“小紋柄”を布に染付ける体験です。

    染付け体験では、白生地の上に伊勢型紙をのせ、へらで防染糊を伸ばしていきます。ムラができないように均一に伸ばしていくのが難しい!

    糊が…だまになる…

    糊が…だまになる…

    型紙をはがすと、細かい小紋柄が現れます。仕上げに名前を入れて完成。1週間ほどしたら、郵送で送っていただけます。

    名前を入れる手も震えます

    名前を入れる手も震えます

  • 探検気分で、職人さんの仕事と技術を見学

    染付け体験のあとは、実際に作業している工房を見学できます。細い通路を進むと、まず現れるのは沢山の棚。ここに保存されているのはすべて伊勢型紙。昔ながらのものから現代のものまで、様々な模様の型紙が保存されています。

    細かい模様がおわかりいただけるでしょうか。これらはすべて伊勢型紙の職人さんが一つ一つ型紙を小刀で彫っているんです。なんという繊細さ!

    手彫りの模様で向こう側がうっすらと透けて見えます

    手彫りの模様で向こう側がうっすらと透けて見えます

    そして染付けに必要な糊。この薄茶色いねっとりしたものは、もち米やぬか、塩少々でできているそうです。原料は昔から変わらないんですね。

    ちなみに食べても大丈夫だそう。もち米とぬかですもんね

    ちなみに食べても大丈夫だそう。もち米とぬかですもんね

    ずらりと並ぶ染料。これが布を染める染料になります。材料は染料屋から仕入れるそうですが、調合はすべて染屋ごとのオリジナル調合。ここに並ぶ数々の染料も、職人さん自らの調合だそうです。

    伝統的な手仕事の中に、化学的な一面も

    伝統的な手仕事の中に、化学的な一面も

    色を決めたら、次はいよいよ地染めの工程へ。地染めをする機械「しごき」に生地を通し、布に色を付けていきます。

    昭和27年から使われている大ベテランです

    昭和27年から使われている大ベテランです

    地染めの「地色糊」が乗せられた生地は、染料を布地に定着させる「蒸箱」へ。糊が醗酵する匂いを嗅ぎ分け、職人さんが厳密な温度管理を行います。

    この木の小屋が「蒸箱」

    この木の小屋が「蒸箱」

    ちょうど蒸し上がりのタイミングに立ち会うことができました! 「一瞬だからシャッターチャンスを逃さないでね」と浅野さん。

    いざ、オープン

    いざ、オープン

    開けた瞬間に飛び出すすごい湯気! 90~100℃で15~30分ほど蒸します。

    浅野さんが見えなくなるほどすごい湯気。もわー!

    浅野さんが見えなくなるほどすごい湯気。もわー!

    蒸し終えた生地はおがくずと染料に覆われ、小紋柄は見えません。ここから最後の工程「洗い」に進みます。

    蒸したての生地たち。まだ模様は見えません

    蒸したての生地たち。まだ模様は見えません

  • 洗うことで浮かび上がる、美しい小紋柄

    蒸し終えた生地は、いよいよ洗いの工程へ。糊が残っているとカビの原因になってしまうので、糊と余分な染料をシャワーで洗い流します。
    今は機械で洗い流しますが、昔は神田川や二子玉川で、染料を洗い流す光景が見られたそうです。

    こちらも昭和32年から使われているベテラン機械

    こちらも昭和32年から使われているベテラン機械

    染料とおがくずをまとった布が、どんどん飲み込まれていき…

    機械の中で、高圧シャワーに洗われています

    機械の中で、高圧シャワーに洗われています

    反対側にたどり着くころには、きれいに洗われて出てきます。この水も水道水だと薬品を含んでいるので、地下水をくみ上げて洗っているそうです。

    もちろんお湯なんて使えません。冬は手に厳しい作業ですね…

    もちろんお湯なんて使えません。冬は手に厳しい作業ですね…

    この「洗い」の工程を3~4回繰り返します。糊と余分な染料がどんどん落ちていき、美しい小紋柄が現れました。

    最初のおがくずだらけだった姿が嘘のような美しさ

    最初のおがくずだらけだった姿が嘘のような美しさ

    布をやわらかくする薬品が入ったお湯につけ、最後にもう1度洗います。

    水を含んだ布をもって何度も往復するので、なかなかの体力勝負!

    水を含んだ布をもって何度も往復するので、なかなかの体力勝負!

    シワにならないよう、くるくると丸めたら洗いは終了。広げて乾燥させて、東京染小紋の出来上がりです。

    シンプルながら美しい「東京染小紋」ものすごく手間がかかるんですね

    シンプルながら美しい「東京染小紋」ものすごく手間がかかるんですね

  • 和の手仕事を、お土産に

    東京染小紋を体験・見学した後は、職人さんの究極の技をお土産にしてみてはいかがでしょうか。
    工房では「東京染ものがたり博物館」オリジナルの和小物を販売しています。東京染小紋の生地を使用したお手玉や、伊勢型紙を使用したしおりなども。

    リーズナブルなものは500円~購入できます

    リーズナブルなものは500円~購入できます

    オリジナル作品の「両面染めストール」は、1枚の布地に、両面違う柄が染められているんです。
    濃い色なのに裏に写り込んでいない、高度な技術で作られたストールは、浅野さんだからこその逸品。

    洋服にも着物にも合わせやすいモダンなデザインが沢山あります

    洋服にも着物にも合わせやすいモダンなデザインが沢山あります

    モダンな柄や色使いもあるので、老若男女を問いません。自分へのご褒美や贈り物にもおすすめ。シルクが使われた生地は、手触りも最高です。

    春先に嬉しい淡い色や、ポップなデザイン&カラーのストールなども

    春先に嬉しい淡い色や、ポップなデザイン&カラーのストールなども

  • 「東京染ものがたり博物館(富田染工芸)」

    体験だけでなく、工房見学もとても興味深い「東京染ものがたり博物館」。職人さんの道具や染めの機械だけでなく、昔ながらの工房が醸し出すレトロな雰囲気もたまりません!
    着物に興味がある方や、海外からの観光客にもぜひ体験してほしい日本文化です。神田川を散歩しながら、染物の伝統文化に触れてみませんか。

    また桜の期間限定で、古民家カフェ「八雲庵」もオープンします。神田川の桜を間近に見ながらお茶を楽しめる贅沢な空間です。
    染物の文化に触れて、古民家で桜を見ながらお茶を楽しむ。和にどっぷりつかる休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

    ※八雲庵の開庵期間は下記公式サイトよりご確認ください
    【URL】https://www.yagumoan-cafe.jp/

    東京染ものがたり博物館
    住所
    東京都新宿区西早稲田3-6-14
    電話番号
    0339870701
    備考
    【URL】http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/shoko/dentokogei/japanese/taiken/detail02.html
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