オープン以来約3万人にのぼるゲストを迎え、浅草から現代の「日本らしさ」を発信し続ける「BUNKA HOSTEL TOKYO」。洗練されたアートの中に、日本人ならではの奥ゆかしさときめ細やかさを携えた”BUNKA”のおもてなしイズムを取材してきました。
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”BUNKAヒストリー”に迫る
「BUNKA HOSTEL TOKYO」(以下BUNKA)は、外国人旅行者をメインターゲットとした東京・浅草のホステル。でもただの外国人向けホステルじゃないんです。そのわけはゆっくりご紹介していきますね。
BUNKA HOSTEL TOKYO
浅草駅から徒歩5分、飲食店が軒を連ねるすしや通りの一角に輝く”BUNKA"ネオンが目印。通りに面した木枠の大きな窓ガラスからは中の様子が見渡せます。
レトロなすしや通りに独特な存在感を醸し出す
巨大なちょうちんが館内をやわらかく灯す
ドアを開けて入ると、フラットなドットのタイル床が一面に広がり、正面には大きなカウンター、左にはラウンジスペースが。
床とカウンターにあしらわれたタイルが印象的
外光がとりこまれとても明るいレセプションフロア
ちょうちんの裏側には「SAKE」の文字
BUNKAがある地には、もともと築30年の商業ビルがあり、当時空きビルとなっていました。2013年より行われていた浅草6区の再開発の動きから取り残されてしまっていた「すしや通り」に活気を取り戻すべく、空きビルの有効活用プロジェクトとして2015年12月に「BUNKA」が誕生。
すしや通り 外観
ここ最近では、BUNKAが誕生したことをきっかけに人の流れが変わり、すし屋通りにも活気が戻り始めています。この取り組みは社会的にも認められ、2016年にはグッドデザイン賞を受賞。ますます人気を集め、世界最大の予約サイトBooking.com Awardでも 高評価を獲得するほどとなりました。現在の利用者は8割が外国人、2割が日本人の旅行者だそう。
カウンターにはグッドデザイン受賞時の賞状が
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“プライベート”と“交流”が両立された「ドミトリールーム」
BUNKAは7階建て。最上階には、宿泊者が自由に使える「コモンダイニング」が用意されています。レンジや冷蔵庫も自由に利用してOK。朝ご飯を作ってたら、会話が生まれて・・・なんて出会いもありそうですね。
コモンダイニング
7Fにはグループで利用ができる個室が1つ。最大4名まで利用ができます。シャワー・トイレもついており完全なプライベート空間なので、家族連れなどにもおすすめ。
ファミリールーム
ここには「2段式バンクベッド」なるものが設置されているのですが、詳しいご紹介はもう少し読み進めてみてくださいね。
2段式バンクベッド
窓を開けてみるとスカイツリー!夜はライトアップも楽しめます。みんなでお酒を飲みながらワイワイとお泊り女子会なんてのも盛り上がりそう。
スカイツリー鑑賞の穴場スポットかも
客室は整然としていながらも冷たい雰囲気はなく、スタイリッシュで清潔。
ベッドも外国人を想定していることから、かなり大きめで広々しています。
相部屋のドミトリールームは全部で3種類。
・3方向を囲まれた2段ベッド(バンクベッド)のドミトリールーム(3,000円〜/人)
・ゆったりとした1段ベッドのドミトリールーム(5,000円〜/人)
・3方向を囲まれた2段ベッド(バンクベッド)の女性専用ドミトリールーム(3,000円〜/人)2段ベッド(バンクベッド)のドミトリールームShiori Kawamoto
1段ベッドのドミトリールーム
各ベッドには明るさやプライバシーをしっかり守るシルバーのカーテン、読書灯、2口コンセントが付いています。各フロアにはセキュリティロッカーが備えられているので、貴重品の管理も各自で可能。
カーテンを開けるとこんな感じ
長期滞在者にうれしい洗濯機が設置されたパウダールームも完備。
清潔感もあっておしゃれ!
女性専用フロアは各フロアに比べて水回りが充実しています。
洗面台もずらっと
1階レセプションには英語、中国語、スペイン語、日本語を話せるスタッフが交代で24時間常駐。観光施設や飲食店の予約も宿泊者に代わって行うそう。いつでも行けば応えてもらえる安心感とほどよい距離感も、日本ならではの奥ゆかしさを感じるおもてなしですよね。
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演出した「和」ではない、滲み出る「現代の日本らしさ」を
BUNKAの館内は、東京藝大出身のデザイナーである高橋理子(たかはしひろこ)さんがアートディレクションを担当。浅草という地域柄、「和」の要素を求めながらも、「”今”の日本」であることにこだわり、ホステルとしての”心地よさ”を追求した結果が自然と「和」を生み出す結果となりました。
高橋さんがデザインしたBUNKAオリジナルてぬぐい
心地よさを追求したBUNKAで特に画期的なのが、さきほどご紹介したドミトリールームに並ぶオリジナルの「2段式バンクベッド」。一見すると木造のベッドに見えますが、実は堅牢なスチール構造。上下ベッドの配置を90度回転した位置関係にすることで、ゲスト同士の出入りや振動なども気にならない工夫が凝らされています。
バンクベッドの構造図
1Fレセプションフロアの印象的なタイル床には、強度と汚れにくさに優れた国産タイルを使用しています。ホステルとして一番大切なことは「清潔感」だと考えるBUNKAと、高橋さんならではの”ドット”が見事にマッチ。明るくあたたかみのある空間を生み出しています。
グレーと白のタイルのコントラストは目にもやさしい
BUNKAのシンボルマークとなっている小さな正方形で構成された円。これは“人と人とのつながり=縁”をあらわしており、地球の軸と同じ傾きをもってデザインされているのだとか。「地球規模で人とつながっていきたい」というBUNKAの想いが込められた大切なデザインです。
入口にかかる暖簾にも
入口のそばには、高橋さんデザインのプロダクトコーナーが。従来の和のイメージをくつがえすような、蛍光ピンクやドット柄が斬新!お土産にもとても喜ばれそうですよね。
BUNKAオリジナルのてぬぐいは額に入れて飾っても素敵
独特な柄が個性的!
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“酒文化”をホステルと合体!
1Fレセプションの横には、テーブルとスツールが並ぶカフェがあります。実はここ、16時になると「居酒屋 ブンカ」に変身!全国各地それぞれの風土や食文化によって育まれた日本酒を中心に、季節に合わせたこだわりの鍋料理などが楽しめるんです。
今までにない「居酒屋×ホステル」
多彩な日本酒。もちろん英語版のメニューもある。
居酒屋おすすめメニューは「お野菜たっぷり!うま辛トマト鍋」。湯むきしたトマトがごろっと入っており、食べ応え抜群。だしのきいたピリ辛スープに豚肉の油とトマトの甘みが合わさって、美味しいんです!ごくごく飲み干してしまうこと間違いなし!
ちなみにお鍋は一人前ですが、二人でもお酒を飲みながら十分楽しめます。「お野菜たっぷり!うま辛トマト鍋」 1,440円(税込)
居酒屋ブンカオリジナルのワンカップは、新潟・佐渡にある創業140年を超える北雪酒造のもので、2013年高橋理子さんをブランドのクリエイティブディレクターに起用した縁で、BUNKAでも販売される運びとなりました。
居酒屋 ブンカオリジナルカップ酒 600円(税込)
レセプションカウンターの奥に富士山型に並んでいるのは、このカップ酒でした。
居酒屋ブンカではほかにも、ふらっと気軽に利用しやすい日本酒とおつまみのお得なセットや、曲げわっぱに入った「BUNKA弁当」、旬の食材を使った日替わりおそうざいなどそそられるメニューが盛りだくさん!
BUNKA弁当 780円(税込)※テイクアウト不可
BUNKAセット 600円(税込)
カフェは10:00~15:00、居酒屋は16:00~23:00(L.O22:30)まで営業。ともに宿泊していなくても利用できる敷居の低さが魅力的。お酒の力を借りたら、ちょっと英語でコミュニケーションをとってみたくなるかも?
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臆することなかれ!イベントで異文化交流も
BUNKAでは、多彩なイベントやワークショップを企画開催。そのひとつ「英会話Meet UP」は、宿泊しているゲストと英会話が楽しめるというイベント。ある時は、居酒屋ブンカで乾杯、夜の浅草を散歩しながら交流を深めるというもので毎回好評なのだとか。
英会話Meet UP
ほかにも、七夕には手巻き寿司をつくったり、お抹茶体験、書道体験などの日本文化ならではのワークショップのほか、三味線×ライブペインティングイベントや、築地やお祭りを訪ねるカルチュラルツアーなど、BUNKA発信の企画が満載。
手巻き寿司のワークショップ
館内には、訪れた人々やイベント時の様子などの写真がパネル展示されています。
「スタッフとお客さん、またお客さん同士で仲良くなったりして飲みに行くことも多いんです。」と、支配人の蒲(かば)さん。
異文化交流はもちろん、日本人同士でもBUNKAの場を通じて輪を広げる人が増えているそうです。「一期一会」の中にも長く続く「ご縁」が生まれるかもしれませんね。みんなイイ顔してます!
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”ありのままの日本”を感じて
「BUNKA HOSTEL TOKYO」はホステルでありながらも、すべての人に対してオープンマインド。外国人、日本人問わず、“日本を楽しむ”ことを全力で応援してくれます。BUNKAを通して知る日本は、今まで知らなかった世界をあなたに教えてくれるかもしれません。まずは一杯、居酒屋ブンカでひと休みしていきませんか?
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