明治時代から外国人向けの避暑地として親しまれてきた日光には、西洋の影響を受けた古建築が多数点在。そこは1歩足を踏み入れるなり、まるでヨーロッパの古都に迷い込んだような気分に! 非日常を求める人にぴったりな、束の間のタイムトラベルをお楽しみあれ。
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01
大正ロマンの香り漂うJR日光駅を散策
西洋風の外観が目を引きます。
日光のレトロ建築を代表するひとつが、JR日光駅。明治23年に建てられた初代の駅が大正元年にハーフティンバー様式の木造洋風建築に生まれ変わり、その後、日光の名建築物として保存され続けています。
まるでホテルのボールルームのよう!
外観もさるごとながら、見所は旧一等待合室、通称「ホワイトルーム」。天井に飾られたシャンデリアは、息を飲む美しさ。ゴージャス度満点な空間は、高級ホテルのボールルームにも匹敵します。
シックなデザインで統一されたホーム。
駅のホームも色彩を抑え、レトロな雰囲気を演出。この駅に降り立つ感覚を味わうべく、電車の旅を計画する価値大アリです。
周辺の予約制駐車場
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02
80年代のアメリカを彷彿させる「自然茶寮 廻」でランチ
外見だけだと、何のお店かわからない!
日光駅から車で約5分。日本家屋が並ぶ街並みでパッと目を引く西洋風の看板を掲げるこちらの店舗が、ビーガン料理店「自然茶寮 廻」です。
リノベーションした店内は、爽やかな雰囲気。
もともと骨董品屋のギャラリーだったという店舗は、築100年以上。30年ほど空き家だったところをリノベーションし、9年前、レストランとしてオープンしたそう。
天井の日本画はそのままキープ。
建物の美しさに惚れ込んでこの店を選んだという、オーナー兼シェフの山口さん。可能な限り、もとの素材を残したいと大工さんに頼んだそうで、天井の装飾などにはギャラリーの名残が残ります。
窓際の畳席からは、日光の街並みを眺めながらの優雅なランチタイムが楽しめます。
提供する食事やデザート、お茶などは、オーガニック食材を中心としたビーガン。お肉、お魚、卵や乳製品は一切使用せず、野菜や穀物のみの植物性食材のみというヘルシーさ。
野菜はすべて地元の農家で作られる地場野菜で、フレッシュそのもの。さらに無農薬・無化学肥料ということで、子どもや妊娠中の女性でも安心して食べられます。「自然の恵みありがとうごはん」(1,389円)。
人気No.1メニューは、季節の野菜を使ったおかずとサラダ、お味噌汁、漬物などがセットになった「自然の恵みありがとうごはん」。
この日のメインは、こうや豆腐の香味はさみ揚げ。添えられた醤油は、自家製の梅醤油。お肉を使っていないため、揚げ物ながら、さっぱりとした味わい。白菜と春菊のサラダは、やさしい味わいの柚子ドレッシングがアクセントに。驚くほどみずみずしい葉は嚙みしめるたび、素材そのものの甘みを感じられます。ランチに+したい、スイーツ&ドリンクセット。
さらに食事にプラス556円で楽しめる、日替わりスイーツ&ドリンクセットも。薪火で焼いた抹茶ケーキは、甘〜い安納芋入り。乳製品は一切不使用ながら、しっとりとなめらかな味わいに驚くこと必至。
ドリンクは有機熟成三年番茶や有機ルイボスティー、有機ハニーブッシュティー、有機アールグレイ紅茶から選択が可能。どれもオーナー自らが見初めた茶葉を使用しており、深みのあるコクと香りが絶品です。 -
03
140年の歴史を持つ老舗・金谷ホテルでアンティークにうっとり
日光の“憧れ宿”として不動の人気を誇るホテル。
明治6年に開業して以来、日光を代表する高級ホテルとして不動の人気を誇る「金谷ホテル」。じつは現存する、日本最古の西洋式ホテルということをご存知でしょうか?
創業者の金谷善一郎氏は当時、宿に困ったアメリカ人宣教師を泊めたことをきっかけに、カッテージ・イン(民宿)をスタート。海外から輸入された調度品は美しい状態をキープしており、金谷ホテルの魅力のひとつとして多くの人々を魅了しています。ドアをくぐると、クラシカルなフロントが登場。
施設に入ってまず最初に目に入るのが、クラシカルな雰囲気のフロント。スタンドライトは、なんと明治40年頃から愛用されているものだとか。白熱灯の温もりある光に、思わずホッと和みます。
ロビーの壁にも注目!
ロビーの壁にも、柱時計や温度計など、アンティークがずらりと並びます。ソファに座って見渡していると、異空間にいるような感覚に。
桜の木で作られたというベンチ。
入り口付近に設置されているベンチは、大正時代にアメリカから輸入されたもので、木材は桜の木。味のあるツヤは、長年愛用されてきた歴史を物語っていいます。これほど美しい状態で保存されているものは、他ではなかなか無いのだそう。
バー「デイサイト」は、宿泊客以外も利用OK。
宿泊客だけでなく、地元民からも愛されている「バー デイサイト」。重厚な雰囲気の店内で味わう金谷ホテルのオリジナルカクテルは、格別!
冬季には、暖炉が点灯されるそう。
なかでも注目は、昭和11年の誕生から現在も変わらず活躍し続けている大谷石の暖炉。なんと、明治38年に金谷ホテルを訪れた世界的設計士フランク・ロイド・ライトによる設計という説も。
味のあるカービングは、アンティークならでは。
バー内のテーブルは、植物の美しいカービングに注目。またランプには、開業当時から使われてきた電灯を再利用。古い物を大切に守り続ける姿勢にも、感銘を受けること間違いありません。
2階の通路は、まるで博物館のよう。
金谷ホテルの歴史を学びたい!という人は、2階の通路へ。創業当時からの貴重な写真や資料がずらりと飾られており、見応え抜群です。
小食堂の天井には、美しい日本画が。
小食堂の天井には、東照宮や日光山内の神社仏閣などにも多く見られる格天井を採用。格子に組んだ格縁に正方形の板をはめこむという難関な技術のため、取り入れているホテルは極わずか。
自分の干支を探してみて!
同じく小食堂の壁に飾られているのが、十二支の彫刻。ぐるりと1周すれば、すべての干支を見ることが可能です。
赤絨毯がゴージャス!
館内全体がアンティークのような金谷ホテル。赤絨毯が敷かれた階段で記念写真を撮れば、中世のプリンセスに変身!?
「東洋陶器(現:TOTO)」の特注品。
メインダイニングの入り口では、アンティークの食器類を展示。多くは「ノリタケ」や「東洋陶器」などの特注品で、ここでしか見ることのできない貴重なデザインを楽しめます。
彫刻コレクションのなかでも目を引く「迦陵頻伽」。
金谷ホテルで展示される多くの彫刻のなかでも、最も人気を集めるのが、メインダイニングにある「迦陵頻伽」。会津小荒井の吉田仙十良氏による作品のひとつで、岩絵の具による色彩がなんとも鮮やか。まるで美術館で食事をしているような、贅沢な時間が流れます。
これらの他にも、数え切れないほどの品々が並ぶ金谷ホテル。宿泊してゆったりと堪能するのも良し、カフェやランチがてらに眺めてみるのも良し。ホテルの限定アイテムが並ぶ、1階のお土産ショップに立ち寄るのもお忘れなく!スタンダード ツインルーム 禁煙
¥33,421
2024/05/03 チェックイン(2名1室)※1泊1名あたりの料金 更新日:2024/04/20