大阪文化が多く生まれた町・堂島にあるのが「出入橋きんつば屋」です。2代目女将が店に立ち、3代目の店主がきんつばを焼く昭和6年創業の老舗です。「小豆の仕入れは創業以来、変わらず同じ材料屋から。店番の人も、20年選手がふたりいるの」と女将さん。ご縁も大切にする名店なのです。
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きんつばの餡は小豆と砂糖、塩のみで、機械を使わず大釜で炊き上げます。「皮の材料はメリケン粉のみ」と女将さん。保存料などを使わない無添加なので当日中にいただく必要がありますが、やさしい甘さともっちりした皮のおいしさがクセになり、ペロリと食べられます。
北海道の小豆で作るきんつばの価格は30年以上変わっていないのだとか。大きさは小ぶりになったものの、「甘いものを少しだけ食べたい」という声も少なくない健康志向のこの時代、かえってこれが喜ばれることもあるんだとか。店内で食べるきんつばはひと皿に3つのっています。甘味処では、できたてを味わえます。手焼きの不ぞろい感もまた味わい。「きんつば」(300円 税込)、「あべ川餅」(500円 税込)※あべ川餅は夏季以外のメニュー。
お土産は竹の薄板に包んで。1個100円(税込)。大釜で炊き上げる餡には艶があります。
お客さんの来店時には必ず店の奥から出てきて応対してくれる、小柄で銀髪の女将さん。相手を包み込むような笑顔の女将さんとのやりとりを楽しみに訪れる常連客もいるそうです。心なごむ看板女将とのやりとりも相まって、心身ともに健康になれそうな、大阪情緒あふれる老舗和菓子店ですよ。
ほっとできる和風造りの店内。