ドラえもんの作者である藤子F不二雄さんの生まれ故郷でもある、富山県第2の都市「高岡市」。昔から鋳物の生産がとても盛んで【ものづくりのまち】と呼ばれていることをご存知ですか? そんな高岡市に2017年4月末、昨年創業100周年を迎えた地域に誇る鋳物製造の「能作」が、新工場をOPEN。 都内有名ホテルや百貨店にも店舗を構えるあの「能作」の製品ができる工程を間近で見れ、製作体験ができるとのことで早速お伺いしてきました。
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「能作-nousaku-」とは?
能作-nousaku-は、富山県の高岡市(たかおか)の伝統技術が生んだ日本を代表する錫(すず)や真鍮(しんちゅう)の鋳造メーカーの一つです。
大正5年(1916)に高岡の地で鋳物の製造を開始し、現在では全国12か所に出店している日本を代表する伝統工芸ブランドです。テーブルウェアにこだわりがある方へのプレゼントにもおすすめ
日本だけにとどまらず、パリのインテリア見本市に出展をされたり、ニューヨーク近代美術館で販売されるなどのデザイン性の高さから世界からも注目されています。
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新高岡駅からバスに乗ろう 最寄り駅は「高岡オフィスパーク」
高岡市内から少し離れた能作の新施設に行くにはバスが便利。
北陸新幹線開通により新設された、【新高岡駅】駅前からのバスに乗車することが一番の近道です。【高岡駅】からも乗車可能。
本数が限られているので、事前にスケジュールを立てることがおすすめ。「戸出」方面行きのバスに乗り込もう
おだやかな景色を眺めながらバスに揺られること約20分。
最寄り駅のバス停からたった3分で到着!
非常に広大な敷地とスタイリッシュで美しい外観に圧倒されながら中へ入ります。外観には能作を代表する金属 「錫」や「真鍮」があしらわれているそう
伝統を受け継ぎながら行ってきた「ものづくり」・「技術」を若い方にも知ってもらい、地元の活性化につなげていきたいという思いから今回大人数の見学や体験を受け入れることのできる新しい工場を作ったそうです。
入り口には地元が誇る100人の職人さんが同じ形の花瓶(そろり)にそれぞれの技法で仕上げをした作品がずらり
館内に入るとそこはまるで美術館!きれいに整列してずらーッと並んだ木型の「見える倉庫」がお出迎え。天井高のある開放的ででどこか近未来的な雰囲気にわくわく。
そんな魅力的な能作でできる5つのことをご紹介します。床には真鍮で日本地図が埋め込まれています
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できること①「NOUSAKU LAB」で手作り体験〈小学生500円~大人800円~〉
なんと…伝統技法の製作体験を通して、世界に一つだけの錫のオリジナル品を手作りすることができるんです!
美しい憧れの能作の商品を自分で作ることができるなんて、とても素敵だと思いませんか?開放感がある、広々とした加工スペースで行います
スケジュールと予算に合わせて自分で何を作るかセレクトできるところが嬉しいポイント。無料で文字入れもできるので、自分だけのオリジナルを作ることができます、
「ぐい吞・小鉢・トレー」90分3500円、「箸置き・昆虫チャーム」90分2000円、「ペーパーウエイト」30分 小学生500円 大人800円
今回は作成体験の中でも一番人気だと伺った【ぐい吞】を作成をしました!
必要な道具を確認して、いざスタート。鋳物砂で固めて型をとっていきます。スタッフさんがそばで手伝ってくれるので安心
おそるおそる開けてみるとこんなに綺麗な形に!
砂で型を取り、錫を流し入れ、器としての形まであと少し♪
形が仕上がったら磨き上げて出来上がり!
もちろんお持ち帰りをすることができるので、お土産やプレゼントにもピッタリ!
伝統工芸の良さもしっかり体感できるので旅の良い思い出になりますよ。頑張って作成したので、思い入れのある作品に仕上がりました!
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できること②「FACTORY TOUR」で職人技を見知る〈無料〉
高岡で400年にわたって育まれてきた鋳造の作業工程を、ガイドによる解説付きで見学することができます。
職人さんたちのリアルな製作過程を生で見れるということが醍醐味です。作業工程を2階部分からも見せてもらえます
伝統工芸のものづくりは大量生産ではないので、本当に品質の高いものだけを提供しているので「本当に良いもの」をセレクトする意味を考えさせられます。
「金属のおもしろいところは、こちらからアプローチをして手をかければ形を変えてくれるところだ」という言葉が印象的でした
このようにガイドの方が能作の歴史や職人技について、ものが出来上がっていく工程をわかりやすく説明しながら案内してくれます。
所要時間は約60分。事前にWEB・お電話・FAXからの予約申し込みが必要です。磨くと右側のように輝きが増すそうです
本来ならば見せる必要のない工場過程をあえてお客様に提示することで、伝統産業を伝え・守っていきたいという能作の方々の強い想いを感じ、学ぶことができました。
職人出身の能作の社長さんが、実際に職人に指導をしているところもお見受けしました
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できること③「IMONO KITCHEN」で能作の器と共に富山の食材をいただく
館内にはお食事ができるカフェが併設しています。
そこで実際に能作の器を使用してお食事ができるというランチタイムを過ごせるのが魅力!
しかも富山の地産地消のおいしい食材を使用して作られているこだわりのメニューばかりなのでとってもおすすめ。日の光が差し込み、解放感のあるおしゃれなカフェです
チョイスしたのはサラダとカレーが一緒に頂ける「職人カレーセット」。
富山県産野菜と熟成カレーに舌鼓。錫(すず)の器とお野菜のコントラストが美しく芸術品のよう・・・!
飲み物も同様にこだわりのグラスでいただけてしまうので贅沢な気分♡新鮮なお野菜と、自家製のベーコンがおいしい「職人カレーセット」(1500円)
大変人気だという錫とガラスの地酒飲み比べにもトライしてみました!同じ地酒なのに、ガラスのおちょこと錫の器ではなぜか味が違うように感じるんです・・・!
錫は熱伝導性が他の金属よりも高いということから飲み物の冷たさが伝わり、お酒をよりおいしくいただけるというから驚き。ホタルイカと白エビの珍味も美味!富山県の名産です。「地酒 錫とグラスの飲み比べとおつまみ」(1500円)
ランチタイム以外はカフェ利用も可能。能作の「の」の形をした《のベーグル》や日本酒味の《チーズケーキ》など、商品一つ一つに選ぶ楽しさがいっぱいでした♪
「「の」ベーグル」(230円~) 「地酒のチーズケーキ」(250円)
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できること④やっぱりほしい!「本社FACTORY SHOP」でお気に入りをGET!
全国のショップでも購入可能ですが、せっかくだから富山本社で能作製品を購入したい!
そんな要望ももちろん叶います♪むしろここのみで販売している限定商品もあるため「FACTORY SHOP」、チェックしないわけにはいきません♡地元で有名な和菓子屋さんとのコラボ商品のラムネは本社限定商品だそう
お皿やグラス、風鈴など「いつかは揃えたい」と憧れる商品が多数!
一生ものなので、この機会に購入して思い出とともに大切に愛用するのがおすすめです。せっかくなら、本社FACTORYでほしいグッズたち
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できること⑤富山・高岡のハブとして・・・「TOYAMA DOORS」で地元を知れる
「能作を富山の面白さを知る入り口にしたいんです。」
実際に能作の社員さんにお話しを伺った時にとても印象的だったのがこの言葉。
地元富山県の魅力を来てもらった人に伝えて「富山にまた来たい」と感じるキッカケになるように、社員の方々が思う≪富山の魅力≫を詰め込んだ観光案内スペースがあるのも魅力です。次にどこに行くかを悩んでしまうほどの豊富な情報量!
プロジェクションマッピングで富山の見どころが見れる工夫も
伝統を継承するメーカーであるだけでなく、地元の発展を担うハブのような存在でありたいと日々運営をされています。家族連れや女性同士、どの世代の方にも楽しめる工夫がたくさんされていました。
「若い方へ【ものづくり】に興味をもってもらえるきっかけになれば」と能作の社員さんよりお話しを伺いました
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富山・高岡を知るにとてもふさわしい場所・能作(NOUSAKU)本社
旅は物としてのお土産を持って帰るだけでなく、何かを得て帰ることが大切だと感じます。歴史的にも「商工業の街」として知られる富山・高岡。
その伝統を守るため、「もの」・「こと」・「こころ」を伝える取り組みをされている能作に皆さんも行ってみませんか?