
伊勢神宮には内宮と外宮とに分かれていますが、距離が離れていることもあってかどちらか一方だけを参拝する方もいらっしゃるようです。これは「片参り」と呼ばれ、よくないこととする説もあります。
そこで今回は意外と知らない参拝方法や順序をはじめ、外宮・内宮、別宮、隠れパワースポットまで、それぞれの情報をご紹介します!
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これだけは知っておきたい!伊勢神宮
伊勢神宮は、正宮・別宮・摂社・末社・所管社の125宮社の総称です。125と聞くとちょっと及び腰になってしまうかもしれませんが、全部をまわる必要はありません。
伊勢神宮の中心は天照大御神を祀った「内宮」と豊受大御神を祀った「外宮」。順序を守って回れば神様に失礼にはあたりません。
時間に余裕のある方は、内宮・外宮の御正宮に次いで核の高いお宮である「別宮」も参拝してみましょう。こちらは地元の方にも人気の高いパワースポットです。 -
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参拝は外宮→内宮の順番を守りましょう
「外宮先祭」という言葉があり、参拝に限らず行事ごとに関しても外宮から行うことが習わしとなっています。さらに参拝はまず御正宮にてお参りをし、その後に別宮を回るのが正式な順序。
つまり、外宮の御正宮→(外宮の別宮→)内宮の御正宮→(内宮の別宮)という順番で回るのが正式、ということです。 -
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伊勢神宮の参拝方法
神域に入るときは外宮、内宮ともに橋を渡ります。
外宮の橋は火除橋、内宮の橋は宇治橋と言い、外宮の参道は左側通行、内宮の参道は右側通行という決まりがあるので注意してください。
どちらも橋の前に札がかかっているのでそれを見て確認しましょう。橋の真ん中は神様の通る道なので踏んではいけません。
鳥居の前まで来たら立ち止まって一礼を。御正宮にお参りする前には手水舎で手と口を清めましょう。
参拝するときは、二拝(最敬礼を二度行う)次に二拍手(手を二度打つ)次に一拝(最敬礼を一度行う)が作法です。伊勢神宮の橋
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御正宮の前に賽銭箱はありません
伊勢神宮ではもう一つ「紙幣禁断」という言葉があり、長い間、天皇陛下以外のお供えは許されていませんでした。
そのため現在も外宮・内宮ともに賽銭箱はありません。所々白い敷布の上にお賽銭が落ちているのを見かけますが、それはお金と地面とが接触して神域が穢れるのを防ぐための処置なんです。
また、御正宮は日々の感謝を伝えるところであり、願い事のためのお賽銭などは今もNGとされています。
個人的なお願いごとがしたい場合は「第一の別宮」に行くのが作法です。内宮の第一の別宮は「荒祭宮」、外宮の第一の別宮は「多賀宮」。どちらも御正宮から程近い場所にあるので、ぜひ訪れてみてください。荒祭宮photo By Tranpan23 from flickr
多賀宮photo By Nao Iizuka from flickr
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おみくじもありません
伊勢神宮に参ること自体が吉日という考え。
またお参りに来た人々が公平であり、そして参拝は日々の感謝をすることである。
ということから伊勢神宮にはおみくじもありません。私欲に支配されず、綺麗な心でお参りをすることを心がけたいですね。 -
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外宮のパワースポット情報
外宮の御正宮を参ったら、次は外宮の別宮、もしくは内宮に向かうわけですが、ここでおすすめスポットをご紹介。
まずは20年に1度の式年遷宮の際には必ずここでお払いをするという「三ツ石」。もう一つは横から見ると亀が顔を覗かせているように見える「亀石」です。
この石は、三重県下最大の横穴式古墳「高倉山古墳」の入口の石だったと伝えられている貴重なもの。
見落としがちですが、ぜひ寄ってみてください。「亀石」の上を渡って直進すると、外宮の第一別宮「多賀宮」へ登る階段が現れます。三石
周辺の予約制駐車場
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内宮のパワースポット情報
続いて内宮のパワースポット。まずは神楽殿と五丈殿の間にある、何気ない場所をロープで囲っているだけに見える「四至神(みやのめぐりのかみ)」。神宮境内を守る神様です。
そしてもうひとつが木華開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祭神する「子安神社」。縁結びや安産にご利益があるとされています。「子安神社」photo By Tranpan23 from flickr
周辺の予約制駐車場
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おすすめ別宮・月讀宮
内宮に10箇所、外宮に4箇所ある別宮。どこを回ればいいのか分からない方のためにとっておきの別宮をご紹介します。内宮の別宮・月讀宮です。
近鉄五十鈴川駅から徒歩約10分のところにあるこの別宮は内宮の主神・天照大御神の弟神にあたる月讀尊が祀られています。
農耕、漁業の神として崇められていますが、地元の方の中には「月讀宮を参ったら長年患っていた病気が治った」という方もいるとのこと!
東から西へ、4つの宮が鎮座していますが、参拝には順序があります。
(1) 月讀尊を祀った月讀宮
(2) 月讀尊荒御魂を祀った月讀荒御魂宮
(3) 伊弉諾尊を祀った伊佐奈岐宮
(4) 伊弉冉尊を祭った伊佐奈弥宮
(1)から(4)へと順で参拝しましょう。お力をいただけるはずです。周辺の予約制駐車場
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「おかげ横丁」で地域のグルメをいただきましょう
内宮鳥居前のすぐ横にある「おかげ横丁」では、お土産や食べ歩き用グルメのお店などが勢揃い。おかげ参りブームが起こった江戸から明治期の伊勢路の建築物を再現しており、レトロで趣のある町並みを楽しむことができます。赤福や伊勢うどん、豚捨などのお伊勢さんならではのお店もたくさんあるので、お参りの際にはぜひ立ち寄ってみてください。
おかげ横丁
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【赤福本店】|伊勢といえば!江戸時代からある老舗
伊勢神宮へ訪れたのなら「赤福本店」は外せません。1707年に創業した老舗の和菓子店で、全国的な知名度を誇ります。伝統的な工法で建築された店舗は歴史情緒が感じられ、まるで江戸時代にタイムスリップしたような感覚も味わえますよ。
ぜひ食べてほしいのが名物の「赤福餅」。餅の上にこし餡をのせた和菓子で、お茶うけにもピッタリです。たっぷりとこし餡がのっているので、甘すぎるのではと思いきや、意外とそこまで甘くはありません。上品な甘みを堪能できる逸品です。
早朝から営業しているので、お伊勢参りをしたあと立ち寄ってみるとよいかもしれません。飲食が可能な座敷と縁側の席が設けられているので、五十鈴川の風景を眺めながらのんびりとくつろげます。
【アクセス】
三重交通「神宮会館前」バス停より徒歩3分
伊勢自動車道 「伊勢西IC」より約8分赤福本店 外観
伊勢名物「赤福」
周辺の予約制駐車場
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【伊勢 牛若丸】|絶品肉寿司を食べ歩き!
おかげ横丁の絶品グルメを堪能したいのなら、「伊勢 牛若丸」に足を運んでみましょう。ここでは、松坂牛を用いた肉寿司を味わえます。松坂牛のサーロインを贅沢に使用した肉寿司はやわらかくジューシーで、口のなかでとろけると絶賛されています。
「肉寿司は食べ歩きには向かないのでは?」と思ったあなた。決してそんなことはありません。こちらのお店では、肉寿司をえびせん(海老せんべい)にのせて提供してくれます。えびせんを皿の代わりにできるので、おかげ横丁を散策しながら肉寿司を味わえますよ。もちろん、えびせんも食べられるのでゴミを持ち歩くこともありません。
素材の量が限られているので、売り切れ次第お店が閉店することもあるのだとか。何としてでも食べたい方は早めに来店しましょう。
【アクセス】
三重交通「内宮前」バス停より徒歩2分
伊勢自動車道「伊勢西IC」より6分周辺の予約制駐車場
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【ふくすけ】|伊勢参りの帰りに食べるのが最高
伊勢参りの帰りやちょっと小腹がすいたときにおすすめなのが「ふくすけ」。お伊勢参りに訪れた旅人が、参拝した帰りに食べていたうどんとして知られています。
伊勢エリアの名物でもある伊勢うどんは、極太のもっちりとした食感の太麺が特徴です。しっかりとした食べごたえがあり、自家製ダレとの相性も抜群。とろろにめかぶ、海老天などさまざまなトッピングで楽しめるのも魅力ですね。
歴史情緒たっぷりの店内で食べる伊勢うどんの味はここだけのもの。暑い時期には夏季限定の「冷やし伊勢うどん」も味わえるので、夏にお伊勢参りする際にはぜひ味わってみましょう。
【アクセス】
三重交通「神宮会館前」バス停より徒歩3分
伊勢自動車道 「伊勢西IC」より約5分ふくすけ 外観
名物「月見伊勢うどん」
周辺の予約制駐車場
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【海老丸】まぐろのてこね寿し|伊勢志摩の獲れたて活魚を食べるなら!
「海老丸」もおかげ横丁にあり、古くからある重厚なたたずまいが印象的なお店です。伊勢志摩で獲れたての魚をふんだんに使った漁師めしは、思わずため息が出てしまうほどのおいしさ。一般的に志摩地方の郷土料理として有名な「てこね寿司」は、かつおを使うお店が多いものの、このお店では新鮮なまぐろで作った、「まぐろのてこね寿司」が大人気メニューです。
店内には生簀があり、その日におすすめの活魚や貝を使って、お寿司や海鮮丼、大海老天丼など、さまざまな料理を楽しめるのもうれしいポイントです。
伊勢神宮へのお参りの道中でおいしいものを食べたいときには、抜群の鮮度を誇る料理人自慢の海鮮料理を味わいに寄ってみてください。
【アクセス】
三重交通「神宮会館前」バス停より徒歩4分
伊勢自動車道「伊勢西IC」より約5分周辺の予約制駐車場
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【豚捨】コロッケ|小腹が空いたときにウレシイ、老舗精肉店のコロッケ
ちょっと小腹が空いたときには、おかげ横丁で食べ歩きできるスナックもいいですね。「豚捨」は、松阪牛のルーツとされる伊勢肉を、創業以来販売し続けている老舗精肉店で、お肉屋さんのコロッケを味わえるなど、行列ができるほどの人気があります。もちろんコロッケだけではなく、串カツやミンチカツなどもテイクアウトが可能なため、好きなものを好きなだけいただけますよ。
また、お食事処も併設されているため、疲れた足を休めて、お腹を満たしたいときにもぴったりです。牛丼や牛鍋、あみ焼き、すき焼きなど、お肉料理などの豊富なメニューがあり、どれにしようか迷ってしまうかもしれません。ここでしか味わえない、こだわりの肉料理をぜひ満喫してみてください。
【アクセス】
三重交通「神宮会館前」バス停より徒歩4分
伊勢自動車道「伊勢西IC」より約5分周辺の予約制駐車場
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【とうふや】とうふや膳|五十鈴川のほとりにある、豆腐とあなご料理の店
「とうふや膳」は、職人が作る自家製豆腐と、国産穴子料理が名物のお店です。五十鈴川のほとりにたたずむ、昔ながらの日本建築の作りで、ゆったりと和食をいただける空間です。
豆腐は、厳選された国産大豆と天然にがりを使用して、毎朝手作りするこだわりぶり。濃厚で素材そのものの味をしっかり味わえますよ。穴子も国産の厳選したものを仕入れているため、天ぷらも一味違うおいしさです。サクサクとした衣と、ふっくらとした穴子を楽しめます。
数あるメニューの中では、自家製豆腐と穴子の天ぷらを一度に味わえる「とうふや膳」が特におすすめです。和の空間で癒されながら、手作りならではの魅力をたっぷり堪能してみてはいかがでしょうか。
【アクセス】
三重交通「神宮会館前」バス停より徒歩5分
伊勢自動車道「伊勢西IC」より約5分 -
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アクセス情報・参拝所要時間
JR利用の場合…「JR伊勢市駅」下車。外宮まで徒歩5分。内宮までバスで約10~15分。
近鉄利用の場合…「伊勢市駅」あるいは「宇治山田駅」下車。「宇治山田駅」から外宮までバスで6分。内宮まで約15~20分。
外宮~内宮間の移動はバスで10分程度。
参拝時間は、外宮は30~60分程度、内宮は60~90分程度が目安です。ご正宮のみお参りならその半分程度とお考えください。
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