北海道といえば、新鮮な海鮮グルメが味わえるのも旅の大きな楽しみです。その日の朝に揚がった地物の魚介類を安く買えるのが、地元の人たちの台所として親しまれている市場。活気があって品ぞろえが豊富で、土産物店では買えないような逸品がお手頃な価格で買えます。この記事では北海道三大市場のひとつ、釧路和商市場を紹介します。昭和の創業時から一貫した対面販売で商いを行っています。時代が移り変わっても人と人とのふれあいを大切にしており、いまも多くの買い物客でにぎわっています。
自分好みで作れる勝手丼はぜひ味わっていただきたい市場の名物です。勝手丼の作り方や、食材を購入できるお店も紹介します。釧路和商市場では地方発送もあるので、旅のお土産も購入できます。
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釧路和商市場とは|北海道の三大市場
北海道の東南部に位置する釧路市は、南は太平洋に面し、背後には釧路湿原が広がっています。釧路漁港は全国第2位の水揚げ量(2021年)を誇り、千葉県の銚子港、静岡県の焼津港と並んで、日本三大漁港のひとつに数えられます。釧路和商市場は釧路漁港と道東海域で獲れた新鮮な魚介を取り扱っており、函館朝市、札幌二条市場と並ぶ、北海道三大市場です。戦後に魚介類の行商をしていた人たちが集まり、1954年に釧路和商協同組合を設立して誕生した、釧路で最も歴史ある市場です。
(参照元:水揚量1位 銚子、2位 釧路、3位 焼津/21年全国主要漁港ランキング 本紙まとめ / みなと新聞 電子版 https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/128314)
和商市場の命名の由来は開業当初、場内から「わっしょい!わっしょい!」という活気ある掛け声が聞こえたことと、納得がいくまで議論を重ね、同じ目標に向かって全員で進めるように、「和して商う」の精神から来ています。市場には鮮魚店だけでなく、海産物や珍味、青果、精肉、菓子、生花などを販売する50以上の店舗が軒を連ねています。新鮮で値段が安いため、地元の主婦や料理人が通うのはもちろん、JR釧路駅から徒歩約5分とアクセスもよいので、人気の観光スポットにもなっています。時代が移り変わっても対面販売にこだわり、買い物をしながらお店の人とコミュニケーションできる楽しみもあります。
釧路和商市場の一番の名物は勝手丼です。海鮮好きの方はぜひ、港町ならではの勝手丼を味わってみてください。 -
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名物の勝手丼づくりを体験
勝手丼は名前の通り、丼にご飯を盛り付け、その上に自分好みの具材を「好き勝手」にトッピングできるオリジナル海鮮丼です。港町ではよく漁師丼やご当地の海鮮丼を看板メニューにした食堂がありますが、勝手丼は自分で作れるところが魅力です。丼の具材を選ぶときには、お店の人がおすすめや旬のネタの情報を親切に教えてくれるので、市場の人とのやり取りも楽しみです。
市場は新鮮で安く買えることがウリになりがちですが、釧路和商市場では買い物だけでなく、オリジナルの勝手丼を作れるという体験で高い満足感が得られます。釧路和商市場の公式ホームページには、ご飯や海鮮ネタを購入できるお店のマップがあるので、スマートフォンで確認しておくと便利です。公式ホームページには割引クーポン券も用意されているので、訪れる際にはぜひ、活用してください。次項で勝手丼の作り方と食材を購入できるお店を紹介します。 -
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オリジナル勝手丼の作り方
自分オリジナルの勝手丼は次の3ステップで作れます。
1 白ご飯を購入
まず市場内の惣菜屋で好みの分量のご飯を購入します。店舗によって大・中・小と異なる大きさのご飯が用意されており、値段も100~400円と幅があります。白いご飯だけでなく、酢飯を用意している店舗もあります。
2 お好みのネタを探す
次に市場内の海鮮屋や魚卵専門店などで好みの具材を探します。具材は量り売りまたは切り身で売られており、好みのネタを盛り合わせにできます。具材のネタは季節で変わりますが、ホタテやイクラ、鮭、ホッキ貝、イカ、サーモン、ボタンエビ、甘エビなど、握り寿司でお馴染みの新鮮なネタから選べます。特に旬のネタはおいしいので、お店の人に聞いてみるとよいでしょう。例えば春から夏にかけてなら、時しらずや、3月から7月いっぱいが釧路での漁期にあたる花咲ガニがおすすめです。
3 丼に盛って完成
あとは好みの具材を丼にのせてもらい、盛り合わせたネタの代金を支払います。丼の上から醤油をかけてもらえば完成です。市場内のパティオ(イートインスペース)は飲食可能なので、パティオに移動して味わってください。 -
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食材を購入できるお店の紹介
ご飯を購入できるのは「大内商店」「そば食事処 露風庵・邦紀」「純喫茶ポラリス」です。「大内商店」はJR釧路駅や釧路中央郵便局などが通り沿いにある正面側から入ると、パティオを抜けた一番奥側に位置しています。「大内商店」を西側に進み、ゆうパックセンターの角を右に曲がったところに「そば食事処 露風庵・邦紀」が並んでいます。「喫茶ポラリス」は「そば食事処 露風庵・邦紀」とちょうど市場内の対角線上の、正面西口から入ってすぐの場所にあります。市場の壁沿いを一周しながら、3つの店舗のどれかでご飯を購入できる感じです。何も言わないと白ご飯になるので、酢飯を注文する場合は最初に伝えるようにしてください。
海鮮ネタは市場の中ほどにある中央パティオ周辺の店舗で購入できます。「(株)さとむら」「(有)マルイチ佐藤商店」「(有)橋本商店」「(有)かねしめ瀬野商店」の4店舗です。ご飯を盛りつけた丼を持っていると、あちこちから呼び声がかかりますが、勧められるままにネタをのせてもらうと、自分好みの勝手丼が作れません。できれば、自分が食べたい海鮮ネタを多く扱っている店舗を選ぶとよいでしょう。
釧路産のネタはひと目でわかるように表示されているので、地元産のネタで勝手丼を作りたい方はそれを目印に選んでください。時期にもよりますが、オヒョウや松川かれい、そい、サクラマス、鯨の霜降りなどが味わえます。店舗ではご飯ものに合うようなカニ汁や漬物も購入できます。魚が好きでも生ものが苦手という人には、焼き魚定食やジビエ料理などが食べられるお店もありますので、困ることはありません。 -
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お土産を購入。旅の思い出に
海鮮以外にも海産物や野菜、精肉、天ぷら・かまぼこ、果物など、釧路和商市場には新鮮な食材がそろっています。また、干物や珍味、お菓子など、日持ちがする加工品も品数が多いので、旅の思い出のお土産に最適です。エイヒレやイカなどの海の幸を加工した珍味は、お酒のおつまみに喜ばれます。持ち帰れない場合は、冷凍や冷蔵のクール便で自宅などに地方発送できます。春から初夏であれば、上述した時しらず(時鮭)が北海道の海の幸として人気です。
時しらずは、秋の産卵期の鮭のようにお腹の卵や白子に栄養を貯めないので、身全体に脂が乗っています。塩焼きや、焼き鮭とイクラをのせた親子丼など、味わい方はいろいろです。身が大きいほど脂が乗っており、高級店に出荷されます。
市場内はキャッシュレス決済に対応している店舗が多くあります。クレジットカードや電子マネー、QRコードなどに対応していますが、利用できる決済サービスは店舗により異なります。支払いの際に直接確認してください。釧路和商市場は公式SNSでおすすめの商品を発信しているので、お土産品を購入するときの参考になります。 -
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和商の日|抽選会や特売品をチェック
釧路和商市場で販売されている商品は普段からお得な値段ですが、毎月開催されるセール市「和商の日」はさらに安くなります。抽選会やお得な福袋などが用意されるのでおすすめです。鮮魚や精肉、青果など、旬な食材を安く買うことができます。セール期間中は地方発送料が値引きされるので、お土産品の購入・発送に使うとお得です。和商の日は公式ホームページやInstagramなどでチラシが発行されるので、チェックしておきましょう。
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営業時間・駐車場
・営業時間:月~土 8:00-17:00
・定休日:日曜 ※臨時営業日は公式ホームページで案内されています。
・住所:釧路市黒金町13丁目25
・TEL:0154-22-3226
・公式HP:https://www.washoichiba.com/
・Twitter:https://twitter.com/washoichiba
・インスタグラム:https://www.instagram.com/washoichiba/
・Facebook:https://www.facebook.com/washoichiba/
・駐車場:地下駐車場または釧路駅西商店街駐車場を利用できます。
【アクセス】
JR「釧路駅」「釧路駅前ターミナル」より徒歩で約5分
「たんちょう釧路空港」より連絡バスでJR「釧路駅」まで約45分