能登半島にある三室漁港は、穏やかな七尾湾に面する小さな漁村です。ここで地元の人々と触れ合える体験が開催されています。タコを獲ってみたり、木造船の艪漕ぎにチャレンジしてみたり、アクティビティを楽しんだ後は、獲れた魚介類の調理体験、海辺の特等席で海の幸たっぷりのランチを頂けます。半日ののんびりした「特別な時間」を過ごしてみませんか。
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船大工の杉本さん兄弟がお出迎え
杉本さん兄弟は、江戸時代から続く船大工の七代目です。昔はこの辺りに住む人々の生活に欠かせない存在だった船。対岸に見える能登島へ稲作をするために、海を渡っていたのだといいます。当時の三室には船を保管するための舟小屋が立ち並んでいました。時代の変化にともない、かつてこの地域に何人かいた船大工も今は杉本さん兄弟の二人だけとなってしまいました。
三室に船のある風景を残そうと、杉本さん兄弟は伝統的な技術で木造船を完成させました。なんと、設計図は木に書いたたった一枚の絵だけというから驚きです。
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伝統の木造船を体験!
さっそく、木造船に乗せてもらおうと階段を下りていきます。時が止まったかのような、舟小屋のノスタルジックな雰囲気と、青く開ける能登の海の美しさに感動します。
ずっしりとした重みと安定感のある木造船に乗せてもらい、いざ出航!この立派な船は、杉本さん兄弟が裏の山から木を切り出すところから始め、あの一枚の設計図から造られたのです。
杉本さんの船頭で船はスイスイと風をきって進みます。穏やかな能登の海がキラキラと輝き、岸を見れば海と山が近く美しい能登の漁村の景色が広がります。
景色を楽しんだ後は、いよいよ艪漕ぎを体験します。2mもありそうな太い艪(ろ)を持って、水をかきますが、なかなか上手くいきません。杉本さんの「がんばれ~」という優しい掛け声に癒されます。
昔は、この船だけで対岸の能登島まで渡っていたというのだから驚きです。人力の船での移動はさぞ時間も体力も必要だったことでしょう。
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タコは入っているかな?たこつぼ漁
「たこつぼ漁」の体験も楽しいのでおすすめです。前日に仕掛けた「たこつぼ」をどんどん引き上げていきます。上げた壺をのぞきこんでは「入っていた!入っていなかった」と一喜一憂しながら楽しみます。
たこつぼ漁は、壺に隠れたタコが逃げようとせずじっとしているというタコの習性を利用した漁なので、出きたタコは無傷!元気に出てくるタコの姿をじっくり観察してみるのもなかなか貴重な体験です。
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ランチは、豪華な漁師飯!
海から戻ると、舟小屋には浜焼きのいい匂いが漂います。この日のメニューは、サザエに、たこ飯、カニ汁、そして茹タコです。あっと言う間にテーブルいっぱいにお皿が並び、杉本さん兄弟も含めみんなでランチをいただきます。
どの料理も漁師飯スタイルのシンプルなメニューで、素材そのものの旨味が口に広がります。海の前の舟小屋で、地元の人の話す能登弁を聞きながらゆっくり頂く漁師飯は、どんなお店にも負けない位の贅沢ランチです。
食事が終わる頃には気持ちがほぐれて自然と表情も柔らかくなります。これこそ三室の漁村体験の一番の収穫かもしれません。
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三室の漁村体験の予約方法
この日は木造船の艪漕ぎや、たこつぼ漁を楽しみましたが、他にも竹竿を使った釣りや、季節によってカニやナマコを獲る体験もできます。予約は崎山地区コミュニティセンターで受け付けているので、電話で人数や、やりたい事を相談しながら決められます。
<三室の漁村見学半日体験>
開催時間:9:00~13:00
料金:ひとり5,000円 ※昼食づくり体験代含む
場所:三室の舟小屋
住所:石川県七尾市三室町128-27
※集合時間、スケジュールは要相談
問い合わせ:崎山地区コミュニティセンター
TEL:0767-58-1111(受付時間:10:00~17:00)
※前日まで予約受付