「国宝 迎賓館赤坂離宮」の内部を特別レポ!見学方法やアフタヌーンティー情報も


2020.02.05

NAVITIME TRAVEL EDITOR

日本と西洋の美しさが織り交ぜられた西洋風宮殿建築「迎賓館赤坂離宮」。日本を訪れる世界中の賓客たちをもてなす場所です。なんだか遠い世界のように思えますが、実はそんな貴重な「迎賓館赤坂離宮」の内部を見学することができるんです!さらに美しいお庭では、豪華で優雅なアフタヌーンティーを楽しめます。なんと本館と庭園は、事前予約なし・当日受付で参観可能!
今回は特別に、本館内部と庭園(主庭・前庭)の様子をお写真を添えてご紹介します。いつもの日常から少し離れて贅沢な気分でお出掛けしてみてはいかがでしょうか。

  • 01

    「迎賓館赤坂離宮」の参観について

    歴史深く国宝にも指定されている「迎賓館赤坂離宮」ですが、実はその内部は一般公開されており参観が可能です。本館と庭園は、事前予約不要・当日受付で参観できるので気軽に立ち寄ることができます。本館・庭園参観の場合は、ツアーガイドサービスはありませんが、音声ガイド(1台200円)を聴きながら見学できます。
    ※和風別館の参観は事前予約が必要、及び小学生以下は参観不可。詳しくは公式HPをご確認ください。

    【開館時間】10:00~17:00(最終受付16:00、庭園のみ参観は16:30まで受付)
    【参観料金(本館・庭園)】一般:1,500円、大学生:1,000円、中高生:500円、小学生以下:無料
    ※特別展実施中は参観料金が異なることがあります。
    【アクセス】
    中央線・総武線「四ツ谷」駅下車、赤坂口より徒歩約7分
    丸ノ内線「四ツ谷」駅下車、1番出口より徒歩約7分
    南北線「四ツ谷」駅下車、2番出口より徒歩約7分

    「迎賓館赤坂離宮」 日本で最初の西洋風宮殿建築

    「迎賓館赤坂離宮」 日本で最初の西洋風宮殿建築

  • 02

    【歴史】「東宮御所」から「迎賓館」へ

    日本で最初の西洋風宮殿建築としてつくられ、日本洋館の最高峰とも言える「迎賓館赤坂離宮」。
    明治42(1909)年、当時の皇太子さまのお住まいである「東宮御所」として誕生したのがはじまりです。皇太子さまが天皇へ即位したあとは離宮となり、その後は国へ移管され国立国会図書館としても使われました。そして、昭和49(1974)年に迎賓館としてよみがえり、世界各国の国王や大統領などを賓客として迎え、おもてなしをするための場となりました。明治に活躍した建築家・片山東熊(かたやまとうくま)氏が設計を手掛けた日本で唯一のネオ・バロック様式による宮殿建築です。

    「迎賓館赤坂離宮」 設計は建築家・片山東熊(かたやまとうくま)氏

    「迎賓館赤坂離宮」 設計は建築家・片山東熊(かたやまとうくま)氏

  • 03

    【見どころ】西洋風宮殿建築に散りばめられた“日本”

    日本の洋館の最高峰と名高い「迎賓館赤坂離宮」ですが、実は建物のいたるところに“日本”の要素が散りばめられています。正門玄関の鉄扉の上部には“菊花”、扉の左右には“桐”があしらわれており、それぞれ菊は日本の国章であり桐は日本国政府の紋章とされています。
    そのほかにも、本館の屋根に立つ立派な甲冑や各部屋に飾られた日本の伝統工芸品など、西洋のデザインに日本独自の美しさが緻密に溶け込んでいます。和と洋が織りなす大胆かつ繊細な、ほかにはない美しさが「迎賓館赤坂離宮」の魅力ではないでしょうか。

    「迎賓館赤坂離宮」 正門の“菊の紋章”

    「迎賓館赤坂離宮」 正門の“菊の紋章”

    「迎賓館赤坂離宮」 本館屋根には立派な甲冑

    「迎賓館赤坂離宮」 本館屋根には立派な甲冑

  • 04

    【本館】数多くの賓客をお迎えする玄関ホール

    白く美しい壁と真紅の絨毯が印象的な正面玄関ホール。床の市松模様は、白い部分にイタリアを代表する大理石“ビアンコ・カララ”、黒い部分には宮城県産の“玄昌石”が使われています。真紅の絨毯は、2階の大ホールへと続いています。そこで注目してほしいのが、上部に見える朝日を描いた壁画。さまざまな賓客たちを美しい朝日が出迎えてくれます。また、朝日の向かい側には夕日の壁画があり、帰る際にはこの美しい夕日が見送ってくれるのです。

    「迎賓館赤坂離宮」 玄関ホール床の美しい市松模様

    「迎賓館赤坂離宮」 玄関ホール床の美しい市松模様

    「迎賓館赤坂離宮」 迎えてくれるのは“朝日”

    「迎賓館赤坂離宮」 迎えてくれるのは“朝日”

    「迎賓館赤坂離宮」 見送ってくれるのは“夕日”

    「迎賓館赤坂離宮」 見送ってくれるのは“夕日”

  • 05

    【本館】より美しく生まれ変わった「朝日の間」

    「迎賓館赤坂離宮」のなかで最も格式の高い部屋と言われているのが「朝日(あさひ)の間」。玄関ホールから2階へ上がった先にあるこの部屋では、要人の方々との会談や表敬訪問が行われます。また、天皇皇后両陛下が国賓に向けお別れの挨拶をする場所でもあります。

    「迎賓館赤坂離宮」 最も格式の高い「朝日の間」

    「迎賓館赤坂離宮」 最も格式の高い「朝日の間」

    「迎賓館赤坂離宮」 天皇皇后両陛下がご挨拶をするお部屋

    「迎賓館赤坂離宮」 天皇皇后両陛下がご挨拶をするお部屋

    2019年4月には、約2年間の改修工事を終えてより一層美しく生まれ変わりました。天井に描かれた朝日を背にした女神の絵画は、この部屋の象徴であり、女神の周りには日本を代表する花・桜があしらわれています。そして床に敷かれた手織りの絨毯の花の模様は、天井の桜がひらひらと舞い落ちた様子を表現しているのだそう。ひとつひとつの装飾に想いや物語が込められており、いつまでもうっとりと眺めていたくなりませんか。

    「迎賓館赤坂離宮」 この部屋の象徴である女神の絵画

    「迎賓館赤坂離宮」 この部屋の象徴である女神の絵画

  • 06

    【本館】幸運を呼び寄せる美しき「彩鸞の間」

    内閣総理大臣による外国元首との首脳会談や条約調印などで使われている「彩鸞(さいらん)の間」。部屋の名前の由来となっているのは、古代中国に伝わる鳳凰の一種である「鸞(らん)」という鳥です。国が栄えている時に姿を現すという「鸞(らん)」は、幸運や幸福のパワーを持つとも言えるでしょう。
    室内はアンピール様式で統一され、向かい合わせた大きな鏡が特徴的です。アンピールとはフランス語で“帝政”を意味し、古代ローマやエジプトの要素を取り入れた力強く奥深い空間演出がほどこされています。日本の威厳と幸福を願う想いがこめられた一室です。

    「迎賓館赤坂離宮」 大鏡が特徴的な「彩鸞の間」

    「迎賓館赤坂離宮」 大鏡が特徴的な「彩鸞の間」

    「迎賓館赤坂離宮」 幸福の鳥、「鸞(らん)」

    「迎賓館赤坂離宮」 幸福の鳥、「鸞(らん)」

    「迎賓館赤坂離宮」 野戦テントの天幕をイメージした天井

    「迎賓館赤坂離宮」 野戦テントの天幕をイメージした天井

  • 07

    【本館】最も美しいと言われる「花鳥の間」

    「迎賓館赤坂離宮」のなかで最も美しいとされる「花鳥(かちょう)の間」。ほかとは雰囲気の異なるこの部屋は、海外からの賓客を迎えて晩餐会を開くための場所です。一面板張りのシックで重厚感ある室内は、16世紀後半のフランスで流行したアンリ2世様式でつくられています。直線や平行線を意識させる意匠が特徴で、背筋がピンと伸びるような凛とした空気に満ちています。

    「迎賓館赤坂離宮」 最も美しいとされる「花鳥の間」

    「迎賓館赤坂離宮」 最も美しいとされる「花鳥の間」

    板壁には1枚1枚絵柄の異なる七宝焼の額が30枚飾られており、天井には雅やかな花鳥と食を連想させるジビエが描かれています。これらの絵は、板壁のものが日本画家によるもの、天井画はフランス人画家によるもので、日本と西洋の花鳥の描き方の違いを感じることができます。

    「迎賓館赤坂離宮」 1枚1枚絵柄の異なる七宝焼

    「迎賓館赤坂離宮」 1枚1枚絵柄の異なる七宝焼

    「迎賓館赤坂離宮」 天井画は花鳥とジビエを描いています

    「迎賓館赤坂離宮」 天井画は花鳥とジビエを描いています

  • 08

    【本館】天女のように優美に舞う「羽衣の間」

    かつては舞踏室であった「羽衣(はごろも)の間」。オーケストラボックスや壁に配された和洋の楽器のレリーフなど、音楽に関するさまざまなものが散りばめられています。歓迎式典や晩餐会に参加する賓客へ食前酒をふるまう場として使われているほか、演奏会を開催することもあるのだそうです。

    「迎賓館赤坂離宮」 舞踏室としてつくられた「羽衣の間」

    「迎賓館赤坂離宮」 舞踏室としてつくられた「羽衣の間」

    迎賓館で最大というシャンデリアには、日本的な鈴や舞踏会を意識した仮面があしらわれています。なかでも注目すべきが、天井に描かれた大空の絵。天女が地上へ舞い降りた気配を表現しており、舞踏会で踊る淑女を天女に重ね合わせるためにあえて天女を描かなかったと言われています。

    「迎賓館赤坂離宮」 迎賓館で最大のシャンデリア

    「迎賓館赤坂離宮」 迎賓館で最大のシャンデリア

    「迎賓館赤坂離宮」 天女が地上へ舞い降りた様子を表現した天井画

    「迎賓館赤坂離宮」 天女が地上へ舞い降りた様子を表現した天井画

  • 09

    【庭園】噴水のある歴史深き主庭を散策

    本館の南側には和と洋の要素が入り混じった美しい主庭が広がっています。建設当時からあるお庭で、中央にある噴水は国宝に指定されています。庭には玉砂利が敷き詰められており、いたるところに松の木が植えられています。しかし和を感じつつも、左右対称が特徴の西欧式のお庭となっています。

    「迎賓館赤坂離宮」 美しい西欧式の「主庭」

    「迎賓館赤坂離宮」 美しい西欧式の「主庭」

    日本では珍しいとされる西欧式の噴水で、中段の水盤の上にはシャチの銅像があり、その下段の縁石を亀とグリフォンが囲んでいます。グリフォンとは、上半身が鷲で下半身がライオン、そして背中に大きな翼を持つギリシャ神話に登場する伝説上の生物のことです。噴水の周りに植えられたサツキツツジは、春になると花を咲かせ、彩を添えてくれます。お庭の花壇の花は、四季が巡るごとに異なる花々が咲き、いつ訪れても美しい姿を見せてくれるのです。

    「迎賓館赤坂離宮」  噴水を囲んでいるのは“グリフォン”

    「迎賓館赤坂離宮」  噴水を囲んでいるのは“グリフォン”

  • 10

    【庭園】宮殿建築の前庭で優雅に“アフタヌーンティー”を

    本館正面に広がる前庭では、アフタヌーンティーが楽しめます。石畳の上にテーブルが立ち並ぶ様子は、ヨーロッパのガーデンカフェさながら。美しい本館を目の前にティータイムを楽しめるとあって、人気を集めています。キッチンカーで購入し、お好きなテーブルでいただくスタイルです。オープンサンドや老舗ベーカリーのスコーン、チーズケーキなどが可愛らしく盛られており、手をつけるのがもったいないほど。これは、日本で最も優雅なアフタヌーンティーと言っても過言ではありません。

    「迎賓館赤坂離宮」 前庭で楽しむアフタヌーンティー

    「迎賓館赤坂離宮」 前庭で楽しむアフタヌーンティー

    「迎賓館赤坂離宮」 1セット(2人前)紅茶付き

    「迎賓館赤坂離宮」 1セット(2人前)紅茶付き

    午前10時の開館とともに、続々とお客さんがやってきて午後には売り切れてしまうこともあるそうです。写真を綺麗に撮りたい方は、早めに向かって本館に近いお席を確保することをおすすめします。季節ごとにメニューが入れ替わるので、何度訪れても新鮮な気持ちで優雅な時間を楽しめます。

    【料金】1セット2人前 4,800円(税込)
    ※1日限定20食 / 前庭のみの場合、別途参観料金300円が必要です
    【営業時間】10:00~17:00(ラストオーダー16:30)
    【テーブル・席数】通常は12セット48席

    「迎賓館赤坂離宮」 季節ごとにメニューが入れ替わります

    「迎賓館赤坂離宮」 季節ごとにメニューが入れ替わります

    「迎賓館赤坂離宮」 本館と一緒にぜひ素敵な1枚を

    「迎賓館赤坂離宮」 本館と一緒にぜひ素敵な1枚を

  • 非日常のきらびやかな世界を体験できる、「迎賓館赤坂離宮」。豪華絢爛な建物内は、目が眩むほどの美しさです。内部を参観できることを知らなかった!という方も、この機会にぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

    迎賓館赤坂離宮
    place
    東京都港区元赤坂2-1-1
    phone
    0357287788
    opening-hour
    [庭園受付]10:00-16:30(閉館17…
    info
    【公式HP】https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/
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