NAVITIME Travel

谷中の“最小文化複合施設”「HAGISO」で、感性を刺激されるひとときを過ごそう。

東京・谷中は昔懐かしい街並みが残る下町。そんな下町の住宅街の中に「HAGISO」は建っています。瓦屋根から塀に至るまで、漆黒に包まれた建造物は一際異彩を放つ存在。そんな建物へ吸い寄せられるように集まるたくさんの人。なぜHAGISOがこんなにも愛されているのか、その秘密を探ってきました。

目次

  • 「萩荘」から「HAGISO」へ

  • 心地よい萩荘の面影

  • 階段の先にある“別の顔”

  • “最小文化複合施設”だからできること

  • 「萩荘」から「HAGISO」へ

    今から300年以上も前から台東区谷中に本堂を構える妙祐山 宗林寺。当時からその境内に多くの萩が植えられていたことから「萩寺」として親しまれてきました。その萩寺の愛称にあやかって、境内に隣接して建っていたのが「萩荘(現HAGISO)」でした。
    萩荘は1955年から木造のアパートとして、2004年からは東京藝術大学の学生のアトリエ兼シェアハウスとして使われてきました。

    至るところに萩荘の面影を残す「HAGISO」

    至るところに萩荘の面影を残す「HAGISO」写真提供:HAGISO

    2階へあがる階段横の「萩荘」のプレート

    2階へあがる階段横の「萩荘」のプレート

    しかし、2011年萩荘は老朽化のため解体されることに。変わっていく東京の風景に無力感を感じていた入居者たちは、解体に先立ち、萩荘でグループ展「ハギエンナーレ2012」の開催を企画します。
    萩荘に集まっていた学生やアーティストが、建物全体を使って作品を展示したところ、なんと3週間の期間で1500人もの人が訪れ、この萩荘の解体を惜しんだのです。

    HAGISOの至る所にアートが。

    HAGISOの至る所にアートが。

    この予想外の盛況をきっかけに、萩荘の価値は見直され計画は一転、なんと改修され生まれ変わることになったのです。
    こうして2013年3月にできたのが最小文化複合施設「HAGISO」。真っ黒な建物の裏側には、なんともドラマティックな背景が隠されていました。

    ここまできたら、気になるのはHAGISOの内部。一体どうなっているのでしょうか?

  • 心地よい萩荘の面影

    HAGISOは2階建て。萩荘の元住人、藝大卒の建築家である宮崎昇吉さんが設計を手がけました。1階にはギャラリー(HAGI ART)、カフェ(HAGI CAFE)、レンタルスペース(HAGI ROOM)があります。

    HAGI CAFE

    HAGI CAFE

    「HAGI ART」はレンタルギャラリー。HAGI ARTの担当スタッフが厳選したアーティストの作品の展示が3週間ほどの期間毎に行われています。すでに来年まで予約が埋まっているほどの人気スペースだそう。時にはダンスや音楽の舞台、ワークショップや映画上映なども行われたりと街の人にとっても親しまれている場所です。

    HAGI ART

    HAGI ART

    元々あった柱や梁を活かした空間は吹き抜けになっていて、窓からはやわらかい陽が差し込みます。日常から開放されるような気分。

    HAGI ARTから見上げた吹き抜け

    HAGI ARTから見上げた吹き抜け

    「HAGI CAFE」は木のぬくもりがあふれる、アットホームなカフェ。元々は萩荘の居住者が集うリビングでした。たくさんの学生の憩いの場だったこの場は、生まれ変わった今でも多くの人が訪れ、会話や食事を楽しむ場所として愛されています。

    HAGI  CAFE 店内

    HAGI CAFE 店内

    HAGI  CAFE 店内

    HAGI CAFE 店内

    HAGI  CAFE 店内

    HAGI CAFE 店内

    HAGI CAFEは平日休日問わず多くの人が訪れる谷中の人気スポットです。
    ランチタイムメニューでぜひ食べたいのは「半熟玉子のキーマカレー」。自家製のカレーパウダーで作られたスパイスの香りがクセになるキーマカレーです。まるまる玉子が乗った見た目はインパクト大!他にもカリッと揚げた鯖をはさんだ「サバサンド」も人気。

    半熟玉子のキーマカレー

    半熟玉子のキーマカレー

    また、「HAGI CAFE」はモーニングも営業。コンセプトは「旅する朝ご飯」。店長さんが旅先で出会った人との縁をもとに、その地域の美味しい食材を使った和食の朝ご飯を提供しています。四季ごとに地域を分け、7月からは「小豆島」。海と山に囲まれた小豆島の味噌やお米を使った、朝からほっこり和むメニューです。

    HAGI MORNING

    HAGI MORNING写真提供:HAGISO

    「HAGI ROOM」は雑貨や工芸品の展示販売を目的とした貸しスペース。ワークショップや教室の場としても利用できる、小さいスペースながらも間口の広い空間です。
    レンタルをご希望の方はこちらから>>>>
    http://hagiso.jp/use/room/

    HAGI ROOM

    HAGI ROOM

  • 階段の先にある“別の顔”

    続いて2階へあがってみることに。階段の踊り場では文鳥がお出迎え。かわいいさえずりが響きます。萩荘時代に使われていた御手洗いの扉もそのまま。吊るされたモダンな照明とのコントラストが美しい空間です。

    2階へあがる趣のある階段

    2階へあがる趣のある階段

    文鳥たちも心地よさそう

    文鳥たちも心地よさそう

    上がったところで横に長い廊下が現れます。ここはかつて居住者たちが住んでいた場所ということで、いくつかの部屋に分かれています。

    2階の廊下

    2階の廊下

    2階に上がってすぐ目の前の部屋は、HAGISOや東京芸大ゆかりのアーティストによるアクセサリーや小物を集めたショップ。暮らしにそっとなじみつつ、存在感のある作品が多く、その独特で洗練されたセンスと手仕事はじっくりと一つ一つ手にとって眺める楽しさがあります。

    アート作品でいっぱいの店内

    アート作品でいっぱいの店内

    お祝いイベントでつけたい水引モチーフのアクセサリー。

    お祝いイベントでつけたい水引モチーフのアクセサリー。

    シャビーな素材感。味があります。

    シャビーな素材感。味があります。

    ころんとしたフォルムがかわいい、陶器のスプーン。

    ころんとしたフォルムがかわいい、陶器のスプーン。

    2階の201では、谷中のまち全体を宿泊施設にみたてたホテル「hanare」のレセプションが。「hanare」は2015年秋にオープンしたHAGISOがプロデュースするホテル。

    ショップ入り口の看板

    ショップ入り口の看板

    hanare レセプション

    hanare レセプション

    宿泊室はまちの中、朝食はHAGI CAFEで、大浴場はまちの銭湯、レストランは街の飲食店、レンタサイクルは自転車屋さん、お土産は商店街で‥といったように、谷中という「まちに泊まる」宿泊体験を提供しています。

    hanare 外観

    hanare 外観写真提供:HAGISO

    現在HAGISOのすぐ近くに位置する「hanare」の宿泊棟ですが、今後は谷中のまちに少しづつ増えていったらいいなとHAGISOは考えています。地域のつながりが濃い谷中だからこそできるまち全体でする「おもてなし」は、訪れた人の心にも深く残り、また谷中に戻ってきたくなるはず。

    hanare 客室

    hanare 客室写真提供:HAGISO

    hanare
    住所
    東京都台東区谷中3-10-25 HAGISO
    電話番号
    0358347301
    備考
    【URL】http://hanare.hagiso.jp/
  • “最小文化複合施設”だからできること

    学生達がグループ展を行わなければきっと解体され、その存在を知ることもなかった「萩荘」。あの時の学生達ひとりひとりの想いは、今もこの「HAGISO」の原動力となっています。
    HAGISOはとどまることを知りません。隣接する宗林寺で真夏の音楽祭「萩フェス2016」なるものを企画したり、親子向けの企画「HAGI PARK」も開催予定。公式サイトには続々とイベントの告知がなされています。

    巨大な資本でできた施設では感じられない、小さなまちだからこそできる、人と人、文化と文化が触れ合う濃密な空間。HAGISOは地元の人だけでなく、いろいろな人にここへ来て欲しいと言います。

    来たときは「ただいま」、帰るときには「また来るね」と、そっと心の中でつぶやいてしまいそうになる。そんなお家のような懐かしさにぜひ触れてみてください。一度訪れたらあなたも「HAGISO」の住人です。

    HAGI CAFE
    住所
    東京都台東区谷中3-10-25 HAGISO
    電話番号
    0358329808
    備考
    【URL】http://hagiso.jp/
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

おすすめの新着記事