【別府の旬処】湯けむりの向こうは極楽!地獄蒸しイタリアン「Otto e sette Oita」


2017.12.09

NAVITIME TRAVEL EDITOR

湯けむり立ちこめる別府屈指の温泉街、鉄輪。”地獄蒸し”というこの地に伝わる郷土料理が、とある隠れ家店で華麗なイタリアンに様変わりするという。店の名は「Otto e sette Oita」、地獄ならぬ極楽だ。一口食べれば閻魔すら微笑むその旨さ、こうご期待!

  • 01

    湯けむり立ち昇る石畳、奥に進み扉を開けば・・・。

    しっぽりと情緒漂う温泉街「鉄輪」には、古き良き昭和の町並みが今も残る。モクモクと湯けむりがたちこめ視界がぼんやりしている中、細い路地裏をゆっくり進んで行く。程なくして、一際目を引く和モダンな宿で足を止めると「湯治 柳屋」の文字が。「Otto e sette Oita」は、この宿の一角にひっそりと佇む。

    別府の隠れ家名店「Otto e sette Oita」

    別府の隠れ家名店「Otto e sette Oita」

    重厚感のある木目を貴重とした店内は、心地よいクラシックな空間。

  • 02

    天国にも昇る味!恐るべし「地獄蒸しイタリアン」

    優しい光が差し込む午後、いよいよ優雅なご褒美ランチの始まり。

    ●本日の前菜「大根のポレンタ風とキノコとすっぽんのラグー」
    ポレンタとは通常トウモロコシの粉を火にかけて湯や出し汁で練り上げたもの。しかしこちらはトウモロコシの代わりに”大根”が使われている。実にしっとりした食感。そこへすっぽんの”ラグー”、トマト煮込みがのせられている。周りにあしらわれた大根菜と柚子こしょうのソースが絶妙なアクセントに。

    ●本日の温泉パスタ「キノコとパイアータ(ホルモン)のラグー」
    パスタを湯がくのに使われているのは温泉水。ミネラルが豊富なので、もっちりとした食感が出るのだという。しっとり瑞々しいのに、水っぽさは全くない。
    そして驚いたのはホルモンの柔らかさ!あのホルモン特有の噛み切れなさは一体どこに?!聞くと口どけの秘密は仕入れている肉にあった。生後4カ月の乳飲み子牛を使っているとの事で、ミルクしか飲まない子牛は内臓があまり発達していないので非常に柔らかいのだそう。更に麹、地獄窯で調理を行う事で、トロトロ食感に拍車をかける!

    ●メインディッシュ「吾一の黒豚バラ肉地獄蒸しコンフィ」
    大分県中津市の梶原吾一さんが育てた最高級の黒豚を、塩麹で下味をつけ野菜と一緒に地獄蒸し。低温でじっくり加熱されたお肉、その表面はカリッと焼かれてある。テーブルに置かれた瞬間漂う芳ばしい香りに、食欲も気分も最高潮!ナイフで切る必要がないほどホロホロと崩れるお肉を、まずは大きく一口で。旨みがギュッと凝縮されていて、上質な豚の脂がジュワッとしみ出る。明日の朝はきっと肌がぷるぷるになっているはず・・・。鏡を見るのが今から待ち遠しい。野菜のシャキシャキ感も気持ち良くて、食べ終えるのが惜しい程。

    ●デザート「湯治渋柿のコンポートとバニラジェラート」
    24時間渋柿を温泉に漬けこみ渋抜きをした、まさに”渋柿の湯治”。お味は瑞々しくて何ともさわやか、程よい甘さのバニラジェラートとも相性抜群だ。散りばめられたゆずの皮、しょうがのグラノーラが味を引き締めている。上からかけられたソースはハチミツとバルサミコソースをまぜたものだそう。一見ミスマッチにも感じられるこれらの組み合わせ、しかしその全てが合わさると完璧なハーモニーを奏でる。芸術的なその発想に、シェフは一体どんな人物なんだろう・・・?気になってしかたがない。

  • 03

    オーナー・梯シェフの想い、その素顔に迫る!

    福岡出身の梯 哲哉氏は、名宿・由布院御三家の一つ「山荘 無量塔」にて料理長も務めた実力派。その後縁あって別府のサービスエリアの立ち上げプロジェクトに関わったのをきっかけに、活動拠点を別府に移すことを決める。海と山に囲まれた別府は、海鮮・山の幸と県内各地の新鮮な食材を手に入れる事ができ、作れる料理の幅が広がることを実感したのだそう。鉄輪の伝統的調理方法”地獄蒸し”を使って、”Made in 大分”にこだわった創作イタリアンを生み出し続けている。

    斬新な料理のアイディアはどこからくるのか聞いてみると・・・?
    「畑に行った帰り道や、音楽を聴いてる時などふとした瞬間ですかね。思い立ったらすぐ材料買ってきて調理場へ駆け込むんです。皆いるのに、ちょっとどいて~って 笑。」
    料理にかける熱すぎる程の情熱、実直なその姿に厳格なイメージを勝手に持っていた筆者。しかし実際にお会いし話を伺うと、優しい物言いに時折見せる仏のような笑顔。そのギャップがたまらず一気に大ファンになってしまった。

  • 04

    Made in Oitaこだわりの、創作イタリア料理は”大分リア~ン”!

    食材から調理方法までとことん”大分”にこだわった独創的な料理の数々・・・。イタリアンと和の垣根を越えた、唯一無二の新ジャンル。これは常に大分、料理、そしてそれを食べる人達を想う梯シェフだからこそなせる業。
    今この瞬間、最高の大分テイストに出会える場所「Otto e sette Oita」は、あなたに新鮮な驚きと喜びを与えてくれるだろう。

    活躍は店の中にとどまらず、”料理人” x ”生産者” x ”消費者” をつなぐ「食ラボ大分」を立ち上げるまでに。大分の食文化発展の為様々なイベントも精力的に行っているとの事、こちらもぜひ今度お邪魔してみたい。

    Otto e Sette Oita
    rating

    4.5

    12件の口コミ
    place
    大分県別府市井田2組
    phone
    0977664411
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