本州の最北端の青森県には、その土地ならではの食文化があります。例えば、「大間まぐろ」は黒いダイヤモンドとも評され、高価で取引されています。また、戦後に米軍から払い下げられた牛肉を使った「十和田バラ焼」は庶民の文化として広がりました。青森県はりんごの生産量日本一だけではなく、おいしいアップルパイでも有名です。
このように青森県は多くの食文化が育っていて、大勢の観光客がその食を楽しむことを目的のひとつにして青森に訪れます。
ここでは、青森でしか食べられないおすすめご当地グルメ7選のほか、それらを食べるならぜひ行ってほしい青森グルメのお店について紹介します。
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一匹3億3360万円!?「大間まぐろ」
青森の津軽海峡で水揚げされるマグロは、黒いダイヤといわれる最高級品の天然の本マグロです。特に津軽海峡に面する大間崎沖5km付近で水揚げされるマグロは「大間まぐろ」というブランド名で、日本全国で知られています。黒潮、対馬海流、千島海流の海流が流れ込み、プランクトンが多く発生するため、津軽海峡はマグロの最高の魚場となるのです。
一本釣りで水揚げされたマグロは、弱る前に血抜き生〆をされ、高い鮮度を保ったまま市場に出回ります。マグロの価値を最大化する漁法と下処理で、黒いダイヤと呼ばれる最高級品に仕上がるのです。
2019年の初セリでは、一匹3億3360万円の「大間まぐろ」が誕生し、話題になりました。 -
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【大間】マグロの解体ショーが見れるかも! 「大間んぞく」
青森県大間町の「大間んぞく」は、2001年、マグロ漁師であった店主が築地市場の初セリで「大間まぐろ」の当時史上最高値を記録したときに食堂を始めることを考えました。
マグロ1本買いだからできる赤身、中トロ、大トロをぜいたくに使った「3色マグロ丼(税込3740円)」のほか、マグロの心臓を焼いたキモ焼き料理も提供しています。
不定期ですが水揚げ時期にはマグロの解体ショーも行われており、地元客をはじめ、多くの観光客の目を楽しませています。【アクセス】
下北交通 佐井線「大間崎」バス停より徒歩で約1分、「潮見町」バス停より徒歩で約4分 -
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超がっつり系青森グルメ!「十和田バラ焼き」
「十和田バラ焼き」が地域ブランドとして確立したのは平成21年と他のグルメと比べて新しいですが、バラ焼きの歴史は戦後初期にまで遡ります。
当時、青森県三沢市で米軍から安く払い下げられた牛の脂身やばら肉、ホルモンに韓国料理の調理法を取り入れて誕生したのがバラ焼きです。牛肉を食べる習慣があまりなかった地元民の間に、牛肉と玉ねぎを秘伝のたれで味付けした料理は広く普及していきました。
このように十和田を冠しているにもかかわらず、実は、バラ焼きは十和田市が発祥ではありません。けれども十和田市が知名度アップを図りB-1グランプリに出展、現在では、「十和田バラ焼き」として全国に名を轟かせています。 -
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【十和田】十和田バラ焼きゼミナールが運営する「司十和田バラ焼き大衆食堂」
現在では、全国ブランドとして確立され、青森県と十和田市の地域活性化に貢献するグルメとなった「十和田バラ焼き」ですが、その立役者が十和田市の市民団体「十和田バラ焼きゼミナール」です。
そんな十和田バラ焼きゼミナールが運営する「司 バラ焼き大衆食堂」は、自分で焼いて食べるスタイルでバラ焼きを提供しています。冬場は、テラスにハウスが建設され、店内には掘り炬燵を設置、寒い青森の冬でもバラ焼を存分に楽しめます。単品もありますが、昼時にはプラス100円で「十和田バラ焼きランチ 1200円」が食べられ、ご飯としてはもちろん、昼飲みのビールにも相性抜群です。
【アクセス】
JR東北新幹線「七戸十和田駅」より車で約20分
南部バス 十和田市線「十丁目」バス停より徒歩で約8分、「一丁目」バス停より徒歩で約9分 -
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自分好みの丼が作れる「のっけ丼」
海や山など自然に囲まれた青森県は、さまざまな食に恵まれています。そんな青森県だからできるのが、「青森魚菜センター」内を歩き回りながら作る「のっけ丼」です。
マグロやホタテなどの魚介類のみならず、肉、惣菜までのっけて食べるこの「のっけ丼」は、食事券の購入からスタートします。温かい丼ぶりご飯をもらったら、市場内にある約30店舗を回り、好きな食材を選んで盛り付けます。青森の食を丼ぶりにのせる「のっけ丼」は、青森の市場の新鮮な海産物を楽しめるご当地グルメです。 -
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【青森】のっけ丼発祥の地「青森魚菜センター」
朝7時から営業する「青森魚菜センター」は、青森のっけ丼の発祥地です。観光の際には早朝の市場をまわり、新鮮な魚介類を朝食として楽しむといったコースも組めます。市場には魚屋、八百屋、惣菜屋などが入り、好みの具材を探すだけでも楽しいものです。
食事券は10枚券(税込1,500円)、もしくは5枚券(税込750円)を案内所で販売しています。ご飯並盛で食事券1枚、大トロマグロは食事券3枚のように具材ごとに食事券を渡し、のっけ丼を完成させましょう。ただし、作ったのっけ丼は、市場のイートインコーナーのみでしか食べられません。
青森のご当地グルメとして知られるようになった「のっけ丼」は、地元客のみならず、観光客にとっても嬉しい一品です。
【アクセス】
JR奥羽本線「青森駅」正面出口より徒歩で約5分 -
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幻のそばといわれる「津軽そば」
江戸時代に誕生したといわれる「津軽そば」は、その製造に時間がかかるため一度は作られなくなったことから、幻のそばとも呼ばれます。しかし、平成9年、老舗日本料理店「野の庵」を中心に結成された「幻の津軽そば研究会」が研究を重ね、再現されました。
現代のように米を存分に食べられる環境にない庶民は、日ごろからそばをよく食べていました。そばだけでは栄養が偏ることから、「津軽そば」はつなぎに大豆をすりつぶした呉汁を使い、タンパク質を取り入れます。そのため、「津軽そば」は他のそばと異なり、コシがなく柔らかい食感に仕上がったのです。
一度は途絶えた幻の「津軽そば」は、現在では見事に復活し、青森のご当地グルメとして全国のそば好きの間でも知られています。 -
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【弘前】津軽そばを復活させた「野の庵」
春には弘前城の桜も楽しめる「野の庵」は、青森の郷土料理と郷土そばを楽しめるお店です。一度は途絶えた郷土そばである「津軽そば」を復活させたことで、その味を目当てに全国から注文が舞い込み、2020年には日本蕎麦保存会主催の「お取り寄せそば大賞」全国第2位を受賞しました。
天ぷらや4品程度のおかずと温かい津軽そばのセットである岩木山コースは税込2550円で、存分に津軽料理を堪能できます。桜の季節には完全予約制になるので、早めの予約がおすすめです。
【アクセス】
JR奥羽本線「弘前駅」より車で約13分、
弘前公園・本丸より徒歩で約3分非日常感に浸るひととき 緑に囲まれた極上空間
更新日:2024/04/25
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ホタテの風味がたまらない「貝焼き 味噌」
津軽地方では津軽湾で獲れる良質なホタテを使って、江戸時代から「貝焼き味噌」が食べられていました。そのおいしさは津軽出身の作家太宰治も著書に記しているほどで、当時は病人や妊婦だけが食せた栄養豊富な特別な料理だったそうです。
ホタテの貝殻を鍋のように使用するのが特徴で、熱せられたホタテの貝殻から染み出た出汁に味噌を溶き、煮立ったところに海藻や魚介類などの具材を入れて卵でとじます。芳醇な磯の香りを醸し出す「貝焼き味噌」を、ぜひ一度食べてみてください。 -
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【弘前】貝焼き味噌が100円‼「居酒屋 津軽衆」
青森弘前の郷土料理を楽しめる「居酒屋 津軽衆」は、「貝焼き味噌」をなんと税込100円で提供しています。地元で獲れる鮮魚などを使った郷土料理や地酒を味わえ、地元客はもちろん、青森ならではの料理を目当てに訪れる観光客も、間違いなくその味を堪能できます。
(「貝焼き味噌」の画像)1981年に炉端焼き店としてスタートし、コロナ禍で一度は営業を断念したものの、現在は初代の甥が2代目を承継、2021年10月に営業を再開させました。
「居酒屋 津軽衆」は、多くの人から愛される、誰もが戻ってきたいと思える居酒屋です。
【アクセス】
JR奥羽本線「弘前駅」より徒歩で約3分 -
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焼きそばなのにつゆ!「黒石つゆ焼きそば」
焼そばといえばスープのないものを思い浮かべがちです。ところが、「黒石つゆ焼きそば」は、ウスターソースで炒めたモチモチの食感の太平麺がスープに浮かんで提供されます。
もとは、昭和30年後半頃に「美満寿(みます)」というお店で、焼きそばに温かいそばつゆをかけたものがはじまりでした。「美満寿(みます)」の閉店でつゆそばの文化も一度は消えましたが、地元住民によって「黒石つゆ焼きそば」として飲食店メニューに復活します。
その後、「B-1グランプリ」に上位入賞を果たし、青森県黒石市のご当地グルメとして認知されました。2019年現在、黒石市内に「黒石つゆ焼きそば」を提供するお店は、約70店舗にまでのぼっています。 -
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【黒石】和食屋の出汁を使ったつゆ焼きそば「蔵よし」
JALの青森PR動画にも採用されるほどの名店「蔵よし」で出されるつゆ焼そばは、和食屋ならではの出汁で、大手コンビニの商品モデルにも選ばれました。
この「蔵よしのつゆ焼そば(税込880円)」は、本鰹をふんだんに使ったスープで仕上げられています。特に、食べているうちに焼きそばソースがスープに溶け出すことで変わる味わいにファンになる方が続出です。なお、この「つゆ焼きそば」と海鮮、茶碗蒸し、お寿司などをセットにしたメニューもあり、ランチだけでなくディナーでも楽しめます。
【アクセス】
弘南鉄道弘南線「黒石駅」より徒歩10分
東北自動車道 黒石ICより約7分 -
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青森といえば「りんご」
青森の農産物といえば、「りんご」です。青森県はりんごの全国生産量の約61%を占める、日本一のりんご王国です(令和2年現在)。
また、りんごの生産量日本一の弘前市は、アップルパイでも知られています。「弘前アップルパイレシピBOOK」というガイドブックが作られ、アップルパイの販売店を紹介するなど、ご当地グルメとしてのPR活動も活発です。
アップルパイは、甘みや酸味、食感など、作り手によって、それぞれ個々の特徴をもちます。リンゴの本場青森県のアップルパイをぜひ一度食べてみてください。 -
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【弘前】大正ロマンあふれるカフェ「大正浪漫喫茶室」
おいしいアップルパイの食べられる人気パティスリーがそろっている青森県弘前市。藤田記念庭園内にある大正ロマン風の建築で人気のカフェ「大正浪漫喫茶室」では、中でも人気のある7店舗のアップルパイが食べられます。
おすすめはアップルパイスペシャルプレート(税込990円)です。お好きなアップルパイとそれによく合うバニラアイス、ベリーソース、クッキーも乗った贅沢なプレートに仕上がっています。
アップルパイのみならず、各種スパゲッティ、焼きリンゴまであるので、大正ロマンに包まれてランチを楽しむというのはいかがでしょうか?
【アクセス】
JR奥羽本線「弘前駅」より車で約8分
弘南バス 土手町循環100円バス「市役所前」バス停から徒歩約3分