香川県仲多度郡(なかたどぐん)にある金刀比羅宮は古くから「こんぴらさん」の呼び名で親しまれています。この場所が全国に広がったのは江戸時代のころで、「こんぴら参り」は一生に一回は行きたい憧れの旅だったそうです。それもそのはず、ここには農業殖産、漁業航海、医薬、技芸など多様な神徳を持つ神様が祭られており、そのため現代でも金刀比羅宮には毎年多くの方が参拝に訪れる四国でも有数の観光スポットです。御本宮まではなんと参道入口から始まる785段(奥社までは1368段)ものの石段を登った先にあるのですがその道中も魅力が満載です!400年前の人々から愛され続ける「こんぴらさん」を紹介します。

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    雰囲気満載、賑やかな商店エリア

    金刀比羅宮周辺には観光地らしくお土産屋さんや商店が立ち並んでいます。石段前のアクセスの拠点、JR琴平駅から参道へ続く道はもちろん、石段を登り始めてからもしばらく道の両サイドには賑やかなお店がたくさん。古き良き雰囲気で陶器やキーホルダーなどを売っているお店からデザイン性の高い現代アートテイストなお店、美味しそうな軽食やジュースなどが買えるお店とバリエーションも豊富です。

    石段のわきには沢山のお店

    石段のわきには沢山のお店

    雰囲気のあるお店

    雰囲気のあるお店

    こんぴらさん参りは参道の往復で同じ道を通るので行でお店をチェックしながら登り、帰りに買い物がおススメです。いくつかのお店には店頭に無料貸し出しの杖がおいてあります。石段や道は比較的広いところが多いのですが長い石段を登る途中は急な場所もあるので借りておくと便利です。嬉しいサービス、さすが長年旅人を迎えてきた場所と感じます。

    杖の無料貸し出し

    杖の無料貸し出し

  • 02

    長い参道には見どころが沢山!

    商店が並ぶエリアを抜けると大きな大門があり、ここをくぐると境内へ入り神域となります。ふもと入口から本宮までの785段中、位置にして365段でちょうど中間くらいの大門は1650年に初代高松藩主の松平頼重が寄進した歴史ある文化財です。その存在感は神域との境らしく、くぐると空気が変わるのを感じます。

    ここをくぐると境内へ

    ここをくぐると境内へ

    大門を入ってすぐに大きな笠を広げたお店を出している人たちがいます。こちらは「五人百姓」というお店で、先祖による御神祭の供養を行っていた功労が称えられて境内で物を売ることを許可されてる特別な5店舗。「加美代飴(かみよあめ)」という砂糖と水飴、柚子油で作られたべっこう飴を売っています。ほのかに柑橘系の味がする加美代飴はとても古い歴史を誇っており、なんと700年も前から販売されてたそうです。金刀比羅宮らしい黄金の飴は珍しい扇型をしていて、1枚だと大きい飴をなんと黄金のハンマーで砕いて食べるというユニークなところも気になるここにしかない一品です!

    五人百姓のお店

    五人百姓のお店

    加美代飴 5枚500円、11枚1,000円、17枚1,500円(税込み)

    加美代飴 5枚500円、11枚1,000円、17枚1,500円(税込み)

    続いて大門から約150mは一旦石段のぼりの中休みのような感じの平面の道が続きます。道の両側に続く玉垣の内側には沢山の桜が植えられていて春は左右からの枝が交わり桜の道としても名所となります。石段は約365段から431段、凛とした雰囲気も心地いいまっすぐに伸びる道を進んでいきます。

    まっすぐに続く桜馬場

    まっすぐに続く桜馬場

    桜馬場の道をしばらく歩いていくと特に大きな青銅の鳥居が現れます。桜馬場西詰銅鳥居という名で元は別の場所にあったものを1912年になんと時の力士が現在の場所に移設したとか。参道の中でも特に広いこの場所には中央に大きなクスノキがあったり、その奥の御厩には神様が乗るための神馬を飼養していたり、日本絵画の開拓者と称される高橋由一の作品を収蔵している高橋由一館があったりと見どころがたくさん!この先にまだ長い石段がつづくので休憩場所としてもおすすめです。そして青銅の鳥居の横にはひときわ目をひく可愛らしい犬の像があります。

    桜馬場西詰銅鳥居

    桜馬場西詰銅鳥居

    こちらの可愛い犬の銅像は「こんぴら狗」。なぜこの場所に犬の銅像かというと理由があります。江戸時代は庶民は旅行を禁止されていた時代でしたが神仏への参拝はその限りではありませんでした。そのため金毘羅宮への参拝は当時の人の人生の一大イベントでした。しかし江戸を中心とした東日本から四国の金毘羅宮への参拝は大変なことなので、当人に代わって旅慣れた人が代理で参拝に行くこともあったそうです。そしてその代理の参拝は人だけではなくなんと犬が「こんぴら参り」と記した袋を首にかけて飼い主の代わりにこの地を訪れることもあったそうです。飼い主を記した木札をたよりに道中は旅人から旅人へと連れられ、現代で言うところのヒッチハイクのような感じで世話をされながらたどり着いたというから驚きです!この銅像にも「金毘羅参り」と「合格祈願」とかかれた札がかかっていていつも沢山のひとが写真をとったりと親しまれています。

    イラストレーター湯村輝彦さんデザインの「こんぴら狗」

    イラストレーター湯村輝彦さんデザインの「こんぴら狗」

  • 03

    さらに石段を登り御本宮へ

    青銅の鳥居をくぐりさらに石段を登ると「表書院」があります。こちらは貴重な美術品や重要文化財の円山応挙(まるやまおうきょ)の障壁画や襖絵を見学することができる和の美術にふれることができる場所です。また5月5日、7月7日には前庭で奉納「蹴鞠(けまり」を行うそうです。教科書でしか見たことがない古来貴族の風景を見ることができるのは貴重な体験です。書院の右奥に御守所と書かれた提灯が。こちらでは各種御守などを購入することができるので立ち寄ってみてください。

    左が表書院、右側奥は御守所

    左が表書院、右側奥は御守所

    金刀比羅宮
    rating

    3.5

    13件の口コミ
    place
    香川県仲多度郡琴平町892-1
    phone
    0877752121
    opening-hour
    参拝は24時間可能[4-9月]6:00-…

    書院を過ぎたあたりから少し石段が急になる箇所が増えてきて、頑張って登っていくと石段の向こうに荘厳な建物が見えてきます。628段目にある「旭社」は完成まで約40年を要したとされ、天保8年につくられた当時の美術の粋を集めた建築物です。高さ18メートルの大きな社殿にの屋根裏には巻雲が、柱間・扉には人物、鳥獣、草花が彫刻されていて国の重要文化財にも指定されています。非常に存在感のある建物なので御本宮かと間違えてしまいそうになる旭社、江戸時代参拝に来た人の中で本当に本宮と間違えて帰ってしまった人がいるという説があるほどです。しかしゴールはあと約100段ほど先、旭社の木陰で一休みして御本宮を目指します。

    荘厳な造りに息をのみます

    荘厳な造りに息をのみます

    旭社からさらに石段が続きついに最後のラストスパート!御本宮前の石段は特に急ですが登る度に社殿がだんだん見えてくるので感動が。これで785段の石段登り達成です!この785段、表参道から「上がる」石段を丁寧に数えていくと実は786段あるんです。参道途中に一段だけ「下がる」ところがあり786-1=785段となっています。一説によると定かではないのですが786を「な・や・む」と読めて語呂が悪いので一段下げたという話もあります。道中下がっている場所を探してみるのも楽しいのでぜひ見つけてみてください。

    ラストの急な石段を登ると御本宮

    ラストの急な石段を登ると御本宮

    御本宮を前にした参拝者の人たちが非常に柔らかい笑顔になっておるのが印象的でした。疲れながら登り切った達成感などの爽やかな感情が広がります。御本宮は大物主神(おおものぬしかみ)と崇徳天皇を祀っていて、海上守護、農業・殖産・医薬など様々なご利益があると伝えられており、頑張った先にある参拝は特に格別の想いがこめられます。そして「登る」ことによって得られるもう一つのご褒美が眼下に広がる絶景!御本宮のすぐそばは展望エリアになっていて特徴的な讃岐富士をはじめ雄大な景色を眺めることができます。疲れも吹き飛ぶ景色に包まれて非常に満足度の高い時間が過ごせます。

    御本宮外観

    御本宮外観

    展望エリアからみられる絶景

    展望エリアからみられる絶景

  • 04

    「こんぴらさん」でしか手に入らないおススメアイテム

    せっかく訪れたならここでしか手に入らないものを!ということで数あるこんぴらさん関連グッズの中から2つご紹介します。まず785段を登り切った人だけが手に入れることができる、御本宮すぐ横で販売している「幸福の黄色いお守り」。非常に鮮やかな黄金は鬱金(うこん)から取れる染料が使われていて、熟練の職人さんの仕事によって絹糸と色味の相性を調整しながら非常にきれいな仕上がりになっています。鬱金は昔から魔除け、災い除けとして使われていてこちらのお守りにも病気や災いから身を守る願いが込められています。

    幸福の黄色いお守り 800円(税込み)

    幸福の黄色いお守り 800円(税込み)

    続いてご紹介するのは「こんぴらさんのこんぺいとう」。こちらは石段500段のところにあるカフェ&レストラン「神椿」のみで購入することができる限定販売品。非常に可愛らしいパッケージの中には職人が昔ながらの伝統を守り14日間もかけて結晶化させた色鮮やかなこんぺいとうが入っています。お土産はもちろん、石段を登って疲れたからだにやさしい甘さはたまりません。境内唯一のカフェ&レストランなので休憩場所にもおすすめです。

    こんぴらさんのこんぺいとう 540円(税込み)

    こんぴらさんのこんぺいとう 540円(税込み)

  • 05

    達成感とご利益を求めて、ぜひ「こんぴらさん」へ

    長くて急なとことろもある石段は登るともちろん疲れるのですが、参道ですれ違う人々がすがすがしい表情で行きかうこんぴらさん。この場所ならではの雰囲気と訪れる人たちが同じように頑張って登っていることに不思議な一体感もあり、参拝のご利益だけではなく人とのつながりも感じることができ流石は古来からの憧れの旅先だと思いました!ぜひこんぴらさんで魅力に浸ってみてください。

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