伊勢神宮の斎宮に選ばれた皇女が身を清めたといわれ、『源氏物語』賢木の巻にも登場する「野宮神社」。縁結びや子宝・安産・芸能上達の神様として、女性を中心に厚い信仰を集めています。今回は、悠久の浪漫を感じられるこちらの古社をご紹介します。
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源氏が六条御息所を訪ねるシーンに登場
源氏物語の第十帖「賢木」の巻で、光源氏が六条御息所を訪ねるシーンで登場する野宮神社。
そこには「黒木の鳥居」という言葉がありますが、これは樹皮が付いたままの原木を用いた日本最古の鳥居形式のこと。現代もその「黒木の鳥居」が使われており、平安の風情を今の世に伝えています。他にも絵馬やお守りなど、源氏物語に因んだデザインが使われており人気を呼んでいます。 -
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飛鳥時代までさかのぼる儀式を今に再現した「斎宮行列」
「野宮神社」では1999年から「斎宮行列」を再現、2016年で18回目となります。任命を受けた斎王が都から伊勢へ向かうこの行列は官人・女官合わせて数百人にも及び、その役柄の多くは一般から公募(有料)されます。主役たる斎王は公募されませんが、現代において煌びやかな衣装を着られる機会でもあります。
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主祭神は野宮大神。正体はよく知られた…
「野宮神社」でお祀りしている主祭神は野宮大神と呼ばれています。実はこの神様は天照大神のことを指していて、伊勢神宮でもお祀りされている神様です。
元がお清めの場所であるからか、本殿は素朴な造りですが神聖な雰囲気。参拝者も絶えず訪れ、賑わいを見せています。 -
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一年以内に願いが叶うといわれる「神石(亀石)」
ご本殿左側には野宮大黒天という神様も祀られています。こちらの神様に御参りした後に、近くにある「神石(亀石)」を撫でてみて下さい。祈りを込めれば、一年以内に願い事が叶うと言われています。長きに渡り信じられ、撫でられ続けてきたせいか、石は艶やかでお力と人気のほどがうかがえます。
撫でるとき、手と一緒に頭もつけるとご利益がアップするんだとか!
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境内にある美しい「苔庭」
平安時代には貴族の別荘地、今では京都の代表的観光地となった嵐山を、苔を用いて表した庭園が境内にあり参拝者の目を楽しませています。
「野宮じゅうたん苔」と呼ばれるように、じゅうたんの様なふんわりとした質感が印象的。それでいて、苔特有の、自然の優しさも感じられる庭園です。周辺の予約制駐車場