嵐山を背景に、四季折々の美しさを見せる「天龍寺」。必見は夢窓疎石作と伝えられる曹源池庭園と、加山又造が描いた八方睨みの「雲龍図」です。今回は新緑、紅葉の時期ともに美しい景色を見せてくれる「天龍寺」をご紹介します。
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天龍寺の歴史
天龍寺は足利尊氏が、後醍醐天皇の冥福を祈るために建立したお寺です。尊氏と後醍醐天皇は、打倒鎌倉幕府のため共に戦いましたが、のちに南朝と北朝に分かれて戦うことになりました。
京都五山の第一位に格付けされ、壮麗な伽藍を誇った「天龍寺」でしたが、その後八回にも渡る大きな火災に見舞われ、何度も焼失を繰り返しました。それでも明治以降に再建された諸堂は広々と美しく、見事という他はありません。 -
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禅の思想を表した見事な「曹源池庭園」
天龍寺開山の夢窓疎石が自ら造り上げたと言われる庭園です。自然美にあふれ、池の向こうにそびえる嵐山を借景とした壮大な光景は創建当時の面影を今に残します。
日本で最初の史跡・特別名勝にも指定されており、秋には池の周辺を彩る鮮やかな紅葉と雄大な山々とのコラボレーションが見る者の心に迫ります。 -
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今にも舞い降りてくるかのような「雲龍図」
法堂の天井には、墨色の龍が天井で睨みをきかせている「雲龍図」があります。これは1997(平成9)年に日本画の巨匠・加山又造が描いたもの。今にも私たちの目の前に舞い降りてきそうな迫力、神々しさに圧倒され、人によっては恐怖を覚えるかもしれません。
普段は土日祝日に公開されていますが、春、夏、秋の特別参拝期間は毎日公開されていて、多くの人で賑わっています。 -
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四季折々の美しさ
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、天龍寺は季節によって実に様々な表情を見せます。ホームページには四季の写真が掲載されているので、訪れる前にチェックしてみるのもいいかもしれません。
また、5月、6月、11月以外の月には様々な催し物が開催されます。2月の天龍寺節分会、4月の潅仏会(花まつり)、8月は嵐山灯篭流しなどなど、ここでは書ききれないほど。
毎月第二日曜日には坐禅会が行われており、初心者でも参加可能な上、予約不要・参加費も無料なので、興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 -
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お越しの際はなるべくバスや電車で!
天龍寺には100台分の駐車場がありますが、紅葉の時期などにはそれも満車になることがあります。なるべくバスや電車などの公共交通機関を利用して訪れましょう。
「天龍寺」は京福電鉄嵐山線では嵐山駅を下車してすぐですので、電車で行けば迷う心配もありません。周辺の予約制駐車場