【静岡】切り立つ岩が迫力満点!南伊豆町の石切り場「カノー伝説」でミステリアス体験

静岡県にある伊豆半島の先端、南伊豆町に冒険心をくすぐるミステリアスな場所があるそうです。それは南伊豆町の奥深くに眠る古い石切り場で、圧倒的なスケールで迫ってくる絶景スポットだとか。太古のロマンを求めて日帰り冒険の旅に出発です!

オーナーさんへ連絡を取って「カノー伝説」の名を持つ里山へ

南伊豆は河津町の峰温泉大噴湯や河津七滝温泉などの温泉地のほか、天城山、下田市の白浜、爪木崎など雄大な自然を楽しめる観光地。訪れた南伊豆町は伊豆半島の最南端にあり、弓なりの美しい海岸線を持つ「弓ヶ浜」が夏場に多くの海水浴客を集めるリゾート地です。

その南伊豆に「カノー伝説」という神秘的な名を持つ里山があります。この里山の一角にあるという石切り場が今回の目的地です。

この里山は私有地なので、石切り場に入るためにはそこを管理しているオーナーさんの許可が必要です。公式ホームページには連絡先の電話とEメールが掲載されているので早速アポイントを取りました(電話での連絡が確実とのこと)♪ 2017年8月現在、石切り場を中心に回るツアーが用意されているそうです。

今回のツアーは車移動が必須だったため、レンタカーで向かうことにしました。

当日、マーガレットラインという名称を持つ県道136号沿いにある道の駅「下賀茂温泉湯の花」を目指します。下田駅からカーナビに「下賀茂温泉湯の花」とセットして、車を走らすこと15分。道の駅の看板が見えたら、敷地内の駐車場へ行きこちらで待ちましょう。

オーナーさんへ連絡を取って「カノー伝説」の名を持つ里山へ
道の駅下賀茂温泉湯の花

ここからガイドさんと合流して、さらに移動。10分程度で、伝説の地の入口に到着です!

入口の看板「ようこそ、カノー伝説へ」!

石切り場までは緑の中をハイキング気分で♪

石切り場のある里山の駐車場からは徒歩で向かいます。伊豆石で作られた石の階段を下り、ロープで張られた小路を歩いていきます。鬱蒼とした林の中の山道なので、足元は滑りやすいです。ハイキングを想定した長袖長ズボンの着用と、スニーカーなどの歩きやすい靴が安心です。

石切り場までは緑の中をハイキング気分で♪
随所に設置された看板

林の中を吹く浜風や柔らかな木漏れ日を肌に感じながら、歩くこと約15分。ついに石切り場の入り口が見えてきました!

石切り場の入口

まるで冒険小説の世界に迷い込んだような空間が目の前に広がります。この石切り場近くでドラマ「精霊の守り人」の撮影が行われたそうです。

途中、ロープを伝わないと登れないような急斜面を登り、ガイドさんオススメの場所を目指し奥へと進みます。

ロープを伝わないと登れない急斜面が出現

圧倒的スケール! 神秘的な光景が目の前に……

大きな岩を乗り越えて、ようやく石切り場の中心へ到着しました。木々に覆われた岩の間にある細い道を進むと、大きな石切り場の内部に辿り着きました。

足を踏み入れて、そのスケール感に言葉を失います。高さにしてビルの3階くらいでしょうか。洞窟のようなものをイメージしていましたが、洞窟というより、ちょっとしたコンサートホールのようです。

圧倒的スケール! 神秘的な光景が目の前に……
石切り場の内部
石切り場中心部のステージのような場所

さらに内部へ進むと階段があり、上がってみるとステージのように石切り場内部を見渡すことができます。

太陽の光が入らない、薄暗い場所には蝋燭の優しい灯りが。石の壁の硬質な感じと蝋燭の明りの温かみが独特な雰囲気を醸し出します。

光と石の作り出す美しい世界

さらに目線を延ばすと、薄暗い石切り場内部に太陽の光が差し込んできます。まるでギリシャの古代神殿のような重厚で神秘的な雰囲気が漂います。

表面の縞模様はノミで削った跡

その昔、石を切り出すのは手作業でした。石切り職人がノミを使い、岩を切り出したノミの跡が岩の表面に縞模様を作っています。

石と光が織り出す美しさ……伊豆の秘宝と呼ぶにふさわしい歴史と自然を味わえる場所です。

伊豆石の産地・伊豆半島から生まれた一つの里山

伊豆石の産地・伊豆半島から生まれた一つの里山
木々に覆われ外部からはわかりにくい石切り場

伊豆半島の南部の大地は海底火山が盛り上がり、その上に火山灰が降り積もって凝縮した凝灰岩で成り立っています。その大地から採掘される「伊豆石」と呼ばれる美しい縞模様の岩は、古くから建築用材として重宝されてきました。

ここで切り出された石は海路を使い、東西へ運ばれました。西は伊勢、東は江戸城の石垣にも伊豆石を確認することができるそうです。

切り出したのに重かったのか放置された伊豆石

ここカノ―伝説の石切り場も伊豆石を切り出した山の一つ。長い年月をかけて、草木が生え、外観上は里山になっています。カノ―伝説のある里山も入江になっており、近くの入江で船に積み、弓ヶ浜から大きな船に乗せ換えられ、江戸城や駿府城へ出荷されていきました。明治に入ると大谷(栃木県)の石切り場で鉄道が整備され始め、関東の石材の主流はそちらに移っていき、昭和に入って役目を終えたようです。

閉山後、その石切り場は人々の記憶から忘れられ、ひっそりと森の奥に佇むのみでしたが、現在のオーナーさんの手に渡り、放置されていた石切り場を時間と手間をかけ、里山として大切に維持されるようになりました。数十年前に人の手で石を掘り出した跡が、まるで古代遺跡のような重厚で神秘的な雰囲気を残しています。

苔むした伊豆石。どこを切り取っても美しい!

その昔、この石切り場の周辺は加納村と呼ばれていました。伊豆半島で石の運搬にも使われた木船がカヌーの語源であるという学説もあることから、この場所を「カノ―伝説」と名付けたそうです。雄大な伊豆の自然の中で、紡がれてきた里山と石切り場の歴史……ロマンを感じずにはいられません!

地のものを使った手料理でホッと一息♪

地のものを使った手料理でホッと一息♪
アドベンチャーの後はあずまやに立ち寄って

里山から石切り場までの散策が終わったら、かわいいあずまやでしばし休憩を。この日は里山で採れたフキなど山菜をふんだんに使用したお手製の佃煮やオーナーの畑で採れた野菜で作ったガスパッチョ、冷たいお茶やジュースが無料でふるまわれました。

伊豆を愛するオーナーからの心づくしのおもてなしにお腹も心も大満足♪

三嶋神社や弓ヶ浜へ足を延ばすことも

三嶋神社や弓ヶ浜へ足を延ばすことも
石切り場周辺の歴史が偲ばれる三嶋神社
三嶋神社の楠の大木

今回の石切り場見学ツアーは、石切り場から三嶋神社を巡るコースでした。
じっくりと石切り山を回り、あずまやで休憩した後は、三嶋神社へ。伊豆石でできた石階段や楠の大木2本が夫婦のように並んで息づいています。樹齢は1000年以上といわれ、¬静岡県指定天然記念物となっています。


ゆっくり回れば石切り場だけで1時間以上かかりますが、時間が許せば今回のようにガイドさんが三嶋神社へも案内をしてくれます。所要時間は2時間程度みておけば、ゆっくりまわれるでしょう。今後は最北端のマングローブや弓ヶ浜のツアーも計画中とのことなので、興味のある方は予約時にお問い合わせを。

南伊豆の大自然に抱かれた、役目を終えた古い石切り場。古代ギリシャの神殿のような重厚な雰囲気に圧倒されました! 伊豆の大地の歴史に思いを馳せながら、石切り場を後にしました。ほかにも青野川のマングローブや弓ヶ浜などにも自然の生み出した美の景観があるそうなので、また訪れたいと思います。

【名称】カノ―伝説
※普段は施錠されているため、入山できません。また、狩猟期間(11月~2月)は入山できないことがあります。必ず事前にお問い合わせください。
料金  2~4名3500円 5名以上2500円
(山道を歩けない幼児は入山不可)
【交通】最寄り駅:伊豆急下田駅
【URL】http://www.kano-densetsu.com/
ツアー参加等の問い合わせはHP記載の電話番号・メールアドレスにご連絡ください。

関連記事

関連スポット

  • dummy image

    カノー伝説

    その他の史跡/建造物
    静岡県賀茂郡南伊豆町奏1600
cntlog