世界のサイクリストからも注目される「しまなみ海道」。でもほとんどの人が「なんか大変そう」「本気ライダーじゃないし…」と、縁のない場所と思っているのでは?実はしまなみ海道こそ、あえてそんな人に走ってほしいオープンなサイクルコース。ここではしまなみビギナーの方、短時間で満喫したい方へゆるゆる楽しめる短めのコースをご紹介します!あなたもこれでしまなみデビュー♪
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尾道からすぐ!“レトロ×イマドキ”が味わえる向島へ
しまなみ海道の楽しみ方は、今治から尾道のルートをひた走るだけではありません。高速道路を結ぶ6つの島々にもたくさんの魅力があるんです!ここでは、尾道をスタート地点として1つ目の島・向島(むかいしま)をめぐって尾道へ戻ってくるコースをご紹介します。
広島県・尾道のすぐ下が向島!
向島の周囲は約20km。尾道と向島は昔ながらの渡船で結ばれていて、ちょっとした船旅気分も味わえるルートを組むことができます。人情溢れる老舗店や、向島きってのおしゃれスポットなどをめぐり、スロウなポタリングを楽しみましょう!
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①「しまなみサイクリングポート」で自転車をレンタル
レンタサイクルの選択肢としては、しまなみ海道沿に13箇所ある公営の「shimanami レンタサイクル」と、ONOMICHI U2という施設内にある「ジャイアントストア」の2つがあります。
ここではよりリーズナブルで初心者向けな公営レンタルをおすすめします。まず尾道駅からすぐの尾道駅前港湾駐車場内にある「shimanami レンタサイクル」で自転車をレンタルしましょう。
※基本的にはその場でレンタルも可能ですが、事前にインターネット予約しておくと確実です。
shimanami レンタサイクルホームページ
http://shimanami-cycle.or.jp/rental/受付で必要事項を記載して料金を支払いましょう。レンタル料金1,000円+保証料金1,000円を合わせて2,000円です。
好きな自転車を選んだら、出発の前にスタッフの方が自転車の点検をしてくれます。ヘルメットなども無料で貸し出されているので、必要に応じてレンタルしましょう。
さぁ、いよいよ出発!!
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②潮風を感じながらちょこっと船旅キブン♪
尾道と向島の間には「尾道水道」と呼ばれる海峡があり、両島をつなぐ唯一の足となっている渡船を利用して上陸します。航路は全部で3つ。どれも頻繁に運行しているのでお好きなものを利用して。
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①駅前渡船・・・尾道(駅前)~向島(富浜)
・乗り場が尾道駅に最も近い
・しまなみ海道サイクリングロード推奨ルートの一つ
・乗船時間は約5分
②尾道渡船・・・尾道(土堂)~向島(兼吉)
・渡船の中でも最古
・乗り場はJR尾道駅からは徒歩約9分
・乗船時間は約4分
③福本渡船・・・尾道(土堂)~向島(小歌島)
・乗り場が尾道商店街に近い
・乗船時間は約3分
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今回はshimanami レンタサイクルを出て30mほどの桟橋沿いにある、「駅前渡船」を利用してみました。「駅前渡船」のりばがこちら。
船が来た!
渡船は地元の人の大切な足になっているため、朝早くから夜遅くまで5~10分間隔で就航。料金は大人110円(100円+自転車10円)ほどです。
自転車ごと乗船したら、船内で料金を支払います。
狭い水路をすいすい~~
あっという間の船旅終了!渡船から降りて、いよいよサイクリングスタートです。かつての繁華街、今では昭和レトロな香りが残る兼吉地区へ向かいましょう。
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③マツコDXも絶賛した昔ながらのラムネ屋さん「後藤鉱泉所」
数々のメディアでも取り上げられているサイクリストのオアシス「後藤鉱泉所」へ。昭和5年創業のラムネ工場で、現在3代目のご夫婦がお店を営んでいます。
後藤鉱泉所のラムネやジュースは昔ながらのレトロなガラス瓶入り。今では生産が中止されてしまい、貴重なもののためお持ち帰りは不可。ここでしか味わえないのでしっかりカメラにおさめましょう♪
お店の看板商品「マルゴサイダー」(150円)はTBS系列「マツコの知らない世界」のサイダー特集でも紹介されたことがあり、マツコDXさんも絶賛したのだとか。すっきりとした甘さがとっても飲みやすい!
涼しげなガラス瓶に気分も盛り上がるっ
お店を訪れたお客さんに気さくに話しかける奥様の勝子さん。ほがらかな笑顔にみんな癒されていきます。訪れた際はぜひお話をしてみて。
本気サイクリストの方も続々とお店を訪れていました。
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④海のすぐそば!トロピカルなムードの「立花食堂」でほっこり島ゴハン
向島の海沿いルートは平坦なのでゆったり潮風を感じながらのんびり走れます。サイクリング推奨ルートである車道に敷かれたブルーラインに沿って走れば迷うこともありません。
ランチタイムは因島大橋を越えたところにある南国気分が味わえるとウワサの「立花食堂」へ。大きなやしの木がお出迎え。
自転車はお庭のサイクルスタンドに止めましょう。
緑に囲まれた中庭にはリクライニングのチェアが並んでいたりとリゾート感たっぷり。お客さんも、思い思いの場所でおしゃべりをしたりと心地良さそうです。
店内は木のぬくもりと光があふれる落ち着いた雰囲気。時間の流れがちょっと遅くるような、そんなゆったり感に包まれています。
植物や木のぬくもりたっぷりの店内
おすすめは、3週間ごとにメニューが変わる「立花食堂の定食」。旬の食材や地元で生産されているものを使って丁寧につくられたお料理。調味料まで手づくりにこだわっていて、一品一品嚙みしめたくなるやさしい味わいです。
器もステキ・・・♡
立花食堂のお隣には、「life:style」という素敵な雑貨屋さんが。国内からセレクトされた暮らしに馴染む器や調理器具、工芸品などのほか、愛媛や尾道で生産されている地のものを取り扱っています。
店内はまるでギャラリーのよう
立花食堂で使われている器やグラスなども販売しています。入荷するとすぐに売れていくほどお客さんにも好評なのだとか。
お店の外にはウッドデッキが設けられていて木陰のもとでのんびり休憩タイム♪無料で入れるレモンを浮かべた足湯もあり、サイクリングで疲れた足を癒してくれます。
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⑤直線、曲線・・・鉄骨美に惚れぼれ♡向島の2大ブリッジ鑑賞
帰り道はのんびりと橋を鑑賞しながら戻るのがおすすめ。因島大橋はその名の通り、向島と因島を結ぶ橋。この橋の特徴は『2層構造』。車道の下の部分に、徒歩や自転車などで通行することがでる道がつくられているんです。
複雑な形の鉄骨は間近で見ると大迫力
もうしばらく進むと、アーチ型の赤い橋が見えてきます。こちらは向島大橋(むかいしまおおはし)といって、向島の左隣にある岩子島(いわしじま)との間に架けられています。因島大橋と比べると規模は小さめですが、岩子島で生産されるかんきつ類などを本土へと輸送するため大きな役割を担ってるそうですよ。
のどかな風景に赤い橋が映えますね~
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⑥創業100年!「住田製パン」でねじパンをおみやげにGET
いよいよ向島の旅も終盤へ。兼吉地区に戻ってきたら、大正5年創業の「住田製パン」でお買い物を♪
開業当初は和菓子屋さんだったそうで、その頃から作り続けているというこし餡を使った「あんぱん」や、たっぷりのお砂糖やきなこをまぶした「ねじパン」が看板商品として愛されています。
そして驚きなのが、17時以降はパンがすべて65円!びっくりしてレジで2度聞きしました(笑)。昔ながらの懐かしいお味
店主の住田初志さんと母・宣子さん。営業中も2人はとても楽しそう。ほんわかした宣子さんに、初志さんの鋭いツッコミが入るというやりとりにもほっこりさせられるのでした。
カメラを向けるとにっこり♪
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⑦渡船に乗って尾道へ戻ろう!
帰りは行きと同じ要領で渡船に乗って尾道に帰ります。兼吉地区からだと、尾道渡船の乗り場が一番近いですよ。尾道に戻ったらレンタサイクルを返却しましょう!
尾道に到着~!
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~向島をめぐってひとこと。~
向島に降り立つと同時に感じる、時が止まったような感覚。ノスタルジックな看板に造船工場、渡船に乗って自転車通学をする中学生たち。しまなみ海道の中にもこんな日常的な風景があるんだな~とちょっぴり新鮮な光景でした。向島の魅力は、そこで暮らす人たちの日常を垣間見れること。ぜひ島の人との交流を楽しみながら、ゆるっとサイクリングを楽しんでみてくださいね♪