人気漫画家・さくらももこさんも大のお気に入り、お忍びで何度も訪れているという岐阜県郡上市の小さな町、郡上八幡。地元の人も観光客も一緒になって踊るりまくる日本一ロングランの盆踊り・「郡上おどり」は町が誇る夏の一大イベント。今回は踊り文化が根づくこの町ならではの体験・景色・スイーツが楽しめるお散歩コースをご紹介!ぷらっと週末の一人旅・女子旅にもおすすめですよ♪
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クール&ホットな岐阜のダンスフロア「郡上八幡」
長良川の上流に位置する岐阜県・郡上八幡。奥美濃の山々から流れ出た川が合流する地点で、街中のいたるところに水路が走りひとたび歩けば爽やかなせせらぎの音が耳に届いてきます。
そんなのどかな日常風景が、夏のある期間だけ熱気溢れるムードに一変!そのわけは、郡上名物「郡上おどり」です。7月中旬から9月上旬までの32夜にわたって続く日本一長い盆踊りで、お盆に行われるクライマックスの「徹夜おどり」は、全国から数万人という踊りファンが町に押し寄せるそう。お囃子と下駄の音が響き渡るの夏の夜が、郡上八幡の夏の風物詩なのです。
今回はそんな郡上おどりにまつわる素敵なお店と美しい水景色をたどる町歩きコースをご紹介します!約400年もの歴史をもつ由緒正しき盆おどり!
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【1】情緒触れる文化財「郡上八幡駅」からスタート
岐阜駅から郡上八幡へは電車で約2時間、または高速バスで約1時間30分ほどで到着。1929(昭和4)年建造された郡上八幡駅舎は、国の登録有形文化財にも指定されています。
しっくいの壁と木製の格子窓が昭和レトロな香りを残します。
駅構内にはちょっとしたカフェスペース、外にはテラス席が用意されていたりと、駅での待ち時間も楽しめるのが嬉しいところ。
●+αよくばりプラン●
岐阜駅からJR高山本線で30分ほどの「美濃太田」駅からは、郡上八幡までをつなぐ『観光列車ながら』が運行中!優雅な雰囲気漂う列車の中で、美しい景色とおいしいランチを満喫しながらの移動はステキなひとときになりそう。(要予約)
>>>観光列車「ながら」郡上八幡駅から、お店が集まる中心地までは歩くと20~30分ほどがかかってしまうので、駅で借りられるレンタサイクルやバスを利用するのがおすすめです。
「駅チャリ」は1000円で17時までレンタルOK!
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【2】<名水スポット①>心なごむフォトジェニックな憩い場「いがわいがわ小径(こみち)」
郡上八幡町旧庁舎記念館の横から始まる用水路「いがわ小径」。家々が連なる並びの裏手にあり、夏になるとスイカを冷やしたり、住民の井戸端会議の場としても親しまれているそう。
まるでゼリーを流しこんだように透き通った水!悠々と泳ぐ鯉の姿がなんとも涼やか。歩いているだけで体感温度が下がる感じがします。
鯉にエサをあげることもできます。食いつきっぷりが若干怖いです。
外人さんもお気に召したご様子。
周辺の予約制駐車場
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【3】踊りのマストアイテム!郡上発産業“シルクスクリーン”でドキドキの手ぬぐい作り体験♡
いがわこみちを抜けた先、爽やかなブルーのサインが目印の「Takara Gallery workroom (タカラギャラリーワークルーム)」へ。郡上市の地場産業であるシルクスクリーン印刷の体験ができると話題のお店です。
Takara Gallery workroom 外観
「シルクスクリーン」は、メッシュを張った枠の上にインクを落として印刷するシンプルな印刷方法。水と空気以外ならなんでも印刷できると言われていて、Tシャツやトートバッグなどのファッションアイテムから、看板、お店の暖簾など街中で見かける多くのものにプリントされています。
店内は本格的な作業台が並んでいてワクワク!
ここで作れるのは、この地ならではのアイテム“手ぬぐい”。郡上八幡名物「郡上おどり」は、暑い夏、踊り手たちの浴衣が汗で濡れるのを防ぐため衿元に手ぬぐいをかけるのが慣わしなんだとか。
店主の上村真帆さんは、「ここで作った手ぬぐいを持って、また郡上八幡を訪れてほしい」と話します。ポップな色味がかわいい手ぬぐい。他にトートバッグも作れます◎
まずはベースとなる手ぬぐいの色を5色からセレクト。そこに季節ごとに変わるオリジナルの絵柄を2~3種類ほど、色も選んでのせていきます。これはセンスが問われるやつ(笑)。どれもかわいくてアレもいい~!コレもいい~!と迷うのも楽しい時間です。
郡上の地ならではの“踊り下駄”や“川のせせらぎ”をイメージした絵柄も。
絵柄が決まって、いよいよ印刷体験!結構な分量のインクに驚きつつ・・・
緊張しながら「スキージ」と呼ばれる道具で上から下まで一気にす――っ。トントン(←インクを切る音)。恐る恐るでしたが、スタッフさんが優しくレクチャーしてくださるので安心♪
枠をはずしてみると、、、う、美しい・・・!!にじみも全くなく、下駄の鼻緒の細かい柄までしっかり出ています。
パキっとした色味を選ぶと写真映えが抜群♪
ワンポイントで平仮名やアルファベットの一文字を入れることができるそうで、「Plat(ぷらっと)」の頭文字を入れてみました。
ちょっぴり控えめな「ぷ」
美容院で使われている業務用ドライヤーで一気にぶお~~っと乾燥。色柄選びから完成まで約30分ほどで完成しました。(体験時間は人数によって変動あり)
世界にひとつのMade in 郡上手ぬぐい♡
店内では、シルクスクリーンで印刷されたかわいらしい柄のうちわやステーショナリー、こども用甚平なども販売。大学でグラフィックデザインを専攻していた上村さんが描くイラストや色使いは、どれもセンス抜群で気分が上がります!
シルクスクリーン体験は予約制。訪問日が決まったら、原則前日までに電話で事前予約をしておきましょう。 予約状況や価格については下記ホームページをご覧くださいね。
>>>Takara Gallery workroom笑顔がステキな店主の上村さん&看板犬のワトソン君
周辺の予約制駐車場
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【4】<名水スポット②>8万個の玉石が織りなす清涼プロムナード「やなか水のこみち」
繁華街の新町から、角を曲がった所にある一本の小道。左右には大きな家屋敷が建ち並び、風情たっぷりの「やなか水のこみち」です。道自体はとても短いながら、揺れる柳の緑の美しさに足を止めずにはいられません。
ここに敷き詰められた玉石はなんと、郡上八幡の町名にちなんで全部で8万個あるのだとか!歩道には石で模様が描かれており、職人技に感動!
水桶の中はひんやり冷たくて気持ちいい~♪少しのにごりもない透明感!流しそうめんしたくなる。(笑)
周辺の予約制駐車場
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【5】郡上の“音”が生まれる場所。ひとりの職人がつくる本格&キュートな下駄に注目!
郡上八幡を語る上で欠かせない郡上おどり。そしてその踊りに欠かせないアイテムが手ぬぐいともうひとつ、踊り下駄です。郡上八幡に2014年オープンした「郡上木履(ぐじょうもくり)」は、そんな踊り下駄を企画・製造・販売までを一貫して行うブランド。
郡上木履 外観
店内で黙々と下駄を作るのは、愛知県から移住した諸橋有斗さん。店内の一角で真剣な顔で下駄と向き合いながらも、お店を訪れた小学生に優しく話しかける姿が印象的です。
木のぬくもりたっぷりな店内にはカラフルな下駄が並ぶ。
岐阜県美濃市で木工を学んでいた時に郡上おどりと出会い、町でこんなにも履かれている下駄が地元で生産されていないことに衝撃を受けた諸橋さん。豊かな森林に恵まれた郡上の文化を守りたいと、郡上の木材を使って下駄づくりを始めたのがきっかけだそうです。
2歳半から履ける子どもサイズも。
郡上木履の下駄には「踊る」ための様々な工夫がつまっています。通常下駄にはキリやスギなどの軽い素材が使われますが、地面を蹴ったときの“音”にこだわり、比重の重いヒノキを使用。また、徹夜踊りに耐えれるよう一つのブロックから削りだす「一体型」であったり、踊り姿が美しく見える高さにこだわっていたりと、まさに計算し尽くされた一足なのです。
「郡上おどり」の期間は、お店を夜まで開けて下駄の調整に夜通し対応するそう。
全30種類ほどあるバリエーション豊かな鼻緒も郡上木履の魅力。郡上発祥のシルクスクリーンで印刷したオリジナルのポップな柄をはじめ、「Takara Gallery workroom 」とコラボした手ぬぐい鼻緒、郡上伝統の染色技法で染められたものなど、どれも手仕事が生んだぬくもりあふれる鼻緒が揃っています。
心も躍る色使い♡
踊りの時に履くだけではもったいないほどかわいらしい、郡上木履の踊り下駄。店内にカランコロンと響き渡る心地よい音に、郡上踊りへの期待が高まること間違いなしです!
※2017年の営業は4月15日~9月までの予定です。
>>>郡上木履周辺の予約制駐車場
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【6】<名水スポット③>郡上八幡のシンボル・名水百選第1号「宗祇水」
日本名水百選の第1号に選ばれた湧き水「宗祇水」は、水の町・郡上八幡を代表する観光スポット。宗祇水の文字が書かれた提灯が下がる門構えを抜けて石畳の坂を下っていくと・・・
少し階段を下ったところに小さなお社を発見。その下には美しい水が今も湧き続けています。宗祇水は、地域の人が飲料水・生活用水として使っている大切なお水。触れる際は十分注意してくださいね。
宗祇水そばの水路から見える朱塗りの清水橋。すぐそばに川の流れが感じられて、気持ちいい~!
川そばに近づくときは注意!
周辺の予約制駐車場
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【7】甘い夢のような夏夜に想いを馳せて♡和カフェ「宗祇庵(そうぎあん)」
2017年4月、宗祇水のすぐ上に和カフェがオープンしました。その名も「宗祇庵」。オーナーの倉内達也さんはもとは名古屋出身。郡上踊りの大ファンで毎年踊りに訪れていた時、町内のイベントで偶然出会った北原美奏さんと共にお店を立ち上げました。
郡上おどりが結んだご縁・・・・ステキ♡
階段を上がった先には爽やかな畳の香りが心地よい、広々とした和室が。大きな窓からはお店の真下を流れる吉田川の音が聞こえてきて、なんとも清々しい空間です。
店内に響き渡るボーーンという鐘の音。正体は、和室の間に一部屋だけ洋風にしつらえられたお部屋のレトロな壁掛け時計。古き良き昭和時代にタイムスリップしたような気持ちにさせてくれます。
宗祇庵でぜひ注文したいのが、こちらのフォトジェニックな「宗祇庵パフェ」。表面には郡上踊りのひとつ「かわさき」を踊る浴衣姿の女性が抹茶パウダーで繊細に描かれていて、食べてしまうのがもったいないくらいかわいいんです!
宗祇庵パフェ 1000円(税込)
美しいフォルムのグラスの中は、濃厚な生クリーム、もちもち白玉、あんこ、抹茶アイス、サクサク玄米パフ、抹茶プリン、ほうじ茶ゼリーと驚くほど盛りだくさん!クリーム以外は甘さが控えめで、抹茶の風味が引き立てられています。一口ごとに味、食感が変わり、思わず目を閉じてうっとりしてしまうおいしさ♡
月明かりを手で隠しながらお城を仰ぎ見るポーズなんだとか。
宗祇庵には、他にもかき氷やアイス最中など、工夫が凝らされた甘味メニューがいっぱい。お抹茶もおいしくておすすめです。涼やかな川の音を聴きながら、まだ見ぬ夏の夜を思い描いてみませんか。
>>>宗祇庵facebook- お抹茶処 宗祇庵
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- 岐阜県郡上市八幡町本町862-10
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- 0575-67-9201
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何度も“帰りたくなる”町
「岐阜の小京都」とも呼ばれている郡上八幡。でも実際に町を歩いていると、小京都という枠にはおさまらない、“郡上八幡たる”魅力に気づくはず。
地元客と同じように旅人に声をかける店の主人。ふらっと下駄を作りにやって来る小学生。知らない町とは思えない、どこか懐かしくてほっとする風景が郡上八幡には溢れているのです。
都会にちょっと疲れたな・・・と感じたとき、ふと思い出す。あなたの記憶に残る“音”やあの人の“顔”に出会う旅へ出かけませんか? -
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●「郡上おどり」ちょこっとメモ●
夏以外は郡上おどりが見れないの?そんな声に応えてくれるのが街中に建つ「郡上八幡博覧館」。館内では、1日4回(約15分間)郡上おどりの実演を行っており、本場の踊りを間近で見て体験することができちゃうんです。踊れば虜♡きっと夏の郡上踊りに参加してみたくなりますよ♪
周辺の予約制駐車場