最高気温40.9℃を記録したこともある日本で一番アツい街、岐阜県多治見市。でもそんなイメージをくつがえす、涼しげでオシャレなスポットがあると聞いてやってきたのは、不思議な外観がインパクト大の「モザイクタイルミュージアム」。入館料300円というまさかの破格で味わえる、フォトジェニックでアートなタイルワールドへいざ♪
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多治見駅からバスで約20分!
今回はバスを使ってミュージアムへ。JR多治見駅南口を出て2番バス乗り場へ。東鉄バス笠原線『東草口行き』『曽木中切行き』または『モザイクタイルミュージアム行き』に乗車しましょう。だいたい1時間に1本程度のペース。所要時間は約17分、「モザイクタイルミュージアム」で下車したらすぐです!
JR多治見駅南口・2番バス乗り場
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街中にそびえたつじゃがいも・・・?
バス停を下りるとすぐに見える、この不思議な形。すり鉢上に傾斜した地面に立つ姿は、まるで土の中から掘り出されたじゃがいものよう。
ジブリの世界を彷彿とさせる世界観
実はこの外観はタイルの原料が採れる「粘土山」をイメージしてるのだそう。確かに建物のてっぺんには小さな木がたくさん生えていて、山をケーキのようにカットしたみたい。
中が見えないのがまた好奇心をくすぐります!
くねくねした道を進んでいくと見えてくる外壁。見上げると壁一面にカラフルなお花柄?いや・・・なにか埋まっている!
カラフルなタイルの破片、ほかにもお茶碗の破片を発見!
あとで聞いたのですが、このミュージアムが建つ笠原町ではかつて茶碗づくりが盛んだったそう。地層の下の方には茶碗が埋もれている、というイメージからこういったデザインになったそうですよ。茶碗の色味や形を生かしたお花模様がかわいい♡
多治見は土に恵まれ、古くから陶磁器づくりが盛んな地域。全国的にも有名な「美濃焼」の生産地で、毎年陶器まつりも行われています。タイルも原料は同じ土。この地でタイル産業が発展することは約束されていたのかもしれません。
独創的な外観に驚かされましたが、さっそく館内へ入ってみたいと思います!入口もメルヘンを極めています!
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そもそもモザイクタイルって?
モザイクタイルは、表面積が50平方センチメートル以下の小型の磁器でできたタイルのこと。一般的なサイズは45ミリ角タイプで、洗面所やキッチンなどで多く使用されています。
ミュージアムが建つのは、施釉磁器モザイクタイル発祥の地にして全国一の生産量を誇る多治見市笠原町。町の建造物に使われていたタイルが、建物の解体と同時に廃棄されてしまうことに心を痛めた地元有志がその都度譲り受け、長年保存してきた貴重なタイルを展示しています。 -
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ひんやりドリーミーなタイルワールド♡
今回ご案内頂いたのは、学芸員の村山さん。タイルミュージアムへ来たらまずは4階へ一気にあがるのがおすすめとのこと。陶磁器を作る際に入れる“登り窯”をイメージしたという階段をゆっくりと登っていきます。
洞窟のように薄暗い先に明かりが!
4階に到着。どんな世界が待っているのか!
ま、まぶしい・・・!展示室に足を踏み入れた瞬間、暗かった場所から一気にひらけた場所へ放り出される快感たるや。目に飛び込むのは床から天井まで真っ白のタイル空間。そしてカラフルなモザイクアートたち。
こんなにタイルに囲まれたことってないかも。
あまりにキレイすぎて、、、しばらくぽかーん。
声を出すと反響するほどの大空間。ちょっと銭湯っぽい。
ここに置かれている展示物のほとんどは、町の有志の方々が20年近くにわたって集めてきた貴重なコレクションで、実際に街や家庭で使われていたものだそう。キズや汚れもなんだか味に見えてきます。思い出がいっぱつまった品々なんですね。
洗い場コーナー。パステルカラーがかわいい・・・♡
愛らしいデザインの中にも光る職人ワザ!
壁にもタイルアートがずらり。かつて浴槽の中で泳いでいた鯉のタイルも。
陶器の便器。こんな立派なところに・・・緊張しそう。
タイルを眺めているとなぜでしょう。ふつふつと沸きあがってくる“さわりたい”衝動(笑)。つるつるしたものに人間って弱い気がします。4階の展示物は実際に触れてもOK。思う存分つるつるしちゃいましょう。
ひんやり気持ちいい~
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圧巻のタイルアートに注目!
4階展示室のシンボルでもある「タイルのカーテン」。上を見上げるとダイレクトに空。なんとこの作品の真上だけは天井がないんです!でもタイルは水にも強いので雨の日も大丈夫なんだそうですよ。
キラキラと光を受けて幻想的!
この作品はミュージアムの開館に合わせて、建築家・藤森照信氏がデザインしたもの。一般的に何かにくっつくことで成立するタイルですが、タイルそのものが持つ個性や美しさを表現しているそうです。
ワイヤーにタイルを取り付けていく作業は地元住民の方も参加。自分が携われた作品が街のミュージアムに展示されているなんて誇らしいですね。ざっと数えたら約7000枚でした!(by村山さん)
この日は少し雨が降っていたんですが、タイルに雨粒がついていてそれもまたステキ。
もうひとつ、フロアの中央にある大木のようなオブジェ。これも藤森照信氏が細部までこだわった作品。よく見てみると全て竹の形をしたタイルでできているんです。
遠くから見ると黒いのですが、近くで見ると鮮やかなブルーやグリーンなども組み合わされていました。建築家の藤森さんがその場で色のバランスを見つつ、タイルをカットしながら配置を決めていったそうです。
つるつる・・・これもさわる(笑)
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タイルヒストリーに触れて。
館内の3階には、幕末に始まり今日までのタイル産業の歩みを記した年表や製造機械、外国に輸出をしていたときの色見本帳など貴重な資料が展示されています。
タイルの原料の粘土、製造機械
モザイクタイルの先駆者といわれる山内逸三(やまうちいつぞう)さんと気軽に写真が撮れちゃうコーナーもあります。
あえてのこのポーズセレクト、親しげでなんかうれしい。(笑)
これは実際に使われていたタイルの見本帳。左と右で模様が違いますが、これは組み合わせのトリック!使っているタイルの形は全く一緒なんですって。誰がひらめいたかはわかりませんが、組み合わせ次第で変幻自在のタイル。奥が深いです。
誰もがデザイナーになれるのがタイルのおもしろさなのかも。
2階には、タイルメーカーさんイチオシの最新タイルの展示コーナーが。
パネルごとに番号がふられ、カウンターでその番号を伝えるとメーカーや価格の案内をしてくれるそう。リノベーションやDIYでも注目されるタイル材。タイル産地の最新トレンドをここでチェックしちゃいましょう!
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魅惑のタイルつめ放題に夢中♡
1階のミュージアムショップでおすすめなのが、500円(税抜)でできるタイルつめ放題!紙コップいっぱいにかわいいタイルがお持ち帰りできちゃいます。
カラフルなモザイクタイルだけでも迷ってしまうのに、変わった色や形の昭和レトロなタイルもつめ放題対象。
紙コップ片手に真剣に悩んでしまう。。。
もちろんタイル詰め放題だけでも楽しいのですが、一緒に販売されているコースターやトレイのキットを使って作品を作ってみるのもおすすめ!
他にもかわいいタイルグッズやタイル関連の書籍が揃っていてお土産にもGOOD♪たまねぎ型のランタンタイルやタイル製アクセサリーも。
タイル製のシンクも販売してました!
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ワンコインでお手軽タイルアート体験!
ミュージアムの1階にはタイルアートが体験できる工房が。1回につき500円。所要時間30分程度で気軽にお持ち帰りできるタイルアートが楽しめます。
日替わりで写真立てやハンガー、ミニ黒板などのアイテムにタイルデコを楽しむことができるんです。「センスが問われるやつ・・・」と弱腰の方も、ぜひチャレンジを。タイルアートに正解はありません♪
工房の中には種類ごとに袋に入れられたタイルが。気に入ったものが使い放題でテンションもあがりますね!
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コスパ最高♡思いきり楽しんでも1000円ちょっと!
こんなに楽しめて、タイルミュージアムの観覧料はたったの300円!体験工房で500円、多治見駅とのバス往復運賃400円を足しても1000円ちょっとで十分楽しめちゃうんです。もはや行かない理由がありません!
日常過ごしていて何気なく目にしているタイル。でもタイルミュージアムに行ってからというもの、そんなタイルたちを街中で見つけると愛でたくなる感覚が芽生えました(笑)。単調な景色もタイルひとつでリズムが生まれる。懐かしくて新しいタイルの魅力をぜひ発見してみてください!
周辺の予約制駐車場
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【周辺カフェ情報】可愛すぎるタイルスポットに注目!
ミュージアムで楽しんだ後は、すぐ前にある赤レンガの建物・笠原中央公民館の1階、「カフェ ド ソレイユ」へ。こちら、2017年5月にオープンしたばかりですが、店内が「インスタ映えする♡」とすでに話題のお店なんです。
ここが公民館です。
店内に入ると、タイルミュージアムでの余韻をさらに盛り上げてくれるようなカラフルなタイル空間が!床や壁、天井まで全てタイル貼りなんです♡
かわいい~
それぞれ柄が違うのに、オシャレに決まるのはタイルならではの組み合わせの妙。カラフルなインテリアともあいまって、まるで異国の地にトリップしてきたような気分も味わえます!
写真が苦手な人も大丈夫。どこを切り取ってもフォトジェニックです。
店内では、サンドイッチ、ハンドメイドのケーキや焼き菓子などの軽食が楽しめます。テイクアウトもOK!
ほわほわのほうじ茶シフォン、おいしかったなぁ~
この日は、ランチにパンプキンサンドイッチ(税込450円)を注文。ハニーマスタードがきいたほくほくのかぼちゃサラダと、ふんわりしっとりクロワッサンの食感がとってもおいしかったです。
テーブルにもタイル。
床のお花タイルの中にひとつだけ花びらが欠けているタイルがあるとかないとか。逆・四葉のクローバー的発想!見つけたらシアワセになれちゃうかも?!
タイルミュージアムにお越しの際は、ぜひ「カフェ ド ソレイユ」でもタイルの世界を満喫してくださいね♪周辺の予約制駐車場