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【酒蔵】山に囲まれた岐阜県飛騨市古川で醸す「渡辺酒造店」の酒

岐阜県の最北部に位置する飛騨市古川。あまり観光地化されてはいないが、北アルプス連峰や飛騨山脈などの雄大な山々に囲まれた盆地にあって、落ちついた雰囲気の情緒ある町だ。最近では、某有名アニメ映画のモデルの地にもなり、聖地巡礼に訪れるファンも多いらしい。パワースポットで有名な気多若宮神社もあり、寺社巡りも楽しめる。昔ながらの商家が並ぶ趣ある町並みに、岐阜県で最も多く飲まれているという酒を醸す「渡辺酒造店」がある。

【酒蔵】山に囲まれた岐阜県飛騨市古川で醸す「渡辺酒造店」の酒
  • 明治3年創業の飛騨を代表する酒蔵

    渡邉家の歴史は、享保17年にはじまる。「荒城屋」として、両替業や生糸の製造をしていたが、5代目の久右衛門章から酒造りをはじめた。その酒が美味しいと評判になり、数々の品評会で上位入賞。飛騨を代表する美酒として高い評価を受けてきた。今も生産量の8割が飛騨地方で消費されているほど、地元で愛される酒のひとつだ。渡邉酒造店が目指すのは、「米のいのちを生かすよう、真っ直ぐに醸す、心や人間性の酒造り」。現在も9代目に渡って美酒を醸し続けている。

  • 標高600m寒冷地ならではの酒造り

    飛騨は、乗鞍岳や穂高岳、白山連峰に囲まれた標高600mの高地にある。冬は、氷点下15度と極寒冷地なうえ、蔵が埋まるほどの豪雪に見舞われる。この寒冷な気候を生かして、長期にわたり低温発酵することで、きめ細かな香りのよい酒が醸されるのだ。

    また、古川は、宮川水系と荒城皮水系がぶつかる場所にあり、水もたいへん豊富な地域。市街地にはキレイな用水路が流れ、水の中で鯉が泳いでいることでも有名だ。水質は、ミネラル豊富な中硬水。キレのいい酒造りに適した水なのだ。

    渡邉酒造店では、13人の蔵人がチームで酒造りにあたる。全員が杜氏になれるほどの技術をもつほど酒造りに精通している。古い木の道具を使い、手触りや香りを大事に、1本1本ていねいな造りを心がけている。中には、アメリカ合衆国のユタ州出身の蔵人もいる。日本人の女性と結婚したことをきっかけに飛騨に移り住み、日本酒の魅力に惹かれ、蔵人となったというユニークなキャリアをもつ。米国人初の蔵人として海外への情報発信も積極的に行っている。

  • 渡邉酒造店のユニークな銘柄

    渡邉酒造店では、主要銘柄である「蓬莱」以外でも、さまざまな多彩な日本酒を造っている。そのひとつが、日本酒業界のロマネ・コンティ誕生とも言われる「色おとこ」。、現役のナンバーワンホストから、依頼を受けて造った、女性を酔わせるための最高にキレイな日本酒。ホストクラブ御用達の限定酒だそう。ほかにも「ロメロ・スペシャル」「超ドS」など、ネーミングのおもしろいお酒も多く、パーティやシャレの分かる友人にプレゼントするのもおもしろいだろう。

    面白いだけではなく、品質がしっかりしているのも特徴だ。受賞日本一の地酒「蔵元の隠し酒 番外品」は、辛口なのにお米の甘みと旨味がほんのりとのった芳醇なお酒。品評会に出品する最高の貯蔵管理方法で蔵出ししているのだとか。技術の粋を極めたこだわりの酒を、ぜひ一度味わっていただきたい。

  • NHK連続ドラマの舞台となった酒蔵を見学

    渡邉酒造店の酒蔵は、国登録有形文化財にも登録された価値のある建造物。NHK連続ドラマ「さくら」の舞台になったことでも有名だ。電話かインターネットで5日前までに予約をすれば、酒蔵見学もできる。所要時間は20〜30分。見学後は、渡邉酒造店が醸す「蓬莱」も試飲できる。現役の蔵人に、古式手造りの現場をじっくりと案内してもらえるのでおすすめだ。店内では渡辺酒造店で造るお酒が買えるスペースもある。

  • 「蕪水亭おはこ」で手打蕎麦と日本酒を

    渡邉酒造店の酒を食事と一緒に楽しむなら、蔵の向かいにあるレトロな雰囲気の古民家「蕪水亭おはこ(https://tabelog.com/gifu/A2104/A210402/21014570/)」がおすすめだ。飛騨産のそば粉でつくる手打ちそばや天ぷらなどのそば前を食べつつ、徳利を傾けたい。情緒ある町並みの中、粋な雰囲気を楽しめるだろう。

  • 「後藤酒店」では飛騨産の酒が勢揃い

    飛騨にある12蔵のお酒がすべて揃う「後藤酒店(http://www.hida-jizake.com/)」。もちろん、渡邉酒造店のお酒も例外ではない。蔵元のすぐ前にお店があり、全ラインナップが揃う貴重なお店。ほかにも地ビールやリキュール、お菓子など、お土産にも事欠かない。試飲もできるので、ぜひ立ち寄ってみては。

  • 山々に囲まれた隠れ家的な宿で

    飛騨古川の渡邉酒造店を訪れたら、おすすめの宿が2つある。ひとつめは、明治3年創業、古川の迎賓館として食文化やおもてなしの歴史を育む「蕪水亭(https://busuitei.co.jp/)」。なんといっても、地元の食材や薬草で作る料理が絶品だ。野趣あふれる庭園露天風呂のついた「八ッ三館(https://www.823kan.com/)」もおすすめだ。酒粕を入れた釜風呂やエステも充実しているので、特に女性には喜ばれそう。旅の疲れをお湯とお酒、美味しい料理で癒やせば、明日への活力になりそうだ。

    渡辺酒造店
    住所
    岐阜県飛騨市古川町壱之町7-7
    電話番号
    0577730012
    備考
    【URL】http://www.sake-hourai.co.jp/index.html
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友田晶子
ライターのプロフィール画像
NAVITIME TRAVEL EDITOR
ソムリエ、トータル飲料コンサルタント。12000人のネットワークを持つ国内最大級の女性によるお酒の愛好家団体「一般社団法人 日本のSAKEとWINEを愛する女性の会(通所:SAKE女の会)代表理事。「ツゥになる!日本酒の教本」などお酒の著書も多数。

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