
「自分はこれでいい」「やればできる」といった「自分を信じるこころ(=自己肯定力)」は、子どもの生きる力につながります。自己肯定力を育むには、「できた!」という成功体験を子ども自身が感じることが需要で、ちょっと工夫することで、旅はその絶好の機会となります。
日常では、できて当たり前の連続で、「やらない」「できない」ことに目がいき、子どもを褒めるのが難しいと感じませんか?旅は「時間」と「場所」が区切られるため、小さな目標が立てやすく、親も褒めるタイミングがわかりやすいのです。
出発前、あるいは旅行中に、小さな目標(約束事)を子どもと一緒に決め、できたら褒めましょう。ひとつひとつは小さな成功体験でも、その積み重ねが子どもの自己肯定感となり、「やればできる」「できると楽しい」という流れは、自ら動く積極性へとつながります。
実践例も参考に、お子さんの年齢や志向を考え、家族で取り組んでみましょう。
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方法①小さなお子さんは、社会のマナーやルールから
未就学のお子さんなら、社会のルールやマナー、自分のことは自分でするという基本的な生活習慣を身につけることを目標にするといいでしょう。例えば「公共の場や乗り物では静かにする」「挨拶を大きな声でする」「自分の荷物は持つ」などです。
この時「乗換えの駅まで30分間かかるから、車内では、絵本を読んで静かにしようね」といった具合に、「いつ、どこで、どうするか」を具体的に子どもと確認すると、行動しやすく、親も褒めるタイミングがわかりやすくなります。「宿の人が『いらっしゃいませ』って言ったら元気に挨拶できるかな?」「なんて挨拶するのがいいかな?(こんにちは?こんばんは?)」といった具合に、会話を通じて気軽にチャレンジをみてみましょう。
親だけではなく、旅先では初めて会った方に「偉いね」と褒められることも。そんな体験も子どもにとっては貴重な機会となります。新幹線で遊ぶものはリュックに入れて、いざ出発!(東京駅にて)
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方法②小学生になったら役割で責任感や達成感を
大人がそうであるように、子どもだって頼られると「うれしい」「がんばろう」と思うもの。お子さんの年齢や興味に応じて、旅仲間として、役割を任せましょう。例えば、「旅先までのアクセスを調べる」「美術館など施設では、家族の希望を聞いて回り方を考える」などもいいでしょう。
大事なのは、取り組んだことを認め出来たら褒めること。責任感や達成感を体感し成功体験となります。うまくいかない場合も、どうしたらよかったかを子ども自身が導き出せるようにサポートも忘れずに。世界の名画が、等身大の陶板で再現された大塚国際美術館。どうやって回るか作戦会議
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方法③学習に直結する目標もOK
小学生になると、学校で様々なことを習います。お子さんが興味を持ったものはもちろん、苦手なものや想像がしにくい分野も、体感することで理解が深まります。
「歴史の舞台を訪れる」「平和について考える」などをテーマに、教科書に載っていた場所へ行き体感するのもいいでしょう。自然観察や空気のきれいなところでは空を見上げ、星座を見つけるのもおすすめです。平和学習は、ボランティアガイドの方に親も一緒に学ぶのがおすすめ(広島)