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冬の風物詩・津軽鉄道「ストーブ列車」に炙りスルメと日本酒片手に乗ってみた

雪がたくさん積もる雪国。その土地独特の風習があり、それを体験するのも旅の醍醐味です。なかでも、津軽鉄道が冬に運行する「ストーブ列車」は、一度は乗っておきたい名物列車。だるまストーブで暖を取る、昭和の面影あふれるストーブ列車に乗ってみました。

冬の風物詩・津軽鉄道「ストーブ列車」に炙りスルメと日本酒片手に乗ってみた
  • 雪国を走る素朴なローカル線「津軽鉄道」

    津軽鉄道は、青森県の津軽五所川原(五所川原市)と津軽中里(中泊町)を結ぶ小さなローカル線。沿線には、五所川原の立佞武多、太宰治の生家「斜陽館」、桜の名所芦野公園など、魅力ある観光ポイントもたくさんあります。

    なんといっても青森県津軽地方は、雪がたくさん積もる豪雪地帯としても有名。吹雪になることも多い中、列車はゴトゴトと実直に進んでいきます。都内に住んでいる筆者は、雪景色をみるだけでも、十分観光した気分になるものです。

    厳しい冬の寒さを乗り切るために運行されているのがストーブ列車。その歴史は深く、昭和5年から走っているんだそう。ストーブ列車に乗るには乗車券のほかに「ストーブ列車券」(400円)が必要です。

  • いざストーブ列車へ! なぜかスルメ臭が立ち込める車内…

    津軽五所川原駅でストーブ列車にいざ乗車。今となっては珍しい木製の車両。木のぬくもりにあふれ、歩くたびにキシキシと音が鳴ります。中入ると、おや、クンクン、なぜかスルメのにおいが立ち込めます。この匂いの正体は後ほど明らかに……。

    そして、ストーブを発見!

    昔懐かしいだるまストーブが、1両に2台設置されています。スタッフの方が燃料の石炭をくべて、温度を調節します。とっても暖かい! ストーブの前の席は、体が熱いくらいです。

    出発時刻。ゴトン、ゴトン、という鈍い音を立てて出発。のんびりした旅が始まります。外はどこまでも続く真っ白な雪景色。津軽地方は本当に雪が多いんですね。都会では見られない、非常に幻想的な風景です。

    見どころや名所は、その都度アナウンスでお知らせ。アテンダントの方のやさしい津軽弁にほっこりします。地元の人と触れ合いも、旅の醍醐味ですよね。

  • その場でスルメを炙ってくれるサービスに歓喜!

    列車が出発してほどなくすると、車内販売が来ました。なんとワゴンには日本酒とスルメが載っています! どうやらスルメを、ストーブの上で炙ってくれるようです。車内に立ち込めるにおいの正体はこれだったんですね。お酒好きのオトナにはうれしすぎるサービスです!

    筆者も、スルメ(500円)と日本酒(350円)をさっそく筆者も購入。アテンダントの方が、一席一席回ってスルメを網の上で焼いてくれます。そのたびに車内に香ばしいにおいがプ~ンと立ち込めます。

    自分のスルメがストーブで炙られているときは、とってもワクワクします。おいしそう~。待ちきれません!

    そして、来ました。カップに日本酒を入れて、カンパーイ! 炙られたスルメを肴に、日本酒をきゅーっといきましょう。外は吹雪でも、体の芯から温まる、至福のほろ酔いタイムです。スルメとお酒で雪見酒。なんとも忘れられない味になりました。

    お酒も入り、徐々に賑わってくる車内。この風景は昭和の時代から変わってないのかもしれませんね。

  • 終着駅・津軽中里は「本州最北の民鉄」

    途中の金木駅は文豪・太宰治のふるさと。生家の「斜陽館」(徒歩7分)もオススメの観光スポットです。この日も半数ほどの人が降りていきました。残りの半数を乗せて、終点を目指します。

    津軽五所川原駅から40分ほどで終点の津軽中里へ到着。ローカル線の小さな終着駅。そこには「本州最北の民鉄」と書かれた看板がありました。ここより先に延びているレールはありません。まさに、旅の終着地と言ったところでしょう。

    看板の上半分は凍った雪が垂れ下がり、冬の厳しさを感じさせます。こじんまりした素朴な駅に、しんしんと雪が降り積もっていました。都会の喧騒をすっかり忘れて、心が癒される旅になりました。思えば遠くへ来たもんだ~。

    津軽鉄道のストーブ列車は、今年も12月1日から2019年3月31日まで運行予定。しんしんと降り積もる雪を見ながら、スルメと日本酒を堪能。懐かしい列車に揺られて、冬ならではの旅を楽しんでみませんか。


    ◆青森空港からの行きかた
    合計乗車時間:約2時間20分

    青森空港
     ↓(連絡バス) 約60分
    弘前駅
     ↓(JR奥羽本線・五能線) 約40分
    五所川原駅 
     ↓(直結)
    津軽五所川原駅 
    ↓(津軽鉄道) 約40分
    津軽中里駅

    ストーブ列車
    住所
    青森県五所川原市大町39
    電話番号
    0173342148
    備考
    【URL】http://tsutetsu.com/stove.html
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東 香名子(あずま かなこ)
ライターのプロフィール画像
NAVITIME TRAVEL EDITOR
コラムニスト。1983年生まれ。女性サイト編集長を経て現在フリー。鉄道に詳しく女性目線で旅の楽しみ方を発信。総乗車距離1万キロ以上の乗り鉄。これまで男性のものだと思われていた鉄道趣味を、女性に広める活動をしている。著書『100倍クリックされる 超Webライティング実践テク60』(パルコ出版)

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