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京都の楽しい鉄道めぐり

年間を通して観光客が殺到する京都は、市内の移動に関しては慢性的な渋滞に悩まされている。クルマでの移動は所要時間が読めないことも多く、ストレスとなる。したがって、鉄道プラス徒歩での移動がおススメだ。鉄道は、JRをはじめ、阪急、京阪、近鉄といった私鉄や地下鉄、それにマイナーな鉄道などバラエティに富んでいる。その中には、乗るのが楽しい鉄道がいくつもある。今回は、そんな乗車自体が観光ともなるユニークな京都の鉄道をご紹介しよう。

  • 叡山電車「きらら」「ひえい」、京阪プレミアムカー

    京都市内の北東に位置する出町柳駅を起点とし、鞍馬と八瀬比叡山口の2つの終点を目指すのが叡山電車(通称「叡電」)だ。終点から行ける鞍馬寺や比叡山のみならず、沿線には修学院離宮、詩仙堂、貴船神社など人気スポットが目白押しだ。また鞍馬線沿線には紅葉のトンネルがあり、11月は車窓からの紅葉狩りも人気で、夜間のライトアップも楽しめる。こうした観光客のために走っているのが「きらら」で、車内には窓を向いたペアシートやクロスシートなどが配置されている。

    きらら車内から紅葉狩り

    きらら車内から紅葉狩り

    また、八瀬比叡山口へは「ひえい」という奇抜な外観の車両が走っていて、こちらも人気だ。いずれも、指定券、特急券などの追加料金は不要で運賃のみで乗車できる。叡山電車のサイトには、「きらら」「ひえい」の時刻表も掲載されているので、あらかじめ列車ダイヤに合わせてスケジュールを立てれば満足できるであろう。

    奇抜なスタイルのひえい

    奇抜なスタイルのひえい

     なお、出町柳駅では京阪電鉄の本線と乗り換えられる。大阪の淀屋橋とを結ぶ特急には優雅で落ちついた雰囲気の指定席車プレミアムカーが連結されているので、大阪と京都間1時間弱の快適な移動に利用してみたい。淀屋橋~出町柳、500円+運賃。首都圏の通勤ライナーよりもはるかに居住性が優れている。

    叡電の公式サイト https://eizandensha.co.jp/
    京阪プレミアムカー https://www.keihan.co.jp/traffic/premiumcar/

    京阪プレミアムカー

    京阪プレミアムカー

    出町柳
    住所
    京都府京都市左京区田中上柳町
    電話番号
  • 京阪電鉄京津線

     二条城前、三条京阪、東山、蹴上を通る地下鉄東西線は京阪電鉄京津(けいしん)線とつながって滋賀県の大津方面へ行くことができる。地下鉄東西線のうち1時間に3本は、びわ湖浜大津行きで、この電車に乗ると、変化に富んだミニトリップが楽しめる。
     御陵(みささぎ)駅を発車すると地上に顔を出し、京津線に乗り入れる。滋賀県との県境にある逢坂山を越える山岳区間で、大井川鉄道井川線、箱根登山鉄道に続く日本3位の急勾配で登山鉄道の雰囲気がある。さらに進み浜大津が近づくと何と道路上を走る区間で路面電車に変身する。やや小ぶりな4両編成の電車のうち両端の2両がセミクロスシート、中間の2両はロングシートとなっている。クロスシートに座って車窓を眺めると、ちょっとした旅行気分が味わえる。

    京津線と石山坂本線の電車

    京津線と石山坂本線の電車

    終点びわ湖浜大津では、石山坂本線に乗り換えて、石山寺や坂本比叡山口方面へ行ける。京都市内の宿が満員のとき、大津市内に泊るのも一案である。大津駅からはJR東海道線利用でJR京都駅まで10分足らずと速い。それよりは時間がかかるけれど(びわ湖浜大津駅から蹴上駅まで19分、烏丸御池駅まで26分)、東山、京都中心部へ乗り換えなしに行ける京津線も便利である。しかも路面電車区間、登山鉄道区間、地下鉄区間と変化に富んだ車窓が楽しめるので、一度は乗ってみたいおススメ路線だ。

    京津線サイト https://www.okeihan.net/recommend/mizunomichi/michiannai/02/

    二条城前
    住所
    京都府京都市中京区二条城町
    電話番号
  • 京福電鉄嵐山本線、北野線<通称「嵐電(らんでん)」>

     京都市街の北西部に嵐山~四条大宮の嵐山本線と嵐山本線の途中駅帷子の辻から分岐して北野白梅町に至る北野線の2路線を持つ。路面電車タイプの小ぶりの車両が走るが、道路上を走る区間は一部である。嵐山のほか、沿線には広隆寺、仁和寺、妙心寺、龍安寺、太秦映画村などの名所が目白押しだ。スローな車両に乗って、のんびりした散策を楽しみたい。

    嵐電公式サイト http://randen.keifuku.co.jp/

    嵐山付近を走る嵐電

    嵐山付近を走る嵐電

    広隆寺前を走る嵐電

    広隆寺前を走る嵐電

    嵐山〔嵐電〕
    住所
    京都府京都市右京区嵯峨天龍寺造路町
    電話番号
  • 嵯峨野観光鉄道

    観光に特化したトロッコ列車を運行しているのが嵯峨野観光鉄道だ。元々はJR山陰本線の一部区間だった。複線電化によってトンネルの多い新線に切り替えられたのと引き換えに廃止となった区間は保津峡に沿った絶景ルートで廃止はあまりにも惜しいと観光鉄道として復活した経緯がある。
    JR山陰本線の嵯峨嵐山駅に隣接したトロッコ嵯峨駅とJR馬堀駅から徒歩10分のところにあるトロッコ亀岡駅との間を片道25分程かけて往復している。窓ガラスのない車両もあり、大自然の空気を肌で感じながら絶景を堪能できる。
    なお、12月末から3月中旬までは冬季運休となっている。嵐山に戻る時は保津峡の舟下りを楽しむのもよい。

    嵯峨野観光鉄道公式サイト https://www.sagano-kanko.co.jp/

    保津峡に沿って走る嵯峨野トロッコ列車

    保津峡に沿って走る嵯峨野トロッコ列車

    嵯峨野トロッコ列車車内

    嵯峨野トロッコ列車車内

    トロッコ亀岡
    住所
    京都府亀岡市篠町山本
    電話番号
  • 京都鉄道博物館のSLスチーム号

     2016年4月にオープンした京都鉄道博物館は、梅小路蒸気機関車館から引き継いだSLが保存され、一部は動く状態で保存されている。このうちの1両を使用し、専用の客車2両を連結した「SLスチーム号」が片道500mの展示運転線をゆっくりと10分ほどかけて往復している。機関庫脇のホームから、隣接した梅小路公園までのミニトリップで、春は満開の桜の下を走る。汽笛を耳にし、石炭のにおいを嗅ぎながらのレトロな雰囲気を味わえる。開館日に、ほぼ30分毎に走っている。機関車は日によって異なるので、どの形式の機関車が動くのは当日のお楽しみである。大人=300円、こども=100円

     SLスチーム号のサイト http://kyoto-syo.com/guide/sl/

    京都鉄道博物館のSLスチーム号

    京都鉄道博物館のSLスチーム号

    京都鉄道博物館
    住所
    京都府京都市下京区観喜寺町
    電話番号
    0570080462

     かように京都にはユニークな鉄道がいくつもある。観光に織り交ぜながら、あるいは鉄道乗車や撮影を目的に京都の散策を楽しめればと思う。

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野田 隆 NODA Takashi
ライターのプロフィール画像
NAVITIME TRAVEL EDITOR
「乗り鉄」を中心に鉄道の面白さ、楽しさを、SL列車、観光列車やローカル線から\通勤電車、地下鉄に至るまで幅広く紹介する旅行作家。\著書は、2018年8月に21冊目となる「シニア鉄道旅のすすめ」(平凡社新書)が上梓された。\日本旅行作家協会理事

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