国内そして世界には多くの航空会社(エアライン)が存在します。20年ほど前から、その航空会社同士が連携する「アライアンス(航空連合)」ができ、それぞれのアライアンスに参加する航空会社が増えつつあります。
例を挙げると、ANAは「スターアライアンス」、JALは「ワンワールド」という航空連合に属し、同じ航空連合の航空会社とコードシェア運航やマイルの付与などで連携を行っています。もう1つ、「スカイチーム」という航空連合を加えた3つが、世界三大航空連合と言われています。近年はLCC(格安航空会社)同士が連携した航空連合もできました。
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世界最大の航空連合「スターアライアンス」
世界で初めての航空連合ができたのは、1997年5月。エア・カナダ、ユナイテッド航空、ルフトハンザドイツ航空、スカンジナビア航空、タイ国際航空の5社によって設立されました。ANAが加盟したのは、1999年。2019年3月現在、28社の航空会社が加盟し、世界1,300を超える空港を結ぶ就航ネットワークを構築しています。
ANAラウンジにはスターアライアンス加盟社の一覧を掲示
日本からのフライトで利用する場合、ANAはもちろん、韓国のアシアナ航空、中国の中国国際航空、台湾のエバー航空をはじめ、シンガポール航空などが利用しやすい航空会社です。
特に、同じ航空連合内で乗り継ぐ場合、乗り継ぎが必要なフライトの航空券をまとめて購入できたり、出発する空港で預けた手荷物を乗り継ぎ時に受け取らなくてもよかったりと、利便性も高いです。ANAで貯まったマイルを提携航空会社の便で利用することもできますし、逆にマイルを貯める(※)ことも可能です。 ※マイルの積算可否は発券クラスなどによります
スターアライアンスの上級会員は「ゴールド」および「シルバー」です。各航空会社のステータスに応じて付与されます。
【参考リンク】
スターアライアンス https://www.staralliance.com/ja/ -
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JALが加盟する世界の航空連合「ワンワールド」
一方、JALが所属する航空連合は「ワンワールド」です。設立は1999年。2019年3月現在の加盟航空会社は14社です。JALは2007年から加盟。
JALも加盟する「ワンワールド」。機体はフィンエアー
JALのほか、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カンタス航空、フィンランド航空(フィンエアー)、イベリア航空、マレーシア航空、カタール航空などが加盟しています。
利用者としてのメリットは、他の航空連合とほぼ同じです。各航空会社の上級会員になると、ワンワールドの「エメラルド」「サファイア」「ルビー」もランクによって付与され、優先チェックインやラウンジの利用、ゲートでの優先搭乗、優先空席待ちなどの特典が提供されます。
【参考リンク】
Oneworld https://ja.oneworld.com/members -
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ヨーロッパや東アジアで強い「スカイチーム」
世界の航空連合にはもう1つ、「スカイチーム」があります。加盟社は19社。2000年、デルタ航空、エールフランス、大韓航空、アエロメヒコ航空によって設立されました。
中国東方航空の「スカイチーム」塗装機
日本で加盟している航空会社がないので馴染みがやや薄いものの、日本との直行便を多く運航する大韓航空やデルタ航空、チャイナエアラインなどもあり、特にヨーロッパでは最大のシェアを誇る航空連合で、東アジアも強いです。
スカイチームにも他の航空連合と同様、上級会員(エリートステータス)の制度があります。「スカイチーム・エリート」「スカイチーム・エリート・プラス」です。
【参考リンク】
スカイチーム・アライアンス https://www.skyteam.com/ja -
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LCCの航空連合「バリューアライアンス」
世界最大のLCCによる航空連合が、2016年に設立されました。「バリューアライアンス」で、日本のバニラエアを含むアジア太平洋地域の7社が加盟しています。その他、韓国のチェジュ航空、シンガポールのスクートなど。
バリューアライアンスに加盟するLCC「スクート」
バリューアライアンスの専用サイトから予約すると、加盟するLCCのフライトが一括で予約できるほか、他社接続便に乗り継げなかった場合に空席があれば無料で振替も可能です。ただ、チェックインや手荷物の受け取りなどのスルーサービスはありません。
バニラエアはPeachとの統合が予定されています。バニラエアとしての運航は2019年10月26日まで。Peachが改めて加盟するかは発表されていません(2019年3月現在、Peachは不参加)
【参考リンク】
バリューアライアンス https://www.valuealliance.com/ -
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航空連合(アライアンス)で考える出張のヒント
飛行機の出張利用だと、年に何回も乗る人も多いはず。それぞれの航空連合がある中で、よほど年間の搭乗回数が多くない限りは、1つの航空連合にまとめてマイルやフライトで付与されるポイントを貯めるのをおすすめします。
航空会社の上級会員であれば、加盟する航空連合での連携で“特典”が多くあり、乗り継ぎ時なども同じ航空連合だとスムーズにいくことが多いです。一方、別の航空連合であっても、独自に連携している航空会社もあります。
■ 同じ航空会社を利用する
■ 同じ航空連合(アライアンス)の航空会社を利用する
■ マイルは自分が一番貯めやすい航空会社で
■ 同じ航空連合(アライアンス)でもマイルの積算率に注意
なお、航空連合(アライアンス)に加盟する航空会社は、新たに加わる、脱退する、移転することもあります。最新の情報は必ずチェックしてください。