日本の国内、そして海外への旅行に「LCC」(格安航空会社)が普及しています。本格的な国内LCCがデビューしたのは、2012年3月のピーチ・アビエーション(Peach)から。現在では国内外のLCCが国内線、そして国際線に数多く就航しています。
LCCの魅力はなんといっても、大手航空会社より安い運賃です。まだLCCに一度も乗ったことがない、興味はあるけれど心配事が多いという方々に、初めてのLCCでおすすめの旅行先や注意点などをご紹介します。
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LCCでおすすめの旅行先、「札幌」「沖縄」【国内】
LCCで旅をするなら、まず、おすすめの行き先は「札幌」「沖縄」です。
おすすめの理由は「便の多さ」です。例えば、東京(成田)=札幌(新千歳)線だと、1日10便以上、東京(成田)=沖縄(那覇)線だと1日5便以上、LCCだけで多くの便があります。大阪(関西)発や名古屋(中部)発も多いです。LCCの機体が並ぶ成田空港第3ターミナル(手前)
また、LCCならでは「運賃の安さ」も目を引きます。ジェットスターだと、東京(成田)=札幌(新千歳)線で4,190円から(2018年9月現在)。運賃は空席状況によって変動するものの、往復で1万円もかからない最安値のこの運賃は魅力的です。「セール」時にはさらに安い運賃が登場することも。
LCCが強いのは、時間に比較的余裕があるレジャーでの旅行です。もともと札幌や那覇は、レジャーで人気が高い場所。LCCが続々と就航したことで観光客がさらに増え、今では空港のターミナルやホテル、レンタカーなどもかなり整備されてきました。札幌で人気の観光スポット、札幌市時計台
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LCCでおすすめの旅行先、「台北」「ソウル」【海外】
海外旅行に行くのにも、LCCを利用するケースが増えてきました。航空券が安いとその分、現地での宿泊や観光などに費用を回せるので、LCCでの海外旅行は若者を中心に人気が高まっています。
LCC初心者におすすめの海外旅行先は、台湾の「台北」と韓国の「ソウル」です。理由は、国内線と同様にLCCの便が比較的多いのに加え、フライト時間が国内並みに短いことです。大手航空会社のような機内食やサービスなどがない、やや狭いと感じる機内であっても、短時間であればLCCで十分という人も多いでしょう。日本から最も近くて行きやすい海外といえば、韓国・ソウル
また、台北やソウルは、日本語の表記が多かったり、観光インフォメーションセンターで日本語が通じたりと、日本人旅行者にやさしい場所。まったく未知の国よりも、いざという時に安心です。
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日本の「地方」へもLCCだと安く行ける【国内】
飛行機の運賃は、地方路線が高い、というイメージがどうしてもあります。東京や大阪などの都市部から地方を結ぶ路線は、早めに航空券を買うと比較的安いものの、出発日が近くなるにつれて高額になりがちです。一方、LCCだと空席に余裕があれば、直前でも安く買うことができます。
愛媛県松山市の道後温泉本館。ジェットスターとPeachの便があります
ジェットスターは、成田から高松や松山といった四国、鹿児島・大分・宮崎など九州への便を運航しています。Peachは仙台や新潟、石垣など、バニラエアは函館や奄美大島、春秋航空日本には広島と佐賀への便があります。
これまでなかなか行きづらかった日本の地方への旅、LCCがおすすめです。奄美大島もLCCで人気の旅行地。バニラエアが就航しています
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LCCでハワイも! 往復なんと3万円弱 【海外】
日本人観光客に根強い人気があるハワイ。これまで大手航空会社の便しかなかったのが、2017年夏にエアアジアX、同年冬にスクートが、いずれも大阪(関西)=ホノルル線に就航しました。現在、日本からハワイ路線を運航するLCCは大阪発着のみです。
シンガポールのLCC「スクート」が大阪=ホノルル路線を運航
気になる運賃は、エアアジアXとスクートともに、税込みで往復3万円弱から。これまで最低でも往復10万円ほどかかっていたホノルル路線、LCCの就航でグッと身近になりました。首都圏や中部圏などからわざわざ大阪経由でLCCを利用してハワイに向かう人もいるほど、LCCの人気路線として定着してきました。
両社とも、運賃がさらに安くなる「セール」を随時行っています。LCC各社のホームページなどをぜひチェックしてみてください。 -
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LCCを利用する時の「注意点」まとめ
LCCは、大手航空会社よりも安い運賃がメリットである一方、手荷物のルールが厳しかったり、座席指定が有料だったりと、大手航空会社とは異なるルールが存在します。
ジェットスター・ジャパンの機内。LCCはシート配列「3-3」が一般的
LCCを利用する際、まず知っておきたい主な「注意点」を挙げました。
■預け手荷物は基本1個から有料、空港での追加は事前申込より高い
■機内持ち込み手荷物ルールが大手よりかなり厳しめ
■利用する空港やターミナルへのアクセスが不便なことがある
■搭乗手続きなどの締切時間が早い
■機内食やドリンク、ブランケットなどは基本有料
■座席指定は有料、非常口座席や窓側席などで料金が異なることも
■シートピッチ(前後の座席間隔)が狭い
■台風などで欠航しやすい、遅延も(大手に比べて)多めPeachは関西空港では第2ターミナル、搭乗は徒歩になります
LCCを利用するなら、時間厳守のビジネス利用より、やはり時間に余裕があるレジャーの時に乗るのがおすすめです。一度LCCに乗ると、大手航空会社と異なる点などがよくわかり、「なるほど」と思うはず。まずはLCCで行きやすい旅行先から、ぜひチャレンジしてみてください。
- 那覇空港
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- 沖縄県那覇市鏡水
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