「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」Bunkamura ザ・ミュージアムで開催


2015.12.21

NAVITIME TRAVEL EDITOR

2016年3月19日(土)から2016年6月5日(日)にかけて、Bunkamura ザ・ミュージアムにて「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」が開催されます。
これは幕末に人気を博した人気浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の兄弟弟子による名品の数々を、同一テーマで比較展示するという画期的なもの。
国外の日本美術コレクションでは世界一として知られるボストン美術館所蔵の鮮やかな浮世絵をご堪能ください!

  • 01

    江戸のポップカルチャー!皆に愛された浮世絵

    幕末の時代を生きた人々にとって、浮世絵は当時の最新ポップカルチャーでした。現代の私たちがコンサートでお気に入りのアイドルに熱狂するように、最新の流行に身を包む雑誌のモデルに憧れるように、彼らは身近なものとして浮世絵に接してきました。
    今回の展覧会では、当時の最大の娯楽のひとつ、歌舞伎の演目になぞらえて各章タイトルを構成しています。
    一幕目の一「髑髏彫物伊達男[スカル&タトゥー・クールガイ]」(国芳もやう正札附現金男 野晒悟助)や、二幕目の六「今様江戸女子姿[エドガールズ・コレクション]」(当世三十弐相 よくうれ相)などのように、現代的でポップなルビをふり、江戸の国芳・国貞ファンたちと現代の私たちに共通する心情を探りながら、彼らの描いた浮世絵をより身近な存在として鑑賞してみてはいかがでしょうか。

    歌川国芳 「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」 弘化2(1845)年頃

    歌川国芳 「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」 弘化2(1845)年頃William Sturgis Bigelow Collection, 11.28900\Photograph © 2015 Museum of Fine Arts, Boston

    歌川国貞 「当世三十弐相 よくうれ相」 文政4, 5(1821, 22)年頃

    歌川国貞 「当世三十弐相 よくうれ相」 文政4, 5(1821, 22)年頃Nellie Parney Carter Collection―Bequest of Nellie Parney Carter, 34.489\Photograph © 2015 Museum of Fine Arts, Boston

  • 02

    俺たちの国芳-歌川国芳の世界

    歌川国芳はダイナミックでストーリー性のある浮世絵を数多く描きました。ヒーローたちの活躍する物語の世界に、国芳ファンは漢(おとこ)気を感じたといいます。
    国芳は当時の人気役者が演じる好漢たちを、役者の顔や表情、演技の特徴までとらえ、歌舞伎役者と冒険活劇の男たちを重ね合わせて描きました。躍動感あふれるスタイリッシュな着こなしの男の姿を描くのはまさに国芳の真骨頂です。
    下の絵は「物怪退治英雄譚[モンスターハンター&ヒーロー]」。
    大判3枚続きの絵には、巨大な髑髏の化け物が強烈なインパクトで描かれており、奇抜な構造で人々の心を掴みました。こういったダイナミックな作品でも、国芳は本領を発揮しています。

    歌川国芳 「相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」 弘化元(1844)年頃

    歌川国芳 「相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」 弘化元(1844)年頃William Sturgis Bigelow Collection, 11.30468-70\Photograph © 2015 Museum of Fine Arts, Boston

  • 03

    わたしの国貞-歌川国貞の世界

    一方の歌川国貞は江戸文化のメインストリーム「歌舞伎」を舞台に、当時の男女を数多く描きました。国貞の描く世界に、女性たちは夢見るように憧れの心を抱いたといいます。
    国貞の描く女性は、表情のみならず、持ち物の小物などの装飾品のすべてが可愛らしく、粋で魅力的です。江戸の女性たちが、浮世絵をファッション・カタログとして見ていたことが伝わってきます。
    下の絵は「楽屋裏素顔夢想[オフステージ]」。役者たちの日常の姿が知りたいというファンの心情は今も昔も同じ。国貞は歌舞伎の舞台裏を、役者の素顔、楽屋の喧騒と共に見事に描き切りました。

    歌川国貞 「踊形容楽屋之図 踊形容新開入之図」 安政3(1856)年

    歌川国貞 「踊形容楽屋之図 踊形容新開入之図」 安政3(1856)年William Sturgis Bigelow Collection, 11.28578-80 & 11.28581-3\Photograph © 2015 Museum of Fine Arts, Boston

  • 04

    色彩表現に注目

    浮世絵師たちの工夫・趣向のひとつに多様な色彩表現あります。浮世絵が最盛期を迎えた時代、色を摺り重ねる技術の発展と共に、精巧で豪華な多色刷りの錦絵が誕生しました。
    今回の展覧会ではこれらの中でもひときわ目を引く「藍摺」と呼ばれる作品も展示されます。
    また、豪華さを演出するために、無地背景に雲母粉を用いた「雲母摺[きらずり]」と呼ばれる作品にも注目です。
    時を経て今なおキラキラと輝く浮世絵の世界、その世界を守るため浮世絵師たちがいかにして創意工夫を凝らしてきたか。この機会にぜひご自身の目で確かめてみてください。

    歌川国貞 「大当狂言ノ内 八百屋お七」五代目岩井半四郎 文化11, 12(1814, 15)年

    歌川国貞 「大当狂言ノ内 八百屋お七」五代目岩井半四郎 文化11, 12(1814, 15)年William Sturgis Bigelow Collection, 11.15096\Photograph © 2015 Museum of Fine Arts, Boston

    時を経て今なおキラキラと輝く浮世絵の世界、その世界を守るため浮世絵師たちがいかにして創意工夫を凝らしてきたか。この機会にぜひご自身の目で確かめてみてください。

    歌川国芳 「初雪の戯遊」 弘化4-嘉永5(1847-52)年

    歌川国芳 「初雪の戯遊」 弘化4-嘉永5(1847-52)年William Sturgis Bigelow Collection, 11.16077-9\Photograph © 2015 Museum of Fine Arts, Boston

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