「日本のマチュピチュ」といえば、兵庫県にある「竹田城」を想像する人が多いでしょう。もしくは岡山県の「備中松山城」でしょうか、それとも福井県の「越前大野城」でしょうか。 今、ひそかに注目を集めている「マチュピチュ」は、岐阜県にありました。
-
01
「天空の里」、上ケ流地区。
岐阜県の上ケ流(かみがれ)地区、というスポットをご存知でしょうか。国歌にも唄われる「さざれ石」の地、岐阜県の旧春日村のあたりです。海抜300メートル以上の高地に位置し、寒暖の差が激しく霧が濃い地域であるため、「上ヶ流茶」の生産地として知られています。
斜面に広がる茶畑
茶畑自体は以前から存在していますが、緑生い茂る山並み一面を見渡せる絶景ポイントは、今年の3月にできたばかり!絶景ハンターの筆者が、早速取材してまいりました。目印から駐車場、トイレスポットまでバッチリお届けします。
うっすら雲がかった茶畑も素敵ですよ
-
02
まずは岐阜県揖斐郡揖斐川町の「春日郵便局」を目的地にセットしましょう!
山奥にあるように見えますが、アクセス方法はいたって簡単です。東海環状自動車道 「大垣西IC」を下車して、国道417号線を揖斐方面に北上します。「下岡島」交差点を曲がり、県道32号線に入りましょう。後はナビが案内してくれる通り、まっすぐに道なりです。
最寄のバス停「樫村」
が!ここで気をつけていただきたい最大のポイントがあります!郵便局まで行ってしまうと行き過ぎです。「下岡島」交差点を曲がって10分ほど、向かって右手にあるこの看板を見逃さないでください!
ここを見逃さなければ、ほぼ確実に辿り着けます。あとは再び直進直進です。「上ケ流茶園」の看板
「内藤酒店」を右折し、山道に入ります。場所によっては対向車が来ると通りにくい箇所も。まれに歩行者もいますので、スピードは出さず、ゆっくり走ってくださいね。
道中にある手作りの看板
道は細いですが、きちんと舗装もされていますし、デコボコもそんな激しいものではありません。窓からの絶景に、時折車を停めてカメラでパシャリ。ゆっくり走って15分程度でしょうか。さて、駐車場が見えてまいります。
駐車場はこちら!
-
03
手作り、手書きの看板。いかにも「秘境」といった雰囲気。
そうです、これが駐車場です。大きな観光バスが乗り入れるような広い駐車場だと思いました?いえいえ、制限台数は10台いかない規模でしょう。駐車場では地元の方の整理案内に従い、車を停めます。
駐車場の写真
しかし見てください、この手書きの看板!中には英語の注意書きもあります!外国から訪れる方も多いのでしょうか。それともこれから人気スポットとなっていくのを見越しての英語表記でしょうか。
駐車場の整備をする現地の方も、ニコニコしながら迎えてくれます。案内看板
「絶景スポットまであと少し!」と書いてあります。ここから先は、ひたすら歩きましょう。
絶景までがんばります!
山道ですが、歩きます。あと少しですものね、絶景ですものね。
当日、非常に軽装で来ていた筆者。多少の後悔がありつつも、東京からここまで来てこのままでは帰れません!山道に不向きなオシャレスニーカーでひた進みます。ダンボールに書かれた看板に味があります
ちなみに、トレッキングシューズに登山ウェア。とまで本格的な装備は必要ありません。が、ヒールやサンダルではやや困難かと思われます。ここは舗装されていないので、怪我をしてしまうかもしれませんね。スニーカーは必須そうです。
スニーカーでも登れますよ。
-
04
岐阜のマチュピチュ、ここに在り!
広く切り開かれた展望台はありません。双眼鏡や方位マップもありません。絶景スポットは、山の木々が少しだけ切り倒された山の斜面です。
あるのは絶景のみ!ジュースの自販機や夜間照明、余計なものはいらんのです。ただその景色があればいいのです。これが岐阜のマチュピチュです!
切り開かれた山肌に立ち、目の前に広がるパノラマ景色を眺める。この日は朝から曇り空でしたが、それがまた一層幻想的な光景を作り上げていました。天候や季節によって、様々な顔を見せてくれるのでしょう。
四方を山に囲まれ、高い位置から見下ろす鮮やかな緑の茶畑はまさに一枚の絵画のようでした。まさに東京から来た甲斐があったというものです。足を止め、耳を澄まし、全身で絶景を味わいます
朝一番の誰もいないような時間帯に訪れたため、残念ながら名産のお茶を頂くことはできませんでしたが、ほぼ貸切状態の絶景でした。
はたしていつまで貸切状態の絶景が楽しめるでしょうか。人気が出ますよ、ここはゼッタイ!たくさんの人に、この絶景を見て欲しい!
遊歩道は地元の方々がボランティアで整備したそうです。「多くの人に足を運んでもらいたい、そしてこの絶景とお茶を楽しんでほしい」、地元の方々の思いが至るところに込められています。
地元の方が作られた看板
ちなみに、気になるトイレはこちらです。近くにコンビにもスーパーもありませんので、非常にありがたいですね。
トイレがあることに感謝感謝です!
-
05
マナーを守って、この景色を残していきましょう
一人でも多くの人に、日本にはこんな素晴らしい景色がまだまだあるということを知って欲しい。現地の方々、みなさんがおっしゃっていました。
まさにここは「天空の里」でした。
美しい日本の景色を伝え、そして同時に後世にも残していく。そんな気持ちで、みなさんもどうぞ足を運んでみてください。