【前編】「OMO7大阪」に行ったら天国のような超ディープな街に出会った


2022.09.28

マイナビニュース


1914年に軽井沢で温泉旅館を開業し、2022年で108年の歴史を数える星野リゾート。「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」のサブブランドを展開し、2022年4月以降は新たに6施設をオープン予定です。今回はそんな新しいワクワクを生み出し続ける星野リゾートに注目! 今こそチェックしたい話題の施設を深掘りしていきます。
第9回目は、2022年4月にオープンした「OMO7大阪 by 星野リゾート」。施設があるのは、なにわのエッフェル塔こと通天閣で知られる「新世界」をはじめ、なにわのソウルフードが集まるローカル度200%のエリア。これはきっと、オモロウマい旅ができるに違いない!!
ということで、今回は「OMO7大阪」に2泊3日で泊まって、ディープな下町を遊び尽くしてきました。……結果は、期待以上! テーマパークよりも胸が高鳴る、ひたすらに楽しい旅をご覧ください。
■大阪初上陸!「OMO7大阪 by 星野リゾート」誕生
大阪をキタとミナミに分けると、ミナミはコテコテ感強めなエリア。「OMO7大阪」はそんなミナミにあり、わたしたちが心に描くザ・大阪な観光が楽しめます。
アクセスは、JRや南海電鉄「新今宮駅」からすぐ。新大阪や大阪、なんば、天王寺など、大阪の主要駅へ乗り換えなしで行けるのも大きな魅力です。
さて、到着してまず驚くのは、その大きさ。これまで星野リゾートに泊まったことがある方なら、圧倒されるほどのスケール感に思わず息を飲むはず。
胸の高鳴りを感じつつ、館内へ。一歩足を踏み入れると、アーティスティックな空間が出現します。
これは何かお分かりでしょうか?
ヒントは、大阪名物の丸い食べ物。そう! たこ焼きです。よーく見ると、奥にたこ焼きをひっくり返すピックまで描かれていています。
「OMO7大阪」は「なにわラグジュアリー」を合言葉に、「笑い」と「おせっかい」を採り入れたおもてなしと、星野リゾートらしい上質で贅沢なステイを味わえる施設です。館内には遊び心とホスピタリティあふれる、ディープな仕掛けがちりばめられています。
「OMO7大阪」を語る上で外せないのが、広々としたガーデンエリア。新今宮の「みや」と青々したグリーン「ぐりん」から、「みやぐりん」と名付けられています。
晴れた日には、鮮やかな緑が目に飛び込んできて気持ちいい! ふかふかの芝生でひと休みするのもよし、好きな椅子に座ってまったりするのもよし。電車好きなら、ホーム近くの席で行き交う電車を眺めるのもツウな楽しみ方。居心地の良さは抜群で、お気に入りの場所を探してお散歩したくなります。
ちなみに「みやぐりん」は、館内のカフェやレストランを利用すれば、宿泊者以外の利用もOK。せっかく大阪に来たのなら、立ち寄らない手はありません。
客室数は436室。定員3名までの「ツインルーム」、2段ベッドを備えた「だんだんルーム」、そして6名まで一気に泊まれる「いどばたスイート」など全8タイプを用意しています。
今回泊まったお部屋は、なにわのランドマーク「通天閣」を独り占めした気分に浸れるデラックスルーム。なんとか見えるレベルではなく、思わず「通天閣ちかっ!」と声が出てしまう贅沢なロケーションです。
窓に近づくと、通天閣がさらに大きく……! 部屋にいながらにして、大阪見物をしている気分を味わえます。
うれしいことに、「OMO7大阪」は全室、バス・トイレが別々のセパレートタイプ。旅の疲れを、ゆっくり湯船につかって癒やせるのはうれしいですよね。
■【16:00】「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」へ出発
ここに来たら、うまい・安い・クセになる、ディープな旅をしなきゃもったいない! ……とはいえ、おっちゃんだらけのエリアに、いきなり女子1人で飛び込むのはレベルが高すぎますよね。
そんなとき、心強い味方になってくれるのが、「OMO」おなじみのご近所アクティビティ。これは、街を知り尽くした星野リゾートのスタッフさん(通称OMOレンジャー)が、ガイドしてくれるというもの。「OMO7大阪」には、3つのご近所アクティビティがあります。
「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」(無料)
「めっちゃ串カツどっぷりツアー」(1,000円/人)
「ええだし出てますわツアー」(無料)
この中から、まずは「ほないこか、ツウな新世界さんぽ」にトライ。夕方4時から1時間かけて新世界をガイドしてくれるから、最初に「新世界って、こんなとこ」を知るのにもってこいです。
基本的には、前日22時までの予約が必要ですが、空いて入れば当日参加もOK。予約し忘れちゃった人も、あきらめずにスタッフに聞いてみるといいでしょう。
この日のガイドは、大阪生まれ大阪育ち。やそちゃんの愛称で親しまれる、大阪っ子の八十田さん。小柄なボディをフル稼働して、コテコテな新世界を元気いっぱいに案内してくれます。
「あっ、OMOレンジャーではなく、OBA(オバ)レンジャーと呼んでくださいね」開口一番のギャグに、いきなりクスッとしてしまう。さすが笑いであふれた街・大阪。やそちゃん、よろしゅうたのんま~す!
やそちゃんの軽快なトークで盛り上がっていると、あっという間にレトロな商店街「ジャンジャン横丁」に到着。長さ約180m、幅約2.5mの道には、さまざまなお店が並びます。
「ジャンジャン横丁」の正式名称は「南陽通商店街」。その昔、通りの向こうには遊郭があって、「うちでご飯を食べてって~」という呼び込みのための三味線や太鼓がジャンジャン鳴り響いたことから、この名前がついたのだとか。
ここは戦後、大阪で最初に復興した元気な横丁ですが、今もなお元気いっぱい。在りし日の昭和がそこかしこに残っています。
聞けば、通天閣周辺だけで200周以上は歩いたという、やそちゃん。「そら、痩せるはずないわな~」とニンマリ。これはおいしいお店をたくさん知ってるに違いない!
そんなやそちゃんが教えてくれたのは、大阪名物ミックスジュース発祥のお店「千成屋珈琲」。もともと果物店だった初代が、熟しすぎた果物をジュースにしたのがミックスジュースのはじまりだとか。
コロナ禍で長らくおやすみしていましたが、2022年6月に営業再開。ミックスジュースを飲むなら、ここは外せません
ずんずん横丁を進んでいくと、ガイドブックでおなじみの串カツの有名店「てんぐ」が見えてきます。そして、お向かいには、昭和感満載の将棋クラブ「三桂クラブ」が。中をのぞくと、レトロな空間で地元のおっちゃんたちが将棋を指しています。
実はここ、新世界唯一の将棋愛あふれるクラブ。将棋の王者・阪田三吉さんも、ここでよく対戦していたと言います。
料金は、1時間たったの300円、1日中遊んでも1000円と破格。将棋好きなら、力をつけて参戦するのも良いかもしれません。
その先は、立ち飲み屋さんがずらり。通りかかったお店の看板には、「西成モーニング」の文字が書かれています。えっっっ、モーニングってお酒なの? しかも、お酒に卵と一品がついて380円……って、めっちゃ安いで!!
やそちゃんに聞いてみると、「当たり前ですやん。朝からご機嫌の良い人たちが、このあたりウロウロしていますわ」とさらり。
おっちゃんたちが楽しそうに盃を交わす姿は、まさに人生を謳歌している光景。今すぐ乾杯したい衝動にウズウズかられますが、ここはぐっと我慢です。
「ジャンジャン横丁」を通り抜けると、その先がまた濃い! よくTVで見かける、いわば大阪のおばちゃんの制服的なアニマル柄の服を扱うお店に遭遇します。
「わたしも持ってますわ~」と、すかさずやそちゃんが一言。さすが、大阪っ子です。お見それしました。

楽しさであふれかえった新世界は、毎日がお祭り日和です。懐かしの射的場もちらほら。昭和レトロなゲームセンターは、令和の若者が集う人気スポットになっています。
閉店により「づぼらや 新世界店」のふぐちょうちんは撤去されましたが、この界隈は、ド派手な巨大看板だらけ!どこを撮っても映える、フォトスポットの宝庫です。
ついに、なにわのランドマーク、通天閣へ到着。ふと上を見ると、どこか見覚えのある天井画が目に飛び込んできます。これは、「OMO7大阪」で心わしづかみされた「クラブ洗粉」を手がけるクラブコスメチックスが寄贈したもの。現在の通天閣は2代目ですが、初代・通天閣のエントランスにあった天井画の復刻版になります。
見上げれば、どこかパリのエスプリさえ感じられます。なんてエレガントなの……!
やそちゃんに聞くと、「OMO7大阪」の土地には、もともとクラブコスメチックスの化粧品工場があったのだとか。そう考えると、「OMO7大阪」と「通天閣」は不思議な縁を感じますよね。
そんな通天閣の足元には、ほっこり可愛いスイーツもあります。それがこのパクっと一口サイズで食べられる、一口カステラ。言わずもがな、モチーフは幸運の神様「ビリケンさん」です。
神様を食べちゃうなんて、良いんですか? 一瞬戸惑いますが、焼きたてを食べられるとあって、テンション爆上がり。袋を開ける前からふわんと甘い香りが漂い、幸せがだだ漏れです……!
ビリケンさんを味わった後は、純喫茶めぐりの旅へ。通天閣の真下にある「喫茶 ドレミ」へやってきました。ここは、昭和レトロブームにのっかって、若者の間でエモい!と大人気。中も外も「古き良き喫茶店」といった風情があり、昭和の純喫茶そのもの。タイムスリップしたような非日常感にときめきます。
先ほどの「喫茶ドレミ」は王道ですが、もう1店舗、やそちゃんお気に入りの穴場を教えてもらいました。
「喫茶ブラザー」は、昭和25年創業の老舗。初めてでも入った瞬間、安らぎの場だと感じられるほっこり系です。実はここ、高橋一生さんが出演するドコモCMのロケ地にもなっていて、ひっそり高橋一生さんのサインが飾られています。
また入り口に飾られた、ミックスジュースを差し出す美女の画像は、昭和の香りがプンプン。よく見ると、初代・通天閣も写っていて、心ゆさぶられます。
最後に向かったのは、大阪っ子たちの憩いの場・スパワールド。ドデカイ館内には、アジアゾーンとヨーロッパゾーンの世界各国をイメージしたお風呂があって、あったか~いお風呂に入りながら世界各国を旅できます。
……ですが、今回スパワールドに来た真の理由は、お風呂ではありません。ここでないと見られない、レアな通天閣を眺めること。
どんな景色かは、あえて秘密にさせていただきますが、「こんなにもディープな通天閣があっただなんて……!!」と軽く衝撃を受けました。ぜひツアーに参加して、今まで見たこともないような通天閣を楽しんでみてください。
■【18:00】館内のレストランでディナー
そうして、新世界をめぐるガイドツアーは終了。「OMO7大阪」へ戻りハイテンションのまま、夕食を食べにレストラン「OMO ダイニング」へ向かいます。
施設がある大阪は、かつて「天下の台所」と称されたグルメシティー。そんな大阪の街ならではの食への感度の良さが、レストランでどんな風に発揮されるのでしょうか。食べる前から期待が高まります!
ディナーコースは2種類。大阪の郷土料理がテーマの「Naniwa Neo Classic(なにわネオクラシック)」と、新世界名物・串カツから着想を得た「Naniwa KUSHI Cuisine(なにわ串キュイジーヌ)」。
「Naniwa KUSHI Cuisine」では、一品目からうれしい一撃をくらいます。れんこん、カニクリームコロッケ、エビフライなど、見た目も麗しい5種の串カツが登場。銀色の四角い器は、あの串カツのソース缶をイメージしたもの! 遊び心あふれる器もステキです。
食べてみると、一口ごとに味も食感もことなり、次の一口が待ち遠しいほど……! うま味を通り越した、深い味わいに酔いしれます。
「Naniwa Neo Classic」は、胸が高鳴る演出がすばらしい! お料理が運ばれた瞬間、ほほえむお客さんでいっぱいです。
白い霧とともに、ふぐのてっさをアレンジした料理が姿を現したり、大阪でウナギの頭を意味する「半助」の文字がお皿に描かれていたり。なにかとフォトジェニック。筆者も何度となく「わあ、きれい!」「すご~い!」と歓声を上げました。
■【20:00】夜はたこ焼き食べ放題&ビール飲み放題
大充実の1日目ですが、お楽しみはまだ続きます。夕食後に向かったのは、みやぐりんでのイベント「PIKA PIKA NIGHT」。夜8時から10時までの2時間、宿泊者限定で毎日開催しています。
ここでのお楽しみは、たこ焼きの屋台。なんとたこ焼き発祥のお店「会津屋」さんのたこ焼きが、無料でふるまわれるんです!
しかもたこ焼きは2種類あって、出汁のうま味を感じられる「元祖たこ焼き」と、タコの代わりに牛すじやコンニャクなどが入っている「元祖ラヂオ焼き」を食べ比べできるのがうれしい。
また、ふわとろなたこ焼きと相性抜群のクラフトビール「Derailleur Brew Works(ディレイラブリューワークス)」2種も飲み放題! ビールに目がない筆者にとっては、夢のような時間でした。
夜は、ファンタスティックな映像演出も見逃せません。「OMO7大阪」の壁をキャンパスに見立てた映像は、かなりの見応え。季節によって内容が変わるので、何度も足を運びたくなります。
ちなみに、秋はモミジのレトロゲーム風テトリスが映し出され、特別感たっぷり。テトリス好きのツボをグイグイ押します。
後編では、新世界で串カツ店のはしごや、ほんまもんの食材が集まる「大阪木津卸売市場」をめぐります。まだまだ続く、ディープな2泊3日の旅をぜひお楽しみください。
■Information
OMO7大阪(おも) by 星野リゾート
【場所】大阪府大阪市浪速区恵美須西3-16-30
安藤美紀 あんどうみき 猫好きのフリーライター。2012年より独立し、全国津々浦々、旅をしながら見過ごすのはもったいない+αのワクワクするような旅情報を発信してます。これまで書いた記事の数は、700本以上。温泉ソムリエマスター、健康入浴指導士でもあります。温泉、ドライブ旅、グルメ、ディズニー系が得意。 この著者の記事一覧はこちら 

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OMO7大阪 by 星野リゾート
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大阪府大阪市浪速区恵美須西3丁目16番30号
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05031348095
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2024/05/08 チェックイン(2名1室)※1泊1名あたりの料金   更新日:2024/04/24

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