甲子園の食堂「大力食堂」のデカ盛りカツ丼(小)には優しさが詰まっている


2018.05.13

マイナビニュース

「甲子園」と聞くと、阪神タイガースの本拠地であり、高校野球の聖地でもある阪神甲子園球場を思い浮かべるだろう。そのような全国区の甲子園に、大盛りのカツ丼を出す食堂「大力(だいりき)食堂」があるという。普段は大食いをしない筆者だが、胃の調子を整えた上でチャレンジしてみた。
○甲子園球場から徒歩5分
選抜高校野球決勝の翌日に甲子園を訪れた。この日はプロ野球の試合もなかったので、阪神甲子園球場の周りはとても静か。前日まで高校野球でにぎわったところとは思えなかった。
甲子園球場から西へ歩いて5分ほどの場所に大力食堂がある。店内に入ると、温かくのんびりとした雰囲気に包まれていた。店主の妻・藤坂初枝さんによると、大力食堂だけでなく、甲子園も野球がない日は空いているという。
もちろん、高校野球やプロ野球の試合がある日は大いににぎわう。じっくりと大力食堂の食を楽しみたければ、野球の試合がない日に訪れることをオススメする。ひっそりとした甲子園もなかなか魅力的だ。
○創業当時から変わらぬ味を
大力食堂の看板メニューはズバリ、カツ丼だ。取材を考えると、カツ丼(大)を注文しないといけないだろう。しかし、食べきれる自信がなかったので、カツ丼(小)を選んだ。待つこと10分、カツ丼(小)が目の前に出された。「小」といえども、立体的に感じるほどのボリューム。「小」でもおなかいっぱい、カツ丼を堪能できることは間違いない。なお、カツ丼の量はここ20年は変わっていないという。
早速、カツとご飯を口に入れた。すると、外観とは裏腹に優しい味わいが口いっぱいに広がる。また、カツがとても柔らかく味がしっかりと染み込んでいる。「外は豪快、中は柔和」。カツ丼を食べながら、そのようなフレーズがふと頭に浮かんだ。
初枝さんによると、創業した昭和41(1966)年から、カツ丼の味は変わっていないという。カツ丼は手間がかかるので、メニューに入れるのを躊躇したこともあったそうだ。しかし、球場の近くという場所柄も影響したのだろう。いつしか語呂的にも縁起がいいカツ丼が、大力食堂の看板メニューとなった。
創業当時から変わらない味を提供し続けているのには訳がある。初枝さんによると、「大力食堂以外のカツ丼を食べたことがない」からだとか。そのため、他店からの影響もなく、昔からの常連からも「味が変わらない」とお墨付きを得ている。どうしても、他店の味が気になるものだが、あえて「他店のメニューを試さない」という姿勢も飲食店を長く続けるコツかもしれない。
ところで、大力食堂のカツ丼は大と小しかない。初枝さんによると、女性は小がオススメとのこと。家族連れだと、ひとつのカツ丼をシェアするのが一般的なようだ。初枝さんとお話しながら、ゆっくりとしたペースで完食。カツ丼に箸を入れてから、1時間もかかった。ちなみに、「小」はご飯1合半gで、+税込200円となる「大」はご飯2合半gとなっている。
○「大会前日は覚悟を決める」
場所柄、野球と切っても切れない関係にあるのが大力食堂の特徴だ。最も、混み合うのは春・夏の全国高校野球大会の時。高校生や関西の方もちろん、関東など遠方からの高校野球ファンも訪れる。遠方からの高校野球ファンの中には必ず大力食堂で腹ごしらえをする人もいる。
「大会前日は覚悟を決める」と初枝さん。大会期間中はカツを揚げては盛るの作業が一日中続く。関西の高校が試合をする日は特に混み合う。高校野球が終わると、とにかくホッとするという。確かに、選抜高校野球決勝の翌日の初枝さんの表情からは安堵の様子が感じられた。
高校野球の次ににぎわうのは、甲子園球場で阪神タイガースの試合がある日。試合前に阪神ファンが大力食堂を訪れ、腹ごしらえをしてから応援に臨む。大力食堂で見ず知らずの野球ファンと野球談義に花を咲かせてから、野球観戦するのも面白いだろう。「阪神ファンは勝っても負けても多い」と初枝さん。大力食堂が熱心な野球ファンとともに存在することを改めて認識した。
○色紙を書くには条件がある?
ところで、店内の壁を見ると、芸能人をはじめ多くのお客さんの色紙が飾られている。誰でも色紙が書けるのかと思いきや、そうではないようだ。色紙が書けるのは5人以上全員がカツ丼(大)を完食した時。この条件は簡単なようで、難しいかもしれない。
色紙を見ると、その多くが高校や大学の運動部に所属している学生だった。学生のみなさんは一度、大力食堂の色紙にチャレンジしてはどうだろうか。きっと、学生時代のいい思い出になるだろう。
次に大力食堂を訪れる際は野球観戦とセットにしたい。また違った大力食堂の表情が見られるのではないだろうか。そう思いながら、甲子園球場を見上げつつ、甲子園を後にした。
●information
大力食堂
住所: 兵庫県西宮市甲子園綱引町2-29
アクセス: 阪神電気鉄道本線「阪神甲子園駅」から徒歩10分
営業時間: 10:00~19:00
定休日: 月1回の不定休と年始(1月1~3日) 

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大力食堂
place
兵庫県西宮市甲子園網引町2-29
phone
0798490800
opening-hour
10:00-22:00
no image

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