名古屋城待望の飲食施設「金シャチ横丁」誕生! 魅惑の名古屋めしが勢ぞろい


2018.04.15

マイナビニュース

名古屋観光の新たな目玉、「金シャチ横丁」が3月29日にオープンした。名古屋城の東西の入口界隈に設けられた商業施設で、飲食店や土産物店合わせて19店舗が立ち並ぶ。この新エリアの味わい処を一気に紹介しよう。
○名古屋城に入場しなくても利用可能
正門側の「義直ゾーン」は尾張藩初代藩主・徳川義直にちなんだ「伝統・正統のエリア」。江戸時代の商家をモチーフとした12店舗が左右に連なる。東門側の「宗春ゾーン」は大胆な経済改革で異彩を放った7代藩主・宗春をイメージした「新風・変化のエリア」。カフェ風の現代的なデザインの7店舗が並ぶ。
名古屋城に入場しなくても利用できるので、食事や買い物のために立ち寄るのもいい。また、横丁のオープンにともない名古屋城の再入場が可能になり、城内の見学と食事のスケジュールの自由度が高くなった。
○王道の名古屋めしがそろい踏みの「義直ゾーン」
「義直ゾーン」はさながら名古屋めしストリート。味噌煮込みうどんやきしめんの「山本屋総本家」、みそかつの「矢場とん」、名古屋コーチン親子丼や手羽先の「鳥開総本家」、うなぎのひつまぶしの「ひつまぶし名古屋備長」といった名古屋の代表的なご当地グルメがズラリそろっている。
その他にも、天むすや味噌天丼などの「徳川忠兵衛」、味噌田楽などの「名古屋とうふ河口」、守口漬や魚の粕漬けの「尾張屋」、牛鍋などの「スギモト牛鍋店」、和菓子の名門・両口屋是清による和カフェ「那古野茶屋」など、どの店舗でも名古屋らしさを感じられるメニューを食べることができる。
金粉をトッピングした「金シャチひつまぶし」(7,128円、「ひつまぶし名古屋備長」)、「黄金みそかつ御膳」(3,024円、「矢場とん」)、大きな海老天が2尾盛られた「金シャチ煮込うどん」(1,932円、「山本屋総本家」)など、ここでしか食べられないゴージャスな限定メニューもあり、まさにお殿さま気分を味わえるといったところだ。
ガッツリ系のメニューばかりでなく、チョコレートなどをトッピングするお団子(「那古野茶屋」)や日本酒の立ち飲み(「十代目儀介」)など甘党や左党向けのメニューや店もあり。さらに、大半の店舗にテイクアウトメニューがあるので、食べ歩きも楽しめる。屋外のテーブル席も多数設けられているので、天気のいい日はここであれこれと食べ比べするのもいいだろう。
名古屋土産も充実している。「なごみゃ」は金シャチ横丁オリジナルグッズをはじめ、地元の銘菓、名産品を集めたお土産専門店。「えびせんべいの里」は愛知県発祥のえびせんべいの専門店で、量り売りもあるのでお好みの種類・量をチョイスできる。「十代目儀助」では、実は日本酒の酒蔵が多い愛知県の地酒を中心に30銘柄をセレクト。隠れた和菓子処である名古屋の中でも随一の老舗である両口屋是清による「那古野茶屋」では、金シャチ横丁限定のオリジナル菓子がいくつもある。
○名古屋外食シーンの新トレンドを感じる「宗春ゾーン」
「宗春ゾーン」は名古屋の新興外食企業を中心としたセレクトが面白い。いわゆる名古屋めし系は、あんかけスパ(「あんかけ太郎」)や台湾まぜそば(「フジヤマ55」)といったコアなファン向けのマニアックなもの。他はイタリアンバールやカフェなど、創作メニューを中心としたカフェやレストランが中心。このラインナップは地下鉄市役所駅前という立地を意識したものだ。
「周辺は名古屋市役所や愛知県庁がある官庁街で、館内の食堂以外に飲食店がほとんどない。そのランチやディナー需要に対応したいという狙いもある。また、名古屋城はアジア諸国を中心にインバウンドのリピーターが多く、旅慣れた彼らは地下鉄を利用する。名古屋めしもひと通り経験している人にとって新鮮味が感じられる店をセレクトしている」と運営する日本プロパティマネジメント担当者は言う。
熟成ステーキや自家製パン・ポップオーバーを使ったサンドイッチなどの「POP OVER CAFE&DINNER」や、ヘルシー&スローフードの「SHIROMACHI GRILL(城町グリル)」、愛知県産の豚を使った「ポークレストラン岳家」、ワインにも合う串揚げの「創作串揚げ つだ」、オーガニック野菜のランチにシーフードのディナーや金箔をトッピングした金シャチソフトの「saien vegetable cafe seafood bar」のラインナップは、地元の人もデートなどで足を運びたくなる。
○グルメだけじゃない! 尾張名古屋の歴史文化にふれる
グルメが主役の金シャチ横丁だが、史跡・名古屋城に付随する施設だけあって、歴史エンタメ要素も盛り込まれている。
来場者を出迎えてくれるのは公式おもてなしキャスト「徳川義直、宗春と忍び衆」に、公式サポーター「プリンセスサムライ オブ ジャパン あいち戦国姫隊」。絢爛な歴史衣装をまとったキャラクターたちが横丁をねり歩き、記念撮影などに応じてくれる。金シャチちんどん屋・金シャチ舞もしばしば登場し、金シャチを頭にする獅子舞パフォーマンスや、金シャチ横丁おみくじを実施する(いずれも主に土日祝日)。
両ゾーン間や名古屋城周辺を周遊する人力車の運行も。さらに壁面の絵巻イラストにも仕掛けが。名古屋城や甲冑、葵の御紋などをモチーフとした木彫りのイラストが合わせて30種類あり、スマホにARアプリ「ココアル2」をダウンロードして映すと、名古屋城や尾張徳川家、名古屋の歴史文化に関する英語音声+日本語字幕の解説映像を見られるのだ。
名古屋城は年間約190万人(2016年)を集める名古屋随一の史跡・名所でありながら、これまで飲食施設が少ないことが内外から指摘されてきた。だが、金シャチ横丁の誕生でこの弱点は一挙に解消。天守閣は木造復元に向けての準備のため、この5月7日より入城禁止となる(木造天守閣の完成は計画では2022年12月)が、金シャチ横丁でにぎわいを呼び込めば、このハンディを十分カバーすることができそうだ。
●information
金シャチ横丁「義直ゾーン」
住所: 愛知県名古屋市中区三の丸1-2-3~5
アクセス: 地下鉄市役所駅または浅間町駅より徒歩10分
営業時間: 10時30分~名古屋城閉門30分後(通常17時まで)
定休日: 名古屋城休業日に準ずる
金シャチ横丁「宗春ゾーン」
住所: 愛知県名古屋市中区二の丸1-2・3
アクセス: 地下鉄市役所駅よりすぐ
営業時間: 10時30分~22時30分
定休日: 名古屋城休業日に準ずる
※価格は税込
○筆者プロフィール: 大竹敏之(おおたけとしゆき)
名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなど幅広い媒体で名古屋情報を発信する。名古屋メシ関連の著作を数多く出版。著書に『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』『名古屋メン』『名古屋めし』(リベラル社)、『名古屋の商店街』(PHP研究所)、『東海の和菓子名店』(ぴあ中部支局/共著: 森崎美穂子)などがある。Webガイドサイト「オールアバウト」名古屋ガイド。愛知県や名古屋市などの協同プロジェクト、なごやめし普及促進協議会ではアドバイザーを務める。 

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金シャチ横丁 正門エリア 義直ゾーン
place
愛知県名古屋市中区三の丸1-2-3・4・5
opening-hour
10:30-17:30(店舗により異なる…
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