1日で鎌倉を巡るなら! 絶対押さえておきたい観光名所6カ所の歩き方


2016.12.06

マイナビニュース

●夏目漱石も鎌倉にゆかりあり! 安倍晴明がなぜ鎌倉に?
鎌倉を知る人に、観光地としての鎌倉の良さを訪ねると、多くの人から同じような答えが返ってくる。それは、「海あり、山あり、歴史あり。そして、おしゃれなカフェや新鮮な海産物を食べられる店などが、狭い範囲にギューっと集まっている」というもの。
確かに京都などに比べると、鎌倉は狭く、見どころとなる名所同士の距離も近いので、短時間で観光できるのは間違いない。とは言え、鎌倉市内の寺院の数だけでも100ヶ寺を超えるので、見るべき場所をしぼり、効率よく観光したいものだ。今回は、どちらかと言えば「鎌倉初心者」向けに、鎌倉の主要観光名所6カ所を1日で巡るモデルコースを紹介しよう。
○北鎌倉駅からスタート! まずは「円覚寺」へ
今回歩くコースで最初に向かう、鎌倉を代表する禅寺のひとつである「円覚寺(えんがくじ)」は、JR横須賀線の北鎌倉駅のすぐ目の前にある。8時から拝観可能なので、人が少なめな早めの時間に訪れるのがオススメだ。
総門をくぐり、拝観受付を済ませ先へ進むと、外の世界とは異なる、禅寺らしい凛とした空気が漂っているのを感じる。境内で参拝者をまず出迎えてくれるのは、明治時代の文豪・夏目漱石の小説『門』にも登場する、均整の取れた美しい三門(山門)だ。
漱石は、明治27(1894)年、円覚寺の塔頭(たっちゅう)のひとつ「帰源院」に止宿、参禅し、後にこの時の体験を生かして小説『門』を書いたという。円覚寺は桜と紅葉の名所なので、ベストシーズンは春先か晩秋だが、訪れる人が比較的少ない夏場や冬に、ゆっくりと拝観するのも悪くない。
また、円覚寺の境内には、神奈川県で唯一の国宝建築である「舎利殿」という建物がある。普段は非公開だが、正月三が日、ゴールデンウィーク、そして秋の「宝物風入」(11月3日の文化の日を含む3日間)の期間のみ一般公開されるので、その時期を狙って訪れるのもオススメだ。
○日本初の禅の専門道場「建長寺」へ
さて、円覚寺の拝観を終えたら、そのまま横須賀線の踏切を渡って、「白鷺池(びゃくろち)」という池の間を歩いて行こう。間もなく、県道に出るので、これを左手に進む。「縁切り寺」「駆込み寺」の異名を持つ東慶寺や、浄智寺という趣深い禅寺の門を見ながら歩を進めると踏切があり、その先に「鎌倉五山」という飲食店がある。
その傍らに立つ小さな石碑をよく見てみると、漫画や映画でもお馴染みの陰陽師(おんみょうじ)、安倍晴明(あべのせいめい)の名が刻まれている。なぜ、平安時代に京都で活躍した安倍晴明が、遠い鎌倉の地にまつられているのだろうか。詳細は分からないが、鎌倉幕府は、頼朝、頼家、実朝の三代で源氏の血筋が途絶えると、四代目以降の将軍を京都から招き、その将軍たちは陰陽師を重用したというから、陰陽師たちが自分たちの祖である清明を崇めていたのかもしれない。
清明の石碑の場所から300mほど歩くと、左手に鎌倉五山第一位の建長寺が見えてくる。「鎌倉五山」とは、鎌倉時代から室町時代にかけて禅宗(臨済宗)の寺院を格付けした制度だ。比叡山などを見れば分かるように、昔は寺院を山に建てたことから、「山」とは「寺」を意味し、「五山」とは、大きな5つの寺というような意味合いになる。建長寺の境内は、かなり広く、駆け足で主な建物のみを拝観するとしても、一時間は見ておきたいところだ。
さらに、寺の裏山にまつられている建長寺の鎮守「半僧坊」から石段を登れば、北鎌倉の峰々の尾根伝いを歩く「天園ハイキングコース」に入ることもできるが、こちらを歩くのはまた別の機会にし、今回は、先へ進むことにしよう。
○恐ろしいはずの地獄の閻魔が笑っている?
建長寺を出て県道を先に進むと、すぐ右手に円応寺という小さな寺院がある。この寺の本尊・閻魔大王像、その表情から「笑い閻魔」とも呼ばれる。鎌倉時代の仏師・運慶の作と伝わり、大変迫力がある優品なので拝観をオススメしたい。
さて、円応寺の少し先に、巨大な蒲鉾(かまぼこ)型のトンネルが見えてくる。この場所は「巨福呂坂切通(こぶくろざかきりどおし)」と呼ばれ、山に囲まれた鎌倉への7カ所の入り口である「鎌倉七口」のひとつに数えられる。トンネルを抜け、緩い坂道を300mほどカーブを描きながら下っていくと、左側に鬱蒼(うっそう)とした「鶴岡八幡宮」の森が見えてくる。
鶴岡八幡宮と言えば、言わずもがなな鎌倉観光のメインスポットだ。続いては、鶴岡八幡宮からスタートする人にも参考にしてもらえる鎌倉めぐりを紹介しよう。
●鎌倉は鶴岡八幡宮だけじゃない! 竹の庭でお抹茶を、銭洗弁財天で金運を
○武家の都の中心「鶴岡八幡宮」を目指して
鶴岡八幡宮は、言わば「武家の都」鎌倉の中心だ。現在も残る、鎌倉の主な道路など街の基本的枠組みをつくったのは源頼朝だが、京都生まれの頼朝は京都(平安京)を参考に鎌倉の街づくりに着手した。そして、京都で言えば天皇の住まわれる場所である内裏(だいり)の位置に、軍(いくさ)の神である八幡神をまつったのが鶴岡八幡宮なのだ。
鶴岡八幡宮を出たら、目の前の道を左手に歩を進めよう。この先、バス通りを歩いて行くが、この道は「金沢街道」と言い、横浜市金沢区六浦(むつうら)方面へ通じている。鎌倉の海岸は遠浅で大きな船が着岸できなかったため、かつて六浦の港は鎌倉の都市経済を維持する上で、とても重要な存在だった。そのため鎌倉と六浦港を結ぶ金沢街道は、多くの人や物が行き交ったという。
さて、金沢街道を歩くこと20分ほどで、「報国寺入口」という交差点がある。ここから小さな川の流れを渡って谷戸(やと)の奥へ少し進むと、美しい「竹の庭」で知られる竹寺こと報国寺がある。
竹林の所々に灯篭や石仏を配したシンプルな庭は、「和」の雰囲気を感じられるスポットとして、近年とても人気が高く、休日ともなれば随分と人も多いようだ。竹林の一隅には、庭を眺めながら抹茶をいただける茶席「休耕庵」がある。竹の葉ずれの音に耳を傾けながら、ゆったりとした時間を過ごしたい。
報国寺の拝観を終えたら、バスで鎌倉駅へ戻ろう。ちなみに、報国寺の最寄りのバス停名は「浄明寺」といい、近くには鎌倉五山第五位の「浄妙寺」という寺院がある。バス停と寺の名前で違う漢字を使っているのは、聞くところによれば、格式の高い寺に遠慮して地名には違う漢字を当てたのだという。
鎌倉駅までは、バスで10分ほど。途中、鶴岡八幡宮から鎌倉駅前までは、鎌倉のメインストリートである「若宮大路」の中央に一段高く盛り土された「段葛(だんかずら)」という歩道が車窓からも見える。段葛は、頼朝が妻である政子の安産を祈願して奉納したという鶴岡八幡宮の正式な参道なので、時間に余裕があるなら、ぜひ、バスを下りて歩いてみたいところだ。
●information
報国寺 竹の庭
拝観時間: 9:00~16:00(抹茶の受付は15:30まで)
拝観料: 200円 抹茶代: 500円
拝観休止日: 12月29日~1月3日
○大仏や長谷観音の門前町、長谷エリアへ
最後は鎌倉観光の人気エリアである、鎌倉大仏や長谷寺の門前町でもある長谷へ向かおう。鎌倉駅から長谷へは江ノ電またはバスで向かうことができるが、今回は江ノ電を使おう。
鎌倉駅の江ノ電乗り場は西口にあり、バスロータリーのある東口とは逆側だが、IC乗車券を持っていれば東口のJR改札から入場し、そのまま江ノ電の改札を通ることができる。鎌倉駅から長谷駅までは、わずか3駅5分ほどだ。駅を下りれば門前町らしく、通りに沿って飲食店や土産物屋が並び、活気がある。
長谷寺までは、長谷駅から徒歩でおよそ5分だ。長谷寺の本尊である「長谷観音(十一面観音像)」は高さ9.18mもあり、歴史ある木造の仏像としては日本最大級のもの。また、境内からは由比ヶ浜の海岸を一望でき、とても清々しい。長谷寺は、初夏のアジサイ、晩秋の紅葉の名所としても知られ、紅葉の時期には鎌倉で唯一、夜間ライトアップが行われる。
また、大仏へは長谷寺から徒歩でさらに2分ほど。大仏は2016年3月に、およそ半世紀ぶりとなる本格的な調査・清掃作業が終了したばかり。ぜひ、きれいになった大仏さまをお参りしよう。
○時間があれば、足をのばして「銭洗弁財天」まで
さて、ここまででも十分見所満載だが、もし時間と体力に余裕があるなら、「裏大仏ハイキングコース」を歩いて源氏山周辺にある金運にご利益ありとされる銭洗弁財天や、仕事運にご利益ありとされる佐助稲荷神社へも足をのばしてみよう。大仏から徒歩5分ほどの「大仏坂トンネル」の側道の石段がハイキングコースの入り口になっており、ここから源氏山までは、およそ20分だ。
○鎌倉のランチは弁当もオススメ?
鎌倉を観光していて、意外に困るのがランチだ。鎌倉の飲食店は小規模な店が多く、人気店は休日ともなれば長蛇の行列ができるため、店に入れない観光客を指す「ランチ難民」という言葉もあるほどだ。
もし、天気が良ければ弁当を買って、外で食べるのもオススメだ。鎌倉駅の周辺では、鯵(アジ)のそぎ身を伝統の合わせ酢でしめた大船軒の「鯵の押寿し」(税込960円)や、昔ながらの手揚げ風の油揚げを使用したジューシーなロールいなり「はんなりいなり」(税込660円)など、おいしい弁当が売られている。
さて、鎌倉の主要観光名所6カ所を1日で巡るモデルコースいかがだったろうか。今回紹介したコースを基本に、季節の花の美しいスポットや、穴場スポットなどを組み入れて、ぜひ、好みのコースを作り、鎌倉散策を満喫してほしい。
○筆者プロフィール: 森川 孝郎(もりかわ たかお)
旅行コラムニスト、オールアバウト公式国内旅行ガイド。京都・奈良・鎌倉など歴史ある街を中心に取材・撮影を行い、「楽しいだけではなく上質な旅の情報」をメディアにて発信。観光庁が中心となって行っている外国人旅行者の訪日促進活動「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の公式サイトにも寄稿している。鎌倉の観光情報は、自身で運営する「鎌倉紀行」で更新。 

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深沢銭洗弁財天
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神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤
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0460855700
no image
円覚寺
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4.5

487件の口コミ
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神奈川県鎌倉市山ノ内409
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0467220478
opening-hour
[3-11月]8:00-16:30[12-2月]8…
建長寺
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4.5

531件の口コミ
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神奈川県鎌倉市山ノ内8
phone
0467220981
opening-hour
[拝観時間]8:30-16:30
宗教法人 長谷寺
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4.5

7件の口コミ
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神奈川県鎌倉市長谷3-11-2
phone
0467226300
opening-hour
8:00-17:00(10-2月は16:30まで…
鶴岡八幡宮
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3.5

15件の口コミ
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神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
phone
0467220315
opening-hour
6:00-20:30
報国寺
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4.0

22件の口コミ
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神奈川県鎌倉市浄明寺2-7-4
phone
0467220762
opening-hour
9:00-16:00

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