【取材】長野の秘境に佇む老舗温泉宿の最新客室と、リニューアルした朝食をご紹介


2022.11.06

一休コンシェルジュ

創業1931年、清流と深き緑に囲まれた標高1,050メートルの渓谷に佇む一軒宿「扉温泉  明神館」。88周年を迎えた2019年以来、より寛げる旅館を目指して一部客室や館内のリニューアルを行い、新たな魅力を発信し続けています。
2022年4月には、和洋2種の朝食メニューをリニューアル。常に進化を続ける老舗旅館を、一休コンシェルジュ編集部が取材させていただきました。標高1,050メートル、神話に由来する地にひっそりと佇む一軒宿「扉温泉 明神館」までは、長野県松本市の中心部から車で約45分。2台の車がやっとすれ違えるほどの細い山道を進むと、標高1,050メートルの渓谷に、手付かずの自然に囲まれて佇む一軒宿が見えてきます。この谷にそびえ立つ大きな二枚岩が、日本神話の岩戸に由来するとも伝えられている扉温泉。神様達が湯治に訪れる場所だったとも言われており、そこから「明神館」という宿の名が付いたそうです。真空管アンプのオーディオからクラシックやジャズが静かに流れる館内は、和の設えとアンティークの家具が調和した重厚で落ち着いた雰囲気。少し暗めの照明が、窓から見える自然の美しさを引き立てています。白樺の木を取り入れ、扉温泉の原風景を再現したサロンチェックインは、ロビーの奥にあるサロンで。宿のある場所は元々白樺の原生林だったそうで、昔の風景をゲストにも味わってもらえるように、2021年の館内リニューアルのひとつとしてサロンの室内に本物の白樺の木を取り入れました。取材に伺った日からハロウィンの装飾がスタートしたそうで、白樺の木を活かしながら、紅葉やカボチャ等の可愛い装飾が至る所に施されていました。チェックインの15時から19時まで、スパークリングワインやフルーツウォーター、コーヒー、紅茶を自由にいただける他、ワインの量り売りサーバーで、地元・長野県のワインを飲むことができます(量り売りワインは有料です)。サロンの奥には、談話室やオープンテラスがあります。客室以外にも自由に寛げる場所が館内に複数用意されているのも、この宿の魅力と言えるでしょう。2021年5月誕生、お部屋の中央に備わるお風呂で温泉を満喫する「然 SPA Living」今回取材させていただいたお部屋は2つ。先ず1つ目は、2021年5月に誕生した、宿で一番新しい客室の「然 SPA Living」。自然の中で過ごすような感覚や、“ありのまま”という「然」シリーズのコンセプトに、扉温泉の神話を取り入れたこのお部屋の一番の目玉は、室内に入ってすぐの場所に設けられたスパリビング。
白・黒2つのテーマカラーに分かれており、今回は白を基調にしたお部屋を見せていただきました。天之手力男神がこの扉の地に降り立ち、湧き出る湯に浸って体を癒したという神話・扉伝説を現代風にアレンジした空間デザインになっており、浴槽の中央に設けられた銅のパイプは、天から湯が溢れるようなイメージ。湯はもちろん温泉ですが、香りも楽しめるようにと、宿お手製の入浴剤が3種類用意されています。更に、アロマキャンドルも備えられており、照明を落として、香りと共にゆらめくキャンドルの炎に癒されたり、瞑想にふけってみたり、思い思いに寛ぐことができます。壁に展示している流木と苔の作品は、実際に購入することも可能。この部分だけを見ていると、まるで美術館のような雰囲気です。カウンターの裏にはダブルシンクの洗面台と、シャワールーム。バスアメニティも男性用・女性用共に充実しています。月見障子で仕切られた先は、畳にベッドを配した寝室となっています。ベッドは、世界有数のベッドマットレスブランド「Sealy(シーリー)」社製。広縁の空間はフロアレベルのソファーになっており、窓の外には国定公園の自然を望みます。足を延ばしながらの読書をしたり、お昼寝をしたり、床に座って寛げる癒しのスペースです。音響設備にもこだわったこのお部屋。「Lo-D」のヴィンテージスピーカーを備えたオーディオ機器があり、更に室内の壁には、音が綺麗に反響するように特別に調合してもらった塗料を使用しているそう。
レコードを楽しむもよし、Bluetoothスピーカーを使ってお気に入りの音楽を楽しむもよし。思い思いのBGMで、リフレッシュ&リラックスできること請け合いです。2019年4月誕生、107平米の空間と大きな露天風呂で寛ぐ宿の最上級客室続いて見せていただいたのは、2019年4月に誕生した「然」の中で最も広い「白樺」。一休.comでは「露天風呂付【然-白樺】luxury107平米」としてご紹介しています。
107平米もの室内は、木や土の質感を活かしたハイセンスでラグジュアリーな空間。大きな古木の根と金属を加工して作ったアート作品のような扉が目を引きます。室内にテレビや時計は無く、クラシックなオーディオ機器から流れるアンティークレコードの音色が、ラグジュアリーな空間をより華やかに演出してくれます。お部屋の中央に配置されたカウンターは、松の木を加工して作られたもの。このお部屋に限り、専用のプランで予約をすると部屋食が可能となっています。天蓋風のヴェールが掛けられたベッドは、心地良い眠りに誘ってくれそうです。藁入りの土壁や、木の枝を活用したフロアレベルのソファーの背もたれなど、自然と共に暮らすような“ありのまま”を随所に感じられます。テラスも53平米という贅沢な造り。屋根付の大きな露天風呂が存在感を放っています。大人2人がゆったりと入れるほど大きな浴槽は、寝湯として楽しむことも。日中は間近に迫るような自然を、夜には満天の星を眺めながらの湯浴みは、忙しい日常を忘れさせてくれそうです。ゆったりとした造りのシャワーブースや、4つの洗面スペース、広々としたウォークインクローゼットなど設備も充実。贅を尽くした空間で暮らすように過ごし、安らぎと癒しを感じられることでしょう。地元の旬の食材で長野の四季を味わう和洋2つのレストラン「ナチュレフレンチ菜」館内には、地産地消を大切にしたレストランが2つ。「ナチュレフレンチ菜」のディナーは、野菜をメインに、松本の季節の移ろいを一皿一皿に再現したコース料理。「信州ダイニングTOBIRA」では、旬の食材に斬新な趣向の数々を施したコース料理をいただけます。「信州ダイニングTOBIRA」私達が夕食をいただいた「信州ダイニングTOBIRA」は、料理もさることながら、広々とした店内も魅力のひとつ。白樺風の照明がお洒落なテーブル席、窓のすぐ側に設けられたボックス席風のソファー席、個室があり、雰囲気も全く異なります。夕食は、季節によってメニューが変わる「月響コース」。写真左は「信州サーモン錦糸巻き」、右は上から「かぼちゃと小豆の寄せ」「衣かつぎ」「裏白椎茸」「丸十イチョウ揚げ」。
食材だけでなく、紅葉やイチョウなどの色付いた葉を取り入れた盛り付けからも季節を感じられ、五感で秋を満喫できました。松茸、三つ葉、柚子を使用したお椀は、蓋を開けた瞬間の松茸の香りと、口にした際の出汁の味わいが相性抜群。焼肴の「鰻白焼き」は、パリっとした皮とふわふわの身のバランスが絶妙でした。ちなみにお米は、宿のスタッフ達が毎年自社の水田で手植えをしている“扉米”。ここでしか味わえない御馳走の数々に、お腹も心も満たされました。2022年4月リニューアル!野菜を中心にした体に優しい和洋2つの朝食翌朝の朝食は「ナチュレフレンチ菜」にて。マクロビオティックを学んだシェフによる、自家農園の無農薬野菜も使用したヘルシーな洋朝食で、2022年4月にリニューアルしたメニューは、従来のメニューから更に信州の食材にこだわり、野菜を中心にすることで体内から美しくなることを意識したそう。新たに加わった特製スムージーは3種類の中から好みの味を1つ選びます。こちらもリニューアルに伴って、季節の焼き野菜やマリネなどを追加。栄養のバランスも見た目の華やかさも抜群の一皿になりました。従来からのメニューも、一品一品が丁寧に作られているのが分かるものばかり。素材を活かした軽やかな味付けが印象的な、大満足の朝食でした!和朝食も用意していただいたので、少しご紹介。こちらも洋食同様に2022年4月にリニューアルしました。新たに加わったのは、契約農家から仕入れた野菜の盛り合わせと、鮪山掛けなど4種の小鉢が入ったお重。他にも、お客様が席に着いてから調理を始める焼き立ての出汁巻きや、地元「喜多屋醸造店」の味噌「雪娘」に、料理長が独自に配合した出汁を合わせた味噌汁など、手間暇を惜しみなくかけた従来からのこだわりのメニューが並びます。人気の「原木椎茸焼き」は、香りだけでご飯が食べられてしまいそうなほど。
素材にこだわり、食材の持ち味を活かした和洋2つの朝食。目覚めたての体に優しく染み渡り、一日の元気をたっぷりとチャージすることができました。宿のシンボル的存在「立ち湯『雪月花』」で自然に溶け込む温泉浴宿自慢の温泉も、忘れてはいけません。3か所あるお風呂の中でも高い人気を誇っているのが、様々なメディアの記事でも見かけることが多い「立ち湯『雪月花』」。
渓谷側の壁を大きな開口にし、渓流に突き出すように造られた湯船が特徴で、自然をダイナミックに感じられると好評。景色を映した湯面に浸かれば、自分も自然の一部になったような気分を味わえます。浴槽の渓谷側の部分は水深120センチメートルと深くなっており、立った姿勢で浸かる立ち湯に。外の風を感じ、渓流をのぞき込みながらの湯浴みは、時間が経つのを忘れてしまうほど快適でした。今後も、95周年、100周年に向けて更なる進化を続ける「扉温泉 明神館」。老舗ならではの心地良いおもてなしと唯一無二の空間、ここだけの自然が、喧噪とは無縁の非日常のひとときを叶えてくれます。きっといつ訪れても、懐かしさと新鮮な感覚の両方を味わわせてくれるのではないでしょうか。 扉温泉 明神館 長野県/松本・扉温泉 詳細情報はこちら  

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扉温泉 明神館
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4.0

494件の口コミ
place
長野県松本市入山辺8967
phone
0263312301
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