現代の感性が光る、京都の伝統工芸が生きる宿5選

100年以上の長きにわたり受け継がれた技術や技法、伝統的に使用されてきた原材料を用いて生み出される伝統工芸品。
古都・京都には数多くの伝統工芸品が存在し、現代に継承されています。
今回はそんな職人技が光る品々を現代風にアレンジした、こだわりの設えが自慢の京都の宿を厳選して5軒ご紹介します。1．竹と色鮮やかな染物に彩られたデザイナーズホテルＴＨＥＪＵＮＥＩＨＯＴＥＬ京都（京都府／京都市東山）「ＴＨＥＪＵＮＥＩＨＯＴＥＬ京都」は、“竹と月光”をコンセプトとして掲げるデザイナーズホテル。
ホテルの至る所で、竹を用いた伝統工芸品がアートとして散りばめられ、天に向かって伸びる竹の生命力と心地よい揺れが、優しさと安らぎの空間を演出します。ロビーラウンジの壁一面には専用の道具で叩き、板状にする伝統技法「ひしぎ加工」を施した丸竹が敷き詰められ、伝統的でありながらも斬新なデザインに、思わず目を凝らして見てしまうほど。竹以外にも、染物作家の奥田祐斎氏が伝統技術によって再現した「夢こうろ染」が館内を彩ります。
3タイプのお部屋には、テーマごとに色が異なる夢こうろ染のアート作品が飾られているので、お楽しみに。太陽の光によって模様が美しく変化する染物に、伝統工芸の情緒を感じることでしょう。ＴＨＥＪＵＮＥＩＨＯＴＥＬ京都京都府／京都市東山詳細情報はこちら 2．思わず写真に収めたくなるような多種多様のお部屋THE SCREEN（京都府／河原町）アートギャラリーが軒を連ねる河原町エリア佇む「THE SCREEN」。 “デザインというおもてなし”をコンセプトに、館内には国内外のクリエイターが手掛ける様々な作品が散りばめられ、日本の美意識とデザインの粋に触れる滞在が叶います。館内に足を踏み入れたフロントには、京和傘の老舗「日吉屋」が手掛けた和傘のシャンデリアが。カラフルで可愛らしいデザインと和紙から漏れる優しい照明の光に、心が癒されることでしょう。1室1室異なる13室の客室は、それぞれのクリエイターがテーマに合わせて設えをデザイン。畳職人による井草を使用したラグや家具、雑貨が配されたお部屋や、京都の伝統工芸品でもある西陣織を壁面に用いた個性的なお部屋など、どこに泊まるのか選ぶのも楽しみの一つです。 THE SCREEN 京都府／河原町詳細情報はこちら 3．伝統工芸を担う後継者による、現代的な京の美を感じる設えホテルオークラ京都岡崎別邸（京都府／左京区）平安神宮や南禅寺をはじめとする観光名所が点在する京都の洛東・岡崎エリア。
「真宗大谷派岡崎別院(東本願寺岡崎別院)」の隣地に位置する「ホテルオークラ京都岡崎別邸」は、宿泊を大人だけに限定したスモールラグジュアリーホテルです。館内には京都の老舗「細尾」の西陣織をはじめ、伝統工芸を担う後継者6人によるプロジェクトユニット「GO ON(ゴオン)」が手掛ける、先進的な工芸品を取り入れ、現代的な京の美を感じることができます。京都の風情を感じることのできる全60室の客室は“東山に佇む山荘”をテーマに、京の手仕事による気品ある洗練された感覚に触れることが可能。
チェックインをしてから客室までの道すがらでも、様々な伝統工芸品が散りばめられているので、ぜひチェックしてみては。ホテルオークラ京都岡崎別邸京都府／左京区詳細情報はこちら 4．伝統的な手仕事を間近に見学できる町家スタイルのホテルホテルカンラ京都（京都府／京都駅周辺）東本願寺のすぐ側に佇む「ホテルカンラ京都」は、京都の伝統的な住宅形式である京町屋をモダンに表現した“マチヤスタイル”のデザインが特徴的なスモールラグジュアリーホテルです。客室のインテリアには、京焼や唐紙など様々な職人技が生み出す美しい伝統工芸品を取り入れ、滞在に華を添えてくれます。
なかでも開放的なアウトバスが備わる「別邸ザ・カンラスイート」は、100平米以上の広さを誇るスイート客室。京都の風情を感じながら癒しのひとときを過ごすことができます。1階にある伝統工芸品を集めたセレクトショップ「kanra shop」にも、ぜひ足を運んでみて。
併設の「金継工房リウム」では、陶磁器の傷を漆で修復しプラスに捉える、伝統的な技法「金継」の様子を見学できます。間近に見る職人技に思わず息を呑むことでしょう。ホテルカンラ京都京都府／京都駅周辺詳細情報はこちら 5．築100年以上の町屋で“メイドイン京都”に囲まれた滞在GUEST HOUSE KYOTO MICaSA京染呉服製造卸の店であった、築100年以上になる町家をリノベーションした、一棟貸切の宿「GUEST HOUSE KYOTO MICaSA」。天然の木材と職人が手で塗り上げた土壁の空間は、町家の風情を残しながら、モダンな雰囲気を醸します。インテリアの細部にまでこだわった空間は、京都で作られたものを中心に揃えているのが特徴。檜をふんだんに使用した寝室には、伝統工芸指物師・村山伸一氏作の組子障子が備わり、漏れ入る自然光が時間ごとに様々な表情を見せてくれます。チェックインを行う、宿に隣接した「丸昭」は、現在も呉服店を営んでいます。
滞在中は、京染呉服製造卸の現場を見学することも可能。京友禅をはじめとする美しい着物の数々に心奪われることでしょう。 GUEST HOUSE KYOTO MICaSA 京都府／烏丸御池詳細情報はこちら古きを残しつつもモダンな雰囲気を醸す宿で、京都らしい滞在をしてみませんか。　