一度は泊まりたい、創業200年以上の老舗旅館6選


2022.04.02

一休コンシェルジュ

長い時を重ねてきた老舗旅館には、一朝一夕にはなし得ない「伝統」を味わう醍醐味があります。その伝統が何百年も続くものであれば、なおさら。そこで今回は創業200年以上の宿を全国から6か所ピックアップ。一度は泊まってみたい老舗の名旅館をご紹介します。1.開湯600年。伊達政宗も入浴した歴史ある宿時音の宿 湯主一條(宮城県/白石市・鎌先温泉)室町時代、鎌の先で突いた先に温泉が湧き出たことがルーツと言われる宮城県の「鎌先温泉」。「時音の宿 湯主一條」は、一時途絶えていたこの温泉の湯主となり、発展に尽力してきました。努力の甲斐あって江戸時代には温泉番付にも登場。宿の蔵には独眼竜で知られる伊達政宗の入浴記録も残されており、ここを訪ねるだけで歴史の営みを実感します。本館は大正から昭和初期に建てられた木造一部4階建て。所有する山から切り出した木を用い、釘を1本も使わず造られたそうで、その端正な姿に魅了される人は少なくありません。「傷に鎌先」と言われる湯の良さはもちろん「ミシュランガイド宮城2017特別版」で3つ星プラスを獲得したお料理も本格派。訪れる人が後を絶たない人気宿です。 時音の宿 湯主一條 宮城県/白石市・鎌先温泉 詳細情報はこちら 2.527年の歴史。今なお進化し続ける修禅寺の名宿あさば(静岡県/修善寺)唐破風の堂々たる屋根と風に揺れる麻暖簾。その姿を見ただけで「あそこ!」とわかるほど、よく知られた伊豆の「あさば」。527年の歴史を誇る日本を代表する名旅館の一つで、世界中の優れたホテルやレストランだけが加盟できる「ルレ・エ・シャトー」のメンバーにも選ばれています。600坪の池に浮かぶ「月桂殿」はこの宿のシンボル。明治後期に深川富岡八幡宮から移築された能舞台で、ここでは定期的に能や狂言、浄瑠璃などの公演が開かれています。かと思うとダイアモンドチェアが置かれたモダンなサロンもあって、昔ながらの伝統文化と現代がうまく溶け合った美意識にノックアウトされること、請け合い。いつ訪れても新しい「あさば」に出会えるでしょう。 あさば 静岡県/修善寺 詳細情報はこちら 3.江戸寛政年間創業。小林一茶も愛した信濃の湯宿信州湯田中温泉 よろづや(長野県/湯田中温泉)JR長野駅から長野電鉄特急に約45分乗り、湯田中駅で下車、徒歩約7分。江戸寛政年間に創業した「信州湯田中温泉 よろづや」は、松代藩の湯治場として、あるいは善光寺詣りの精進落としの湯として長い間親しまれてきた宿。湯治客で賑わうこの温泉の様子を小林一茶が自著で記しているほか、作曲家の中山晋平や詩人の西条八十が訪れるなど、多くの文化人にも愛されてきました。なんと言っても圧巻は登録有形文化財の「桃山風呂」。社寺建築の技法を用いた純木造伽藍建築の湯屋で、折上の格天井といい、気品ある稲田石の床といい、湯屋というよりお寺のよう。歴史や伝統建築ファンにはたまらない独特の趣です。自家源泉が3つあって湯量も豊富。無色透明のさらりとした天然温泉を味わって。 信州湯田中温泉 よろづや 長野県/湯田中温泉 詳細情報はこちら 4.1639年創業。若き日の魯山人が逗留した山代温泉の湯元あらや滔々庵(石川県/加賀)創業から380余年。石川県・山代温泉の「あらや滔々庵」は、初代・荒谷源右衛門が大聖寺藩前田家から藩主専用の湯壺(内湯)の鍵を預かる「湯番頭」の命を受けたことに始まります。現在の当主でなんと18代!15代の頃には、まだ無名だった北大路魯山人を支援していた縁もあり、この宿には「赤絵皿」や「暁烏」の衝立、看板など、彼の作品があちこちに残されています。湯元だけあって湯量も豊富。地下わずか数十メートルの所から1日約10万リットルもの温泉が湧き出ているのだとか。ヒバの壁板に光が当たって金色に輝く浴場「瑠璃光」や源泉ミストに包まれる黒一色の特別浴室「烏湯」など、湯の設えにも独特のセンスがきらり。非日常の世界へ誘ってくれます。 あらや滔々庵 石川県/加賀 詳細情報はこちら 5.創業200年。細やかなもてなしの心がリピーターを生む京都の宿柊家旅館(京都府/京都)京都を訪れる人に安らぎのひとときを。そんな「来者如帰」の心でもてなして200年余り。古都の風情が色濃く漂う麩屋町通にのれんを掲げる「柊家旅館」は、最初は運送業や海産物商を営みながら旅人に部屋を提供していましたが、1864年(文久元年)に宿屋を本業に。「柊家」の屋号は、柊が自生する比良木神社に当時の主が帰依していたことから名付けられました。京都の中心にありながら館内は静謐な空間。数寄屋造りの本館は江戸末期の築で、豪華な襖絵や川端康成が執筆したお部屋など、歴史を感じさせる趣です。一方で、ベッドを置くなど、今の生活様式にフィットさせた部屋を設けた新館も居心地が良いと人気。設えが古くても新しくても、旅人を温かくもてなす心は健在です。 柊家旅館 京都府/京都 詳細情報はこちら 6.創業1675年。明治維新の志士の息吹をそこここに残す宿松田屋ホテル(山口県/山口市)西郷隆盛、伊藤博文、坂本龍馬……。明治維新の立役者らが集って熱い思いを語り合ったことで知られる山口県の「松田屋ホテル」。あちこちから歴史の息吹が感じられ、まるで幕末へタイムスリップしたかのよう。たとえば今「維新の湯」と呼ぶ家族風呂は薩長の志士らが浸かった湯。ほかにも高杉晋作が所感を刻んだ楓の木、伊藤博文が書いた扁額や「明治維新資料室」もあり、志士達の思いが伝わってきます。創業は1675年。江戸時代に作られた廻遊式日本庭園は国の登録記念物で圧巻の美しさ。この宿に泊まるなら、ぜひ大正時代築の木造2階建て本館にある「【本館】眺望庭園|沢潟:源泉掛け流し露天風呂付き<部屋食>」へ。池に迫り出したように立つ部屋で、風流なこと、この上なし。心静かな1日を過ごせます。 松田屋ホテル 山口県/山口市 詳細情報はこちら 今回ご紹介した宿は、誰に紹介しても恥ずかしくない、日本を代表する老舗旅館ばかり。何かの記念日に、自分へのご褒美に、ぜひ一度出かけてみませんか。きっと日本のおもてなしの素晴らしさを再発見することになるでしょう。 

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あさば旅館
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4.5

229件の口コミ
place
静岡県伊豆市修善寺 3450-1
phone
0558727000
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あらや滔々庵
place
石川県加賀市山代温泉18-119
phone
0761770010
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ラグジュアリー スイート

¥209,000

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2024/05/03 チェックイン(2名1室)※1泊1名あたりの料金   更新日:2024/04/20

時音の宿 湯主一條
place
宮城県白石市福岡蔵本鎌先1-48
phone
0224262151
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湯田中温泉 よろづや
rating

4.0

119件の口コミ
place
長野県下高井郡山ノ内町平穏3137
phone
0269332111
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湯田温泉 松田屋ホテル
place
山口県山口市湯田温泉3-6-7
phone
0839220125
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