少しばかり遠くても、予約を取るのが大変でも、どうしても行ってみたいと思わせられる魅力的な宿が全国には多々あります。そこで今回は、名湯にフォーカス！わざわざ出かけたい、名湯自慢の5つの宿をご紹介しましょう。1．名物・洞窟風呂などで湯三昧！予約困難な長野の一軒宿花仙庵 仙仁温泉岩の湯（長野県／北信）菅平高原と小布施町を結ぶ国道406号沿いにある「花仙庵 仙仁温泉岩の湯」。実はここ、予約が困難なことでも知られる旅館。その理由は温かいもてなしが心地良いから。あえて客室に温泉を引いていないのも、趣向の異なる浴場や休憩スペースをあちこちに設けることで宿全体を楽しんでもらうためとか。湯は弱アルカリ性単純泉。名物は奥行き30メートルもある洞窟風呂で混浴ですが、湯浴み着があるのでご心配なく。温めなので、加温した浴槽で体を温めてから入浴するといいでしょう。ほかに男女別の内湯と露天風呂、空いていれば無料で入れる3つの貸切風呂があって、飲泉も可能。チェックアウトは12時。たっぷり湯浴みを楽しんで。 花仙庵 仙仁温泉岩の湯 長野県／北信 詳細情報はこちら 2．白骨温泉唯一の無料貸切露天風呂で白濁湯を堪能白骨温泉 小梨の湯 笹屋（長野県／白骨温泉）松本ICから車で約1時間。白骨の温泉街から外れた静かな山間にある「白骨温泉 小梨の湯 笹屋」は移築古民家に10の和室を設けた宿。到着するやいなや漂ってくるのは硫黄臭。しかもその香りは白骨温泉でも特に強く、白濁湯ファンの憧れを集め続ける存在です。宿の周囲は白樺林。ライトアップされる夜は、より幻想的な雰囲気に包まれます。湯は含硫黄-カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉。「3日入れば3年風邪をひかない」と言われる高効能の湯で、なんと湯船の周りに温泉成分が固まった淵模様ができるほど！白骨温泉唯一の無料貸切露天風呂（30分）で楽しむもよし、大きな内湯に浸かるもよし。源泉100％の掛け流しで堪能しましょう。 白骨温泉 小梨の湯 笹屋 長野県／白骨温泉 詳細情報はこちら 3．渓谷沿いの貸切露天風呂にリピーターが殺到する福島の宿土湯別邸 里の湯（福島県／土湯）磐梯朝日国立公園内にある「土湯別邸 里の湯」は、福島西ICから20分程度の好アクセスにも関わらず、手付かずの原生林に囲まれた宿。館内は和を基調としつつも木を多用したナチュラルな趣で、和室や、和室にベッドを備えた和モダン室、そして離れの全9室。どのお部屋のお風呂にも無色透明の単純泉が注がれています。けれど、この宿ではお部屋の温泉に入る機会は無いかもしれません。というのも実は貸切風呂が3カ所もあって、そのどれもがとても魅力的だから。
圧巻は、杉木立の中の階段を下った先にある「深碧」。扇型と八角形、2つのお風呂を独り占めできる渓谷沿いの露天風呂で、聞こえてくるのは滝の音だけ。この極楽を一度でも味わったらリピートは必至です。 土湯別邸 里の湯 福島県／土湯 詳細情報はこちら 4．茅葺き屋根と歴史的建築が並ぶ旅籠で楽しむ滝見の湯かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠（群馬県／吾妻）堂々たる長屋門をくぐると、そこは別世界！浅間隠山の山懐に抱かれた「かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠」は、全国から由緒ある古民家などを移築した宿です。陶芸家・濱田庄司親子の住まいだった建物は、2年をかけて移築して食事処に。茅葺きの大屋根、黒光りする柱。時代箪笥や古民具のコレクションも多数飾られ、まるで江戸時代へ旅したような趣です。200余年に渡って自噴する薬師温泉も大きな自慢。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉。肌に優しいこの天然温泉を最も優雅に楽しむなら、温川（ぬるかわ）沿いの「滝見乃湯」へ。飛び散るマイナスイオンを浴びながら湯に浸かれるほど滝が間近で迫力満点。ライトアップされる夜や紅葉が美しい秋は、特に絶景の湯浴みが楽しめます。 かやぶきの郷 薬師温泉 旅籠 群馬県／吾妻 詳細情報はこちら 5．塩辛い湯を「石湯」と深さ130センチの「深湯」で味わう、長野の歴史宿妙湶和樂 嵐渓荘（新潟県／越後長野温泉）煮詰めれば塩ができるほど塩辛く、浴びれば傷も痛みも和らぐ湯……。その湯を求めて多くの人が足を運ぶ「妙湶和樂 嵐渓荘」。JR燕三条駅からバスで40分ほどの山間にあり、望楼を載せた木造3階建の「緑風館」はこの宿のシンボル。昭和初期の料亭旅館を移築した建物ですが、国の登録有形文化財にも登録されています。湯は無色透明のナトリウム-塩化物冷鉱泉。湯1リットルあたり、約16グラムもの塩が含まれていて、温泉水だけで炊いた「温泉粥」もさすがの美味しさ。ラウンジでは、この源泉をほうじ茶と合わせて提供されています。
ぜひ入浴してもらいたいのは、眺めの良い「石湯」と深さ約130センチの「深湯」。2つとも無料の貸切風呂なので、チェックインの際の予約をお忘れなく。 妙湶和樂 嵐渓荘 新潟県／越後長野温泉 詳細情報はこちら 名湯と呼ばれる湯には、泉質や効能だけでなく、長く愛されてきた歴史の趣や自然と調和した環境の良さなど、さまざまな理由があります。心に潤いを与えてくれる名湯を見つけにぜひ出かけてみませんか。
