文政元年創業。憧れを集め続ける京都の老舗旅館


2021.07.16

一休コンシェルジュ

江戸時代後期、文政元年に創業、京都を代表する老舗旅館の一つ「柊家旅館」。家に帰ってきたようにくつろげる場所でありたいという「来者如帰(らいしゃにょき)」の心で宿泊客をもてなして200年。これほど長きに渡って宿が愛され続けて来たのには、やはりそれなりの理由がありました。麩屋町通りで長く続く老舗旅館京都中心部にもかかわらず、静かな麩屋町通りに位置する「柊家旅館」。川端康成や三島由紀夫などの文豪や、チャップリン、アラン・ドロンなど海外からのゲストも多く、京都を代表する老舗旅館として名を馳せています。始まりは江戸時代文政元年(1818年)。運送業や海産物商を営みつつ、旅人に寝床を提供していたのが次第に宿へと発展していったそうで、宿名は初代が信仰していた「比良木神社」に由来しています。木造2階建。数寄屋造りの本館どこに目を向けても歴史の重みを感じますが、玄関もそのひとつ。石を敷いた広々とした空間は、かつてここまで人力車で乗りつけていたとか。部屋は本館と新館、合わせて28室。江戸末期から昭和に至る風情を感じたいなら木造2階建、数寄屋造りの本館がおすすめです。
特に人気があるのは「目立たないこと変わらないことは古い都の柊家のいいところだ。昔から格はあってもものものしくはなかった」と文を寄せた川端康成ゆかりのお部屋。柊家で最も古い一角にあります。「あちこちについている」と川端康成を楽しませた柊の葉の模様は今も健在。絨毯、浴衣、襖の引手や食器など、さまざまな所にデザインされています。この宿ではこの柊を探す楽しみも!ひとつ見つけるごとに目を細めるゲストの姿が目に見えるようです。伝統に新しい感性と機能を加えた新館一方、2006年に完成した新館は鉄筋造の3階建。柊家では唯一となるベッドのあるお部屋など、7室を備えています。造りや意匠はさまざまですが、坪庭からの光が上手く取り入れられており、より明るい雰囲気。もちろん本館同様、京の風情を生かした和空間であることに変わりはありません。お風呂のお湯には地下から汲み上げる井戸水を使っています。ステンドグラスが柔らかな雰囲気を醸すお風呂と新装された漆塗りのお風呂の2つの家族風呂もあるので、ぜひご利用を。どちらも柊家でなければ味わえない情緒がたっぷりです。格付けガイド紙で星を獲得した京料理お料理は京野菜など、吟味した旬の食材を手間暇かけて調理した京会席料理。器には清水焼も用いられ、京らしさを一層盛り立てています。感嘆するのは料理が運ばれるその絶妙なタイミング。熱い料理は熱く、冷たい料理は冷たいまま、しかも食べるスピードにぴったり合わせて運ばれてくることには感じ入るばかり。宿の都合ではなく、ゲストの立場に立ったもてなしが受けられるからこそ、ずっと愛されてきたのかもしれません。部屋食ももちろん可能ですが、新館の大広間でいただくのも一興。3面がガラス張り、しかも柱が1本も無い構造で驚くほどの開放感!柊家のもうひとつの魅力に触れられる時間となりますよ。
多くの観光名所に囲まれた京都にあっても、あちこち出歩くより宿そのものの気に包まれて過ごしたい。そう思わせる魅力がやはり「柊家旅館」にはあるのです。 柊家旅館 京都府/京都 詳細情報はこちら  

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柊家旅館
place
京都府京都市中京区麩屋町姉小路上ル中白山町277
phone
0752211136
opening-hour
夜 18:00 - 21:30(19:00)
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更新日:2024/04/26

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