マッキー牧元の“宿・食探訪記” 京都の人気レストラン「CAINOYA」編


2020.01.11

一休コンシェルジュ

多くのメディアに登場し、グルメ界では、言わずと知れたマッキー牧元さん。“美食”を求めてほぼ毎日、全国を飛び回る彼ですが、それと一緒に素敵な宿にも泊まられています。今回は、マッキー牧元さんが「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」の滞在(滞在記事はコチラ)した際に、夕食で訪れた“イノベーティブ ジャパニーズ”「CAINOYA」での模様を紹介してくれます。「GOOD NATURE HOTEL」のある「GOOD NATURE STATION」の2階は、他の階とは異なる空間が広がっている。他の階は、陽光が差し込む明るい作りなのだが、2階は一転して暗色をベースにした薄暗い雰囲気である。
入っているのは3軒のレストラン、「CAINOYA」、「VELROSIER」、「TAKAYAMA」である。そこは、それぞれイタリア料理や中国料理をベースにしながら、今まで誰も食べたことがない美食を追求する3軒が集結した、日本でも稀有なガストロノミー空間なのである。その中心をなすのが、「CAINOYA」となる。「CAINOYA」オーナーシェフの塩澤 隆由氏は、地元鹿児島で「CAINOYA」をスタートさせ、全国、世界中から彼の料理を求めてやってくる人気店となっていたが、今回は鹿児島の店を閉めて、新たにこの地で開業をした。厨房を望むカウンター7席と個室が用意され、塩澤シェフのしなやかなセンスと卓越した技術による料理がいただける。それでは驚きと喜びに富む15皿をご紹介しよう。1.「菊芋フリット、安納芋のベシャメルソース 卵黄のコンフィ、トリュフ」
香ばしく揚げられた菊芋の甘みに、安納芋、卵黄という三種の異なる甘みのアンサンブルを、トリュフの妖艶な香りが盛り立てる一皿。
ペアリングは、タスマニアの元漁師が造るシャルドネ。2.「ヴィシソワーズ 、バターのジェラート、黒胡椒の泡」
鹿児島時代からのスペシャリテである。最初に芋の優しさが広がって、胡椒が少し刺激して、バターの豊かさが追いかけて、一つになる。そこにペアリングの焼酎を流し込めば、なんともエレガントに輝き出す。
ペアリングは、小正醸造の「薩摩焼酎STRANGER」。 白ワインの酵母、赤ワイン酵母、米麹のシェリー樽に入れるなど、ワイン樽の三種配合の焼酎である。3.「玉ねぎのパイ包み焼き」
これもスペシャリテ。3時間バターで炒めた玉ねぎとパルミジャーノのジェラートソース。濃密な玉ねぎの甘みとチーズの塩気とコクが出会う。余分なものが一切ない。シンプルでいて、高みのある美味しさ。
ペアリングは、イタリアのバタール(シャルドネとピノビアンコ)。4.「GV SUSHI」
花梨の箸が用意され、華やかな寿司が運ばれる。寿司という料理の形を得て、塩澤シェフが、新たに生み出した握り寿司である。おそらくここまでくるのに、何回も試作したであろう。だがそんな苦心は微塵も見せずさらりと出され、誰もが目を丸くするほど完成度が高い。
酢飯とネタのバランスが素晴らしく、魚と酢飯が共鳴しながら、どちらかが口の中に残ることなく、同時に消えていく。
にぎり寿司本来の精神を、従来のにぎり寿司とはまったく違う料理でありながら、具現化している。ぜひ虚心坦懐な心構えで食べて欲しい。
コハダ:タルタルとワサビマスタード
イカ:海老(タカエビ)殻のフォンとアマトリチャーナをガストロバック(減圧調理器、塩澤シェフはこの機器を使い始めた第一人者。出汁など液体を個体に浸透させる)
たった一つの握りなのに、エビをまとめて何匹も食べたような、濃厚なエビの風味を感じる。「カツオ XO醤とタップナード」
酢飯は、ドライトマトのエキスで炊いて黒酢や各種ヴィネガーを合わせてシャリを切っているという。脇には、しゃれて、酢漬けのガリンゴ。
ペアリングは、カツオにはバローロ、他の魚には、カンノナウ・ディ・サルデーニャ。5.「焼きブリ」
一口齧っただけなのに、ブリの切り身を3枚ほど一緒に食べたような旨味の蓄積がある。それでいて後味は軽く、キレがある。味わいがただ“濃い”というのではない。品がある旨味の層が重なって生まれた味の格が、自然なのである。
今までいただいた、どのブリの焼き物とは違う、しなやかさがあって、ブリのたくましさの中に潜んだ優美を、そっと引き出している。
濃厚出汁とブリの出汁と麦味噌をガストロバックしてから、太白ごま油でコンフィし、最後に薪と炭火で焼いた焼き物である。添えられているのは、牛脂でコンフィにした黒大根。6.「いろんな出汁を合わせたサドルバッグの豚汁」
深淵が見えぬほどうまみが深い。スープは鳥の出汁に昆布かつお出汁、生ハム、干し貝柱、鮎魚醤のベースに、白味噌と酒粕を加えてある。
ペアリングは、フリウリのアンフォラで寝かせたという、アンブロージア7.「鹿児島の去勢鳥シャポーンもも肉と胸肉 割り下につけた黄身」
爆ぜるような弾力で、味が詰まっている。中心部まで熱々のj長体なのは、さすがである。
ペアリングは、マルケのサンジョベーゼ。「割り下」と合う。8.「クリスタルサラダ」
ガストロバックで様々な出汁を浸透させた、自家畑産と京都産の野菜を合わせたスペシャリテのサラダである。みずみずしいという言葉は、このサラダのためにある。そして出汁が浸透しながら、生の精気も感じられるカブや大根がなんともうまい。
鳥のブロードで炊いた丸大根、蕪、ズッキーニ、茄子ほか、二種類の焼きナスのペースト 、黒酢のヴィネグレット。9.「鹿児島出水の尾長鴨と天草の未経産牛のシンタマ炭火焼」
「噛め、もっと噛んで」。鴨や牛が囁く。それほどまでに生命感にあふれた味わい。10.「うなぎ」
鹿児島の時と同じように上半身は、煮て焼き、下半身は蒸してガストロバックしてから焼いたもの。それぞれの部位の質が生きて、同じうなぎながら中にある様々な要素を感じ取れる。11.「香箱蟹のリゾーニのリゾット」
蟹の出汁、倍の昆布出汁、トマトなどで茹でたパスタ(米型のリゾーニ)と香箱ガニ。口の中にカニを突っ込まれたような、濃密な味わい。12.「雪が降りつもる」
アフォガード 栗とヘーゼルナッツ。13.「ティラミス ガストロパックしたイチゴ」14.「イチゴタルト」
タルト生地のジェラート。イチゴがジャムや加熱したもののような凝縮感がある。15.「マイティーリーフ と小菓子」以上である。
どの皿も、それぞれの食材の味の芯を高めて作り込んだ高揚感がある。いままで知っている食材であっても、こんな魅力があったのかと驚かせる気があって、官能を揺さぶる。
それは、食材と料理の可能性という未来を指し示す、新たな天体への旅なのであった。※ご紹介した“イノベーティブ ジャパニーズ”「CAINOYA」は「GOOD NATURE HOTEL」のある「GOOD NATURE STATION」の2階です。 GOOD NATURE HOTEL KYOTO(グッド ネイチャー ホテル キョウト) 京都府/河原町 詳細情報はこちら  

GOOD NATURE HOTEL KYOTO(グッド ネイチャー ホテル キョウト)
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4.5

11件の口コミ
place
京都府京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318番6
phone
0753526730

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