京都の分散型ホテル「ENSO ANGO」で暮らすように泊まる


2019.04.13

一休コンシェルジュ

2018年10月に誕生した「ENSO ANGO」。京都の中心地である四条通りと五条通りの間に5棟のホテルが点在する、「分散型ホテル」と言われる新しいスタイルのホテルです。ホテルの新しいスタイル「分散型ホテル」とは?「ENSO ANGO」の特徴は、5棟を自由に回遊することで、街自体を楽しみながら京都に暮らすような感覚で旅ができること。
自分が宿泊する棟以外の施設も利用可能で、観光の合間に近くの棟のラウンジで寛いだり、バーでお酒を楽しんだりできることに加え、どの棟でもチェックイン・チェックアウトOK。自由なスタイルの滞在が叶います。滞在スタイルだけでなく、施設や内装もユニーク!国内外のアーティスト達が5棟それぞれに手水や家具、室内装飾を手掛け、個性豊かなアートやデザインが散りばめられています。
今回は、編集部のmikaが実際に体験させていただいた宿の魅力を、各棟の施設を中心にご紹介します。個性豊かな5つの棟海外から見た多彩な“日本”を感じられる TOMI Ⅱ〈 富小路通 Ⅱ 〉今回私が宿泊させていただいたのはTOMI Ⅱ〈 富小路通 Ⅱ 〉。
空間テーマは「陰影」。岐阜県の伝統産業とタッグを組んだ取り組みが注目されている、スイスのデザイングループ「アトリエ・オイ」が表現した、多彩な「日本」を楽しめます。京都や近畿地方の食材を使ったスペイン・バスク料理を楽しめる「La Rotonda」は、5棟で唯一のレストラン。店内は、和傘を使用した照明器具が目を引きます。京都の老舗和傘屋「日吉屋」とコラボレートしたもので、天井に投影される影が美しく、写真スポットとしても人気なのだそう。レストランの奥にはフロントとバーが。清水焼の陶板を使用した間接照明が、カウンターの背後から優しい光を放っています。他にも、岐阜提灯や、飛騨の杉圧縮材を使用したテーブル&チェア、京扇子を使用した照明など、岐阜と京都の伝統産業が共演する、「アトリエ・オイ」ならではの空間設計です。ラウンジもまた、可愛らしい作品が華を添えています。天井を覆うように飾られているのは本美濃紙のモビール。「陰影」をたっぷりと感じられる優しい演出に、心癒されました。中庭を囲むように各施設が配置されているので、どこに居ても開放感あふれる景色を楽しめます。日本の精神文化を表現した FUYA Ⅱ〈 麩屋町通 Ⅱ 〉5棟の中で最も広いFUYA Ⅱ〈 麩屋町通 Ⅱ 〉は、世界的インテリアデザイナーの故・内田繁氏が創設した「内田デザイン研究所」がデザインを担当。お茶を思わせる抹茶色の壁や、優しいお香の香りに日本らしさを感じられます。細かい格子模様が美しい四角形の空間は、故・内田繁氏の代表作である茶室「山居」の復刻版で、竹を編んで作られています。茶室の概念にある「閉鎖性」を取り払い、空間に溶け込むようにリデザインした現代スタイルの茶室です。差し込んだ光によって地面に模様が浮かび、繊細な美しさに見惚れてしまいました。正座が苦手な方でも気軽にお茶を楽しめる立礼席もあり、事前に予約をすれば茶室や立礼席で茶道教室に参加することも。(予約制・有料)館内施設が充実しているのもFUYA Ⅱ〈 麩屋町通 Ⅱ 〉の特徴です。本格的な坐禅体験やヨガレッスンなどが開催される「タタミサロン」やフィットネスジム、ドリンクやお菓子がいただけるラウンジなど、この棟に宿泊していなくとも一度は訪れたい個性的な施設が揃っています。棟全体が陶作家・安藤雅信氏のギャラリー FUYA Ⅰ〈 麩屋町通 Ⅰ 〉FUYA Ⅰ〈 麩屋町通 Ⅰ 〉は、客室数16室と、5棟の中で最もコンパクト。岐阜県多治見の陶作家・安藤雅信氏が室内装飾を手掛けました。京町家の伝統的な造りを踏襲した“ウナギの寝床”と呼ばれる形状を活かし、細長い廊下には陶芸作品が並びます。ラウンジと坪庭、客室にも作品が飾られ、全体で安藤氏のギャラリー「ギャルリ百草」の世界観を表現しています。各棟のラウンジにはドリンクやスナックが用意され、自由に楽しむことができますが、このラウンジにはもう1つ嬉しいポイントが。それは、机にコンセントとUSBポートが設置されているということ。
観光から戻って、携帯電話を充電しながらティータイムを過ごしたり、パソコンで作業をしたり、ビジネス利用にも便利です。テーマは「食」と「交流」、ポップアートに彩られた TOMI Ⅰ〈 富小路通 I 〉TOMI Ⅰ〈 富小路通 I 〉は「食」と「交流」をテーマとし、キッチンを備えた2つの施設が特徴です。宿泊者が利用できるゲストキッチンは、テラスに面し、明るく開放的な雰囲気。アイランドキッチンに加えて、設備も充実しています。ラウンジは、プロ仕様のカウンターキッチンを完備。普段はドリンクやスナックが並び宿泊者が寛ぐための場所ですが、「おばんざい教室」などのアクティビティでも使われています。この棟でひときわ目を引くのが、ポップで個性的なアート。1980年代に段ボールアートで一世を風靡した現代美術家・日比野克彦氏によるもので、「京都の食」をテーマにしています。使用しているのは、実際に市場を訪れて入手した京野菜の段ボール。ラウンジの壁一面を覆うほどの大きな作品は、勢いと躍動感に圧倒されます!館内の壁や、29室ある客室のアクセントにも小さな作品が。遊び心ある演出が心をほっこりさせてくれますね。バーを備えたミニマル空間 YAMATO Ⅰ〈 大和大路通 I 〉4棟とは少し離れた祇園エリアに位置するのが、寺田尚樹氏がデザインを担当したYAMATO Ⅰ〈 大和大路通 I 〉。京都の四季を表した模型が飾られています。ラウンジはありませんが、1階にバーを備え、街との繋がりも重視しています。アートが華を添えるシンプルで機能的な客室客室の基本的な造りは共通で、棟によって室内のアートが異なります。私が宿泊したTOMI Ⅱ〈 富小路通 Ⅱ 〉の客室には、シンプルな空間のアクセントに「アトリエ・オイ」の作品が。竹をイメージした照明は、やはり影の形もお洒落。「鳩居堂」の文箱や「一保堂」のお茶など、京都ブランドのアイテムも用意されています。サスティナビリティの取り組みに力を入れているのも「ENSO ANGO」の特徴です。歯ブラシ・シャワーキャップ・髭剃りなどの使い捨てプラスチック製品を客室に置かないことに加え、シャンプー類は、動物実験をしておらず高い生分解性が確認されているものを採用しています。
ちなみに、アメニティはリクエストをすれば貰うこともできるので、忘れてしまった場合でもご心配なく。スランバーランド製のベッドの寝心地は抜群!肌触りの良いパジャマに身を包んでぐっすりと眠り、気持ちよく目覚めることができました。最後に注目していただきたいのが、ルームナンバー。
見慣れないフォントだな?と思われるかもしれませんが、それもそのはず。各棟のデザインを手掛けたアーティスト直筆の文字を採用しているのです!
連泊する際には棟を変えて、チェックしてみるのも面白いですね。5棟を回遊することで、京都の街を暮らすように楽しむ滞在は、能動的に過ごす旅慣れた人にこそフィットする新しい旅のスタイルなのだと思います。自分らしい京都の旅を「ENSO ANGO」で叶えてみませんか? ENSO ANGO 京都府/京都市 詳細情報はこちら  

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