ゴッホやボナールが描く19世紀の子ども像。『画家が見たこども展』が開催


2020.06.11

Harumari TOKYO

臨時休館を終え、続々と知的好奇心を刺激する企画展が再開している。なかでも三菱一号館美術館で開催中の『画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン』は、西洋の「子ども」に対する価値転換を知ることができる貴重な機会である。西洋の子どもの概念の変化が分かる企画展三菱一号館美術館の開館10周年を記念した本展は「子ども」にフォーカスしたもの。19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちの作品を中心に、子どもに焦点を当てた油彩・版画112点を通して紹介している。ヨーロッパでは18世紀前半頃まで、「子ども」は「不完全な大人」という認識だったという。一般家庭では7歳くらいになると職人に弟子入りし、立派に仕事をしていたため、“子どもらしい”という価値観は皆無であった。そんな概念をひっくり返したのが、19世紀末にパリで活動した芸術家グループ「ナビ派」であり、それ以降、子どもたちの無垢な姿が画題として取り上げられるようになっていく。「18世紀のロココ時代、19世紀のロマン主義時代を経て、ベラスケスやシャルダンのように、子どもたちの無垢な姿が画題となります。そこには、ルソーによる哲学的な考察を経て、ロマン主義的観点から子どもが単に『小さな大人』ではなく、大人とは異なる純粋で崇高な存在として捉えられるようになる、近代における『子ども観』の大きな変化がありました」(館長 高橋明也さん)本展でフィーチャーされるナビ派は、家族や街の景観など身近なテーマを好んで描いており、子どもを主役にした作品を多く残している。その表情や行動からは、可愛らしさやいたずら好きなところも垣間見ることができ、18世紀と大きく価値転換をした子どもらしさを存分に感じることができる。「ナビ派の画家たちの眼に映る『子ども』は、近代都市生活の体現者であると同時に、それと対峙する夢のような幻想世界や親密な内面性の象徴でもあります。彼らは、画家たちの前で天使のような可愛らしさを振りまいたかと思うと、現実の辛辣な傍観者となって姿を現したりもするのです」(館長 高橋明也さん)日常のささやかな情景に子どもを登場させることで、時代の価値観を投影したナビ派の画家たち。多彩な子どもの姿を通して、かわいいだけではない子どもの世界を味わってみてはいかがだろうか。6月9日〜21日まで
三菱一号館美術館
東京都千代田区丸の内2-6-2
開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)
休館日:月曜日、月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
https://mimt.jp/kodomo/ 

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三菱一号館美術館
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東京都千代田区丸の内2-6-2
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10:00-18:00(祝日・振替休日除…

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