中華料理の常識に挑む!新進気鋭の若きシェフの店


2019.11.15

Harumari TOKYO

「中華料理は火力が命ってまやかしだと思うんです。」こう語るのはまだ若き中華料理シェフの水岡氏。オープンから1年足らずで予約困難となった『南方中華料理 南三』のオーナーシェフでございます。四谷の荒木町に店を構えるにあたって、キッチン環境における火力の弱さに悩んだこともあったそうだが、この弱点を補完して余りある料理を完成させております。いや、むしろこの火力の弱ささえもポジティブに料理に還元しております。どんな環境でも成功する人はするということですね。中華料理と一言でいっても、四大料理とか八大料理といった具合に特徴が違うもの。その中にあって、屋号が示す3つの「南」料理を提供しております。八大料理にも数えられる湖南料理、少数民族料理である雲南料理、台湾独自に発展した台南料理の3つ。日本人に馴染みの深い料理ではないが、それがまた「新しい」中華として喜ばれている部分もあるでしょう。もちろん、冒頭のような確かな哲学でここにオリジナリティーを加えている。挨拶代わりの前菜からユニークな料理が並ぶ。塩レモンで味付けをした初鰹、酔っ払い海鼠、うるいを使った押し豆腐などなど。特にアヒルの塩卵と苦瓜の料理は絶品。続くのが名物の中華シャルキユトリー。フランスの食卓では定番だが、いわゆる肉の加工品のこと。これなら火力が弱さなど関係ないですね。ウイグル地区のソーセージ、豚の大腸と葱のパリパリ揚げ、鴨舌のスモークの盛り合わせが登場。内臓たちで作り上げる作品達は、素材自体の珍しさ、スパイスの味付け、調理、組み合わせの妙など、様々なグッドポイントを見せてくれます。台南からは水連菜なる野菜の炒め物、雲南からはポルチーニ茸が届き春巻の形で提供されます。胡椒によるアクセントも食欲をそそりますが、何よりもポルチーニ茸の香りが驚くほど。 春ではなく、香自体を巻いたような逸品です。南の料理にはスパイスも多用されますが、魚料理や肉料理ではこれを駆使。一方で、肉料理は鹿肉のタンでしたがこれは出汁っぽい風味で仕上げる。まるで日本料理のような繊細さも見せてくれます。引き出しの多さを感じますね。最後を締めるのはビーフンなのだが、もちろんただのビーフンではない。驚くほどもっちりした麺だが、これは雲南のビーフンなんですって!このなんとも言えない食感が、具材を楽しむ時間をしっかり作ってくれます。環境に言い訳をしない、そんな気づきまで与えてくれるお店でございました。素晴らしい! 

南方中華料理 南三
rating

4.5

4件の口コミ
place
東京都新宿区荒木町10-14 伍番館ビル2F B
phone
0353618363
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