青森県十和田市で、ふりそそぐ星を堪能する“星浴”とアート体験。


2020.11.20

Hanako.tokyo

青森県・奥入瀬渓流入口の近くに佇む一軒宿。千年の秘湯として知られる、青森県・蔦温泉で「星浴と闇歩き」を体験しました。夜空に広がる満点の星と、十和田市現代美術館の「NIGHT MUSEUM with LEICA」。五感がググッと研ぎ澄まされる、一泊二日のひとときをレポートします。漆黒の闇に広がる天然のプラネタリウムと、ナイトミュージアム。今回の旅の拠点は、青森県・十和田にある蔦温泉旅館。平安から続く、1000年の秘湯です。日本では希少な“源泉湧き流し”が自慢のお宿!11月上旬に蔦温泉に伺いましたが、この日はふんわりした雪が降り続き、雪化粧をしていました。夜はぐっと冷え込み道路が凍るので、歩くときは要注意。今回体験する星浴と闇歩きは、蔦温泉の玄関が集合場所です。トレッキングシューズを履き、ヘッドライトを装着したら、いよいよ闇歩きのスタート!漆黒の闇に包まれた、森の中を一歩ずつ歩きます。ライトに照らされ浮かび上がったのは、夜の冷え込みで凍った樹液。ポキンと折って、食べると優しい甘みを感じるそう!まるで天然のかき氷です。都会では気づかない風の音や森の香りを感じるひととき。暗闇で視界が閉ざされると、より一層、聴覚や嗅覚が研ぎ澄まされます。森の抜ける風が、頬を撫でながら柔らかく抜けてゆきます。カメラの感度をあげると、このような風景に。高い木々に囲まれた雪道を、蔦沼まで歩きます。蔦沼とは、青森県・十和田にある、蔦七沼と呼ばれる7つの沼のひとつ。1分1秒が、都会よりも長く丁寧に感じるのが不思議。闇歩き中は、滑らないよう歩幅を狭くしながら注意深く進みます。蔦沼に到着し、空を見上げると、頭上には息をのむほどの満天の星。天の川はもちろん、秋の四辺形、火星、牡牛座やスバルなどたくさんの星が見えます。星浴中は、いくつもの流れ星も観ることができました。十分に星浴を楽しんだ後は、ゆっくりと注意しながら蔦温泉旅館へ戻ります。星浴で体が冷えた後は、源泉湧き流しの温泉へ直行!この温泉の特徴は、掛け流しではなく“湧き流し”というところ。源泉の上にブナ板を敷き、そこが浴槽となっているので、時折ポコポコと湯の玉が湧き出すのを感じます。源泉の上がそのまま浴槽ということは、つまり、空気に触れていない新鮮な源泉そのものに浸ることができるということ!そのままだと熱すぎるので、温度調整のために少しだけ森の湧き水も入っているそう。蔦温泉旅館はWi-Fiも完備しているので、ワーケーションにもぴったり!館内には共有スペースもあるので、気分を変えたいときは、場所を変えて過ごしてみるのもいいかも。朝は館内でヨガ体験も楽しめます。星浴で訪れた森の小道を散歩して、じっくりと森林浴をしたあとに、丁寧に体を伸ばすヨガは心地よさ抜群!こちらは朝ヨガで使用する、波紋音(Hamon)という鉄の打楽器。水琴窟のような透き通る音色で、ゆったりと静かな世界に誘います。ヨガを楽しんだとあとは、フレッシュミントのハーブティーをいただきます。じんわりと体に染み渡る一杯!レモングラスやレモンバーム、カシスも入っているので、ほどよい酸味に包まれます。十和田市現代美術館 チェ・ジョンファ フラワー・ホース場所を変えて、十和田市現代美術館へ。こちらは蔦温泉旅館から送迎バスで約40分ほどで到着します。戦前、旧陸軍軍馬補充部が設置されていたことから、「駒街道」という愛称で市民から親しまれる、官庁街通り沿に佇む美術館。入口は、大小様々な花模様の馬のモニュメントがお出迎えしてくれます。十和田市と馬との関わり、そして四季折々を彩る花の存在をイメージしているそう。十和田市現代美術館 ジム・ランビー ゾボップ中に入ると、目に飛び込んでくるのは、色とりどりのビニールテープで床一面を覆う作品。こちらはジム・ランビーによってつくられたもので、絵画でも彫刻でもない、空間と一体化した異次元の世界をつくり出しています。十和田市現代美術館 ジム・ランビー ゾボップ垂直と平行で作られた美しい世界。目を凝らすと、ビニールテープのつなぎ目が浮かび上がります。十和田市現代美術館 アナ・ラウラ・アラエズ 光の橋こちらはネオンで照らされた六角形のトンネルに入る『光の橋』。光と音とガラスだけでできていて、空間そのものを五感で体感する作品です。トンネルの形状は脊柱がモチーフになっているそう。身体性が意識されているこちらの作品は、心地いい静かなサウンドと光に包まれ、スピリチュアルな瞑想の世界が広がってゆきます。トンネルの向こう側には、ちょうど美術館の庭に植えてある桜が見えるので、春に来るとまた別の一面が切り取れるかもしれません。十和田市現代美術館 アナ・ラウラ・アラエズ 光の橋美術館の外から、中を覗くとこんな感じに。奥に見える、四角い空間にグッと引き込まれそうな、感覚を覚えます。十和田市現代美術館 スゥ・ドーホー コーズ・アンド・エフェクトこちらは赤・オレンジ・透明のグラデーションが美しい作品。よく見ると、数万体の樹脂型の人形彫刻が肩車をするように、天井から放射状に吊り下げられています。十和田市現代美術館 スゥ・ドーホー コーズ・アンド・エフェクトこちらがその人形彫刻。照明の光を浴びて、全体がまるでシャンデリアのように輝きます。一瞬、深い深い海に迷い込んだような感覚にもなりました。生命の華やかさを感じさせてくれる一方で、生と死が表裏一体の関係であり、長い時間の中で連綿と繰り返される輪廻転生を表現しています。十和田市現代美術館 ロン・ミュエク スタンディング・ウーマンこちらは4m近くもある女性像。展示室に足を踏み入れた瞬間、巨大な彫刻に遭遇します。肌や皺、透き通る血管や髪の毛一本一本に至るまで、人間の体をリアルに再現しています。あまりに大きく、展示室内ではカメラに収まりきれなかったので、庭越しに撮影しました。十和田市現代美術館 ロン・ミュエク スタンディング・ウーマン夜は「映り込み」を生かして撮影するのも楽しいもの!展示室入口の窓の映り込みを利用して、このようなカットも撮影できます。十和田市現代美術館 トマス・サラセーノ オン・クラウズ(エア_ポート_シティ)こちらは展示室いっぱいに表現された、シャボン玉のような球体の連鎖。空に対する憧れや、空中に漂っていたいという想いを表現したそう。空気や水、光、熱といった不定形の素材と幾何学的構造を使って、形を導き出しています。自然界にありながら、まだ手にすることができていない、軽やかさや透明感が印象的です。十和田市現代美術館 栗林隆 ザンプランド『ザンプランド』と名付けられたこちらの作品は、ふたつの世界にある「境界面」を表現しています。壁裏や天井裏といった空間に異空間を挿入する異次元な感覚。中央より少し左の天井に、アザラシの尻尾が見えています。アザラシは、覗き見る天井裏で、美術館ならではの驚きの風景を目にしているのかもしれません。十和田市現代美術館 山極満博 あっちとこっちとそっち大型作品の多い美術館ですが、時折、かわいらしい作品が目に止まります。庭にいたのは、ひょっこり顔を出すアザラシ。キュートな前歯で、思わず、くすっと笑ってしまいます。宝物探しのように、小さな作品を探しながら、自分なりのストーリーを紡いでみるのもいいかも。青森で楽しむ、ふりそそぐ星とアート体験はいかがでしたでしょうか?都会を離れ、大自然に身を委ねると、眠っていた五感が研ぎ澄まされます。雪深い場所なので、体験できる期間は限られていますが、それがまた新たな感動を生み出します。2021年はGW頃からツアーをスタートするそうなので、ぜひチェックしてみてくださいね!「星浴と闇歩き」
集合・解散場所:蔦温泉旅館
開催期間:2020年10月1日(木)〜11月22日(日)
*2021年もGW前より開催予定。
*プライベートツアーは年中無休で対応可能。
開催時間:20:00〜21:00
定員:最小1名〜最大10名程度  *先着順
料金:4,500円、プライベートツアー12,500円~(税抜)
*保険込、ホットドリンク付き
*天体望遠鏡、双眼鏡、ブランケット、トーチ、ヘッドランプ等は用意されています。
*新型コロナウィルス感染予防対策を実施しますが、状況に応じてマスクの着用をお願いします。
企画:Deneb株式会社 
https://towada-stargazing.com/
TEL:0176-74-2311 

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十和田市現代美術館
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4.5

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place
青森県十和田市西二番町10-9
phone
0176201127
opening-hour
9:00-17:00(最終入館16:30)
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蔦温泉
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青森県十和田市奥瀬蔦1
phone
0176742311
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