新感覚の“禅体験”を。【広島】福山で話題のスポット、禅と庭のミュージアム〈神勝寺〉をチェック!


2020.08.21

Hanako.tokyo

広島県福山市の山中にある〈神勝寺〉はコンテンツが満載。中に入って体験するインスタレーション〈洸庭〉や、広大な日本庭園に建築が点在するこの寺は別名〈禅と庭のミュージアム〉と呼ばれるほど。インスタレーションやうどんや温泉、座禅で多角的に禅の心を体験して、見るのではなく、感じる場所へ訪れてみませんか?禅の心に触れ、己と向き合う。穏やかなる時が流れる場所。荘厳堂に行く途中にある長い階段。広大な敷地に広がる、四季それぞれに趣を変える日本庭園や建築散策も、ここにしかない体験。神勝寺にはつの別名がある。まずつは〈神勝禅寺〉という、禅寺としてのネーミング。1965年、臨済宗建仁寺派の寺として建立された神勝寺には〈国際禅道場〉や〈無明院〉という本堂がある。ここで、お経を書き写す写経や坐禅といった禅の修行が行われている。神勝寺は一般に向けて広く禅の門戸を開いており、希望すれば、坐禅や写経など様々な禅修行を体験できるコースが用意されている。もうつの別名が〈禅と庭のミュージアム〉。もっと多くの人々に、禅に親しんでもらいたいとの考えから、2016年月のリニューアルオープンの際に名付けられた名前だ。舟形を彷彿とさせる建物〈洸庭〉は名和晃平さんと彼が率いるSandwichによるもの。自然の中に、19m×46mの建築が浮かぶ。ミュージアムとしての新たな船出を象徴するかのように、敷地内に建てられたシンボルが、彫刻家の名和晃平さんとクリエイティブ・プラットフォームSandwichが手がけたアートパビリオン〈洸庭〉。17本の柱で宙に浮かんだように見えるこの巨大建築は、船がモチーフ。下に敷いた石を海に見立て、現代アート、現代建築の視点からとらえた禅を表現している。洸庭の中へ。真っ暗な建物内は、揺らめく波を眺めるインスタレーション。大きな浴室で体と心を清める。これも禅。(浴室の使用は、2020年内休止予定)この中に足を踏み入れると目の前に広がるのは、名和さんとヴィジュアルデザインスタジオWOWによる、真っ暗な空間で波が揺らめくインスタレーション。暗闇の中で揺らめく水面を見つめていると心が鎮まる。その体験はまさに坐禅!心穏やかになった後に外に出ると、ついさっきまで見ていた景色や自然の風景が持つ、明るさや色鮮やかさにハッとさせられる。荘厳堂は、敷地の一番奥の無明院内にある。入口には山門が設けられ石庭が広がる。授与品やお土産が並ぶ松堂が、禅と庭のミュージアムのエントランス。建築家の藤森照信さんの作品。約200点に及ぶ白隠のコレクションから、20〜30点の禅画を披露する荘厳堂。身近なものとして感じられるよう、禅画はガラスケースなどに入れずそのまま展示。敷地の一番奥にある〈荘厳堂〉は、目をギョロッとさせた達磨の絵で知られる白隠禅師の禅画・墨蹟の常設展示館。所蔵するコレクション200点の中から、20〜30点をピックアップし常設展示を行う。アートをきっかけに禅に触れられるのが、寺でありながらミュージアムと名付けられた理由。禅の食事作法でいただく「神勝寺うどん」1,200円。臨済宗の修行僧は、4と9がつく日の昼食に湯だめうどんを食べる。洸庭近くの小さなカフェ。約7万坪の敷地には日本庭園が広がり、所々に建築が立つ。〈五観堂〉では、持じ鉢はつと呼ばれる器と太い箸(雲水箸)を使うなど、禅の作法を用いて、修行僧の一番のご馳走である湯だめうどん「神勝寺うどん」をいただける。〈浴室〉の温泉は、垢を落とし、体と心を清めるという意味がある。ここにあるすべての体験が、禅に紐付いているのだ。禅の教えでは、必ずしも坐禅だけが修行ではない。見ることや歩くこと、寝ることも禅。禅に触れ、ゆったりと流れる時間に身を委ねれば、心が次第に落ち着いていく。〈神勝寺〉JR福山駅からクルマで約25分。
広島県福山市沼隈町大字上山南91
084-988-1111
9:00〜17:00(最終受付16:30)不定休
大人1,200円、学生900円、中高生500円、小学生以下無料(Hanako特別編集 合本・完全保存版『幸せをよぶ、神社とお寺。』掲載/photo : Tetsuya Ito text : Junya Hirokawa) 

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神勝寺 禅と庭のミュージアム
place
広島県福山市沼隈町大字上山南91
phone
0849881111
opening-hour
9:00-17:00(最終受付16:30)
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